味方と見方

味方と見方の違い、分かりづらいですよね?

同じ「みかた」という読み方をするので、混同されやすい熟語のひとつです。

パソコンやスマホで文章を書いていても、変換間違いで取り違えて使っているケースがよくあります。

私もついついざっと書いた文章の中で両方を取り違えて使ってしまうことがたびたび・・・・・・。

そこでこの2つの漢字の正しい意味を調べて、両者の違いをまとめてみました!

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味方と見方の違いとは?

「味方」と「見方」の違いを簡単に説明すると

  • 味方・・・自分が属する側/対立する人や団体のどちらかを支持すること
  • 見方・・・見る方法のこと/ある立場からの考え方や見解のこと

どちらも同じ読み方の「みかた」なので混同しやすいものの、その意味はまったく違います。

ですから

「私はあなたの見方だよ」
「敵の見方をしたアイツは裏切り者」

「勝因は天候の変化だという味方が強い」
「大人になると味方が変わる」

などという使い方はアベコベで間違いですよ。

そもそも味方の「味」は当て字(借字)で、昔は「御方」と書いていました。

当て字(借字)とは、漢字の意味とは無関係にただ音を借りて当てはめたもの(だから借字とも呼ばれます)。

本来の御方と書いたほうが「自分の属する側」という本来の意味を想像しやすいですね!

味方の意味を国語辞典で調べてみた

より理解を深めるために、両方の言葉の意味を辞書で調べてみましょう。

まずは「味方」から国語辞典で調べると、こんな説明が。

み‐かた【味方/▽御方/身方】

[名](スル)《「かた」の敬称「御方」の意。「味方」「身方」は当て字》

1 対立するものの中で、自分が属しているほう。また、自分を支持・応援してくれる人。「心強い―」⇔敵。

2 対立するものの一方を支持したり、応援したりすること。「いつも女性に―する」

3 天皇の軍勢。官軍。
「―の軍おぢおそれ三たび退き返る」〈今昔・一一・一〉

出典:goo辞書

たとえば、高校野球に例えると、自分が所属する高校のチームやチームメイト、応援してくれる在校生や家族などが【味方】というわけですね。

また、特に縁もないチームなのに応援するとしたら、その人は「そのチームの味方」と言えるわけです。お分かりでしょうか?

見方の意味を辞典で調べてみると

では、もう一方の見方はどういう意味があるのかというと

み‐かた【見方】

1 物を見る方法。「地図の―」

2 ある立場からの物事の考え方。見解。みよう。「彼と私とでは―が異なる」

出典:goo辞書

これも高校野球に例えてみましょう。

高校野球は同じスポーツながらプロ野球とは違う部分が多くあります。

同じ物差しで測るのではなく「高校野球なりの見方」をするとより楽しめるというわけです。

また、選手の立場、監督の立場、観客の立場、それぞれの違った立場から見た野球は微妙に違うものです。

これは「立場によって見方が異なる」わけですね。

この例えで、理解していただけたでしょうか?

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こういう言葉を【同音異義語】といいます

味方と見方のような同じ読み方(音)なのに、違う意味を持つ言葉を

⇒同音異義語(どうおんいぎご)と言います!

こういった同音異義語は日本語の中には多数あり

  • かんし・・・漢詩/監視/冠詞……
  • さんか・・・酸化/参加/傘下……
  • いどう・・・異動/移動/医道……
  • こうしょう・・・公称/交渉/校章………….

などがパッと思いつくところでしょうか。

特に「こうしょう」の同音異義語は48~50個もあると言われています^^;

>>>移動と異動の違いや使い分け方はこちらの記事をご覧ください<<<

味方と見方を使った文章の例文を集めてみた!

桃太郎とお供たち

ここまで読んできたけれど、いまひとつまだ使い分けの明確な基準が理解できないよ~~~っていう方のために実践的な例文をいくつか挙げてみましたので、使う際の判断基準として参考になさってください。

【味方】を使った例文×5

●ウルトラマンこそ正義の味方の代表だ
●ピンチで味方してくれて助かった
●敵を味方に変える交渉力
●弱者を味方につけた
●桃太郎の味方は犬・キジ・猿の3匹の動物たち

【見方】を使った例文×5

●うがった見方をする
●説明書の見方が分からない
●立場が変わると見方も変わる
●ものの見方が変わった出来事
●フィギュアスケートの得点表の見方が難しい

とってもレアな「あじかたさん」と「みかたさん」

なんとこの両方の熟語は苗字として全国のどこかに存在しているそうです。

  • ⇒味方(あじかた)さん
  • ⇒見方(みかた)さん

こんな風に味方は「あじかた」という読み方をするそうですが、確かに存在します。

関係性は分かりませんが新潟県には味方(あじかた)という地名があるそうですよ。

ちなみに「名字由来net」さんのデータによると

  • 味方さん・・・全国におよそ400人
  • 見方さん・・・全国におよそ300人

と、どちらの名字もかなり人数が少ないようです。確かに現実で出会ったことないですからね。

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まとめ

味方と見方の違いから、その正しい意味と使い分け方までご紹介してきました。

あらためて振り返ると

  • 味方・・・自分が属する側/対立する人や団体のどちらかを支持すること
  • 見方・・・見る方法のこと/ある立場からの考え方や見解のこと

このように意味の違いは歴然ですね。

このふたつの言葉を同時に使う例文をいま思いつきました。

「のちに天下を獲る戦国武将のAは、農民の味方をしていたと考えられていたが、その見方は誤りであることが後年の研究によって分かった」

どうですか、すっきりと自然な形で使えているでしょうか?

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