「さびしい」と「さみしい」に違いはあるのでしょうか?
私も時と場合によって、さびしいと言ったり、さみしいと言ったりして無意識に使い分けています。
こうして文章を書くときも両方を使ったりしますよね。
でもよく考えたら、どっちが正しい言い方なのか知ってる人は少ないはず。
そこで、あらためて詳しく調べてみた結果、わかったことをここにまとめましょう!
「さびしい」と「さみしい」の違い
結論からいいますと、語源は一緒で
「さみしい」は「さびしい」が変化した言い方(読み方)
なんです!
なので意味的な違いはなく、ほとんどの場面ではどちらも使っても間違いではありません。
どっちが正しいとされる言い方なのか?と突き詰めれば、古くからある「さびしい」が標準的な言い方となります。
「さびしい」から「さみしい」が生まれた流れ
「さびしい」から「さみしい」が生まれたのにはこんな経緯がありました。
2. 「さぶし」が平安時代に「さびし」に変化
3. 江戸時代になって「さみし」も使われるようになった
4. 現代まで「さびし(い)」と「さみし(い)」の両方が残った
と、このように、長い年月のなかで「さびしい」の原型である「さぶし」から「さびし」に変化し、そこに新たな言い方である「さみし」が加わったわけです。
それがこうして平成の現代に生きる私たちまで受け継がれて来たんですね!
う~ん、歴史発見ってかんじです(笑)
「さびしい」と「さみしい」の使い分け方
このようにもともとは同じ意味を持つ言葉ですが、使う場面によっては「こちらがより適切」ということもあります。
(例:ひとりのさびしいクリスマス、さびしい夕食の献立)
(例:シャッターのしまったさびしい商店街、人のいないさびしい寒村)
Aの場合は「さみしい」と「さびしい」の両方が使われますが、Bの場面では「さびしい」のほうが適切と言えます。
このような微妙な使い分けがされます。
漢字の「淋しい」と「寂しい」の違いと使い分ける方法
さみしい・さみしいを漢字で書くと「淋しい」と「寂しい」のふたつが変換候補に出ますよね?
文章の流れからどっちを使ったら正しいのだろう?と手が止まる時がありますが、そんなときはひとつの判断基準として、こういう使い分けをすると良いようです。
- 「淋しい」・・・人(心)の様子を表すとき
- 「寂しい」・・・ひとけがなく静かな状況を表すとき
※どちらが正しくて、どちらが間違っているという決まりはありません。
そういえば、悲しい心情を歌った歌詞はだいたい「淋しい」の漢字を使うことが多いですね。
曲名で「淋しい」を含むタイトルを検索すると「こんな淋しい夜は」・「俺は淋しいんだ」・「淋しい熱帯魚」などたくさんありますが、「寂しい」では「悲しいんじゃなくて寂しいだけさ」など数曲しかありません(^_^;)
小腹が減った⇒口寂しい
夕飯はとっくに済んで、あと少しで寝る時間という夜に、ふと何か食べたくなったりしませんか?
こんなときにぴったりなのが「口寂しい(くちさびしい)」です。
なんとも言い得て妙というか、うまい表現ですね。「小腹が減った」というより、何倍も上品な言い方で、美しい日本語だなぁと思います♪
まとめ
さびしいとさみしいの語源は一緒で、意味的には違いはありません。
長い歴史のなかで「さびしい」を「さみしい」と言い出した人がいて、それが定着しただけなんですね。
ただ、世間一般(NHK)などでは「さびしい」と表現するのが正しいとされていますので、正式な文章などでは「さみしい」は使わないほうが無難といえるでしょう。