野道に咲く赤いヒガンバナ

彼岸花には毒があることは有名です。

しかし、ただ無闇に恐れるだけで、くわしいことは何も知らないのが普通。

そこで今回は

  • 彼岸花の毒で死ぬのか?
  • 彼岸花を触るだけで危険?
  • 彼岸花の致死量は?

などを解説します。

小さい子供さんや犬を飼われている方は特に心配だと思うので、どのくらい注意したらいいのかなどもまとめました。

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彼岸花の毒で死ぬ?

一番気になるのは、彼岸花の毒で死ぬことがあるのかということ。

彼岸花の持っている毒性の種類や、摂取してしまった場合の症状がこちらです。

彼岸花の毒は?

アルカロイド(リコリン等)

この毒を摂取するとどうなるか?

・嘔吐
・下痢
・呼吸困難(死亡することもあり

彼岸花を触るだけで危険?

秋になると彼岸花は田んぼの畦道や墓地などを中心にいたるところで見かけます。

これだけ身近にあるとうっかり触ることもあるかもしれません。

しかし、彼岸花の花や茎を触っただけでは危険はありません!

彼岸花の毒は経口摂取(口から食べる)することで影響がでますので、ただ触るだけでは問題はないです。

彼岸花の毒は花や茎のどこにある?

彼岸花の持っている毒は植物のどの部分に含まれているかというと

のすべてです。

これを全草有毒(ぜんそうゆうどく)といって、植物のすべての部分に毒性物質が含まれていることを指します。

なかでも毒が多いのが「鱗茎」という球根部分です。

※鱗茎とは?

うろこ状の欠片が重なりあって球状になった根のこと。

彼岸花は地上部の葉や茎が枯れてもこの鱗茎が土の下に残るため、翌年、翌々年と何年も同じ場所で咲き続けます。

ちょっとした豆知識その1

下手をすると人が死ぬくらいの毒が含まれている彼岸花ですが、良質のデンプンも含まれているため、戦時中には非常食として食用にしていました。

それというのもリコリンという有毒物質は、長時間水にさらしたり洗うと落ちてしまうからなんですね。

※素人が真似をすると危険ですので絶対におやめください。

彼岸花の摂取による致死量は?

彼岸花の有毒成分はアルカロイドの一種である「リコリン」が主となります。

このリコリンを「どれくらい摂取したら死に至るのか?」という致死量ですが

ヒトに対する致死量は10gと、アルカロイドの中では比較的毒性は強くない。 ヒガンバナ中のリコリンの濃度は、生の鱗茎中に 0.5 mg/g、生葉中に 0.3 mg/g

出典:ウィキペディア「リコリン」

と、このように書いてあります。
青空と曼珠沙華
彼岸花の球根ひとつには15mgのリコリンが含まれているので、致死量と比較すると

ヒトの致死量10g>>>球根ひとつ0.015g

このようによっぽど一度に大量に摂取しない限りは死亡するような危険はありません。

※ネズミなど小さな生物にとっては球根ひとつで1500匹分の致死量になります。

ちょっとした豆知識その2

彼岸花は学名をリコリス(Lycoris)と言います。

漢方のリコリス(甘草)と同じ名前なので同じ植物なのかと混同しそうですが、まったく別の植物です。

甘草のリコリスの綴りはLicoriceです。

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子供や犬を彼岸花の毒から守る対策方法

ここまで書いてきたように彼岸花は触るだけでは無害です。

しかし、小さな子供や犬は、葉や茎を折ってかじることもあるかもしれません。

そこで、こんなふうに親が対策を打っておきましょう。

子供には?

写真を見せて「毒があること」をしっかり教えて近づかないように言いつける

愛犬には?

彼岸花が生えている道は散歩コースから外す

(ネズミなど小動物と間違えて球根をかじってしまうケースもあるため)

よく見ると美しい花ですが、行動が予測できないお子さんや犬は最初から近づけないようにするのが一番ですね。

ちょっとした豆知識その3

私の両親はヒガンバナには「不気味で不吉な花」というイメージがあると話しています。

昔は特に墓地の周辺に人為的に植えられていたため、よりそういうイメージが強くなったのでしょう。別名の「曼珠沙華」という名前もどことなくおどろおどろしいですし。

他にも別名があって

  • 死人花
  • 地獄花
  • 幽霊花
  • 疫病花などなどすべて忌まわしく縁起の悪いものばかりです・・・・・・。

なぜお墓の周りに植えられていたかというと、ネズミやモグラやミミズなどお墓を荒らす害虫・害獣を寄せ付けないようにするためでした。

田んぼのあぜ道に多いのも同じ理由からです。

そういった様々な理由が重なって、あんなに可憐な花なのに嫌われるようになっていったんですね。少し可哀そうな気がします。

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まとめ

  • 彼岸花の毒はすべての部分にある
  • 触っただけでは害はない
  • 摂取により死ぬ可能性はある
  • しかし致死量は莫大なのであまり心配は要らない

それほど恐れるほどの毒性ではありませんが、子供や犬は近づけないほうが得策です。

秋になるとあちこちで咲き乱れるので、遠目に鑑賞するくらいにしておくのが無難ですね。

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