れっきとした砂糖なのにグラニュー糖は甘くないのは不思議ですね。
そもそも砂糖とグラニュー糖の違いをご存知でしょうか?
大きな違いがあるのなら、そのベストな使い道はいったい何でしょう?
「名前が違うから、なにか違うんだろう」となんとなく思いつつもそのままにしてる人、意外と多いはず。
そこでこの記事では
- グラニュー糖が甘くない理由
- グラニュー糖と砂糖の違い
- 正しい使い分け方
など料理の基礎知識として知っておきたいことをまとめました。
グラニュー糖が甘くない理由
グラニュー糖が甘くない理由は、料理や素材の味を打ち消さないためです。
普通の砂糖(上白糖)は甘みが強いため、ともすれば料理や素材の本来の味を打ち消してしまいます。
その点、グラニュー糖は甘さが控えめなので本来の味を邪魔せず、「脇役」に徹することが可能というわけ。
たとえば、苦味や酸味が特徴のコーヒーに入れると、それら長所を打ち消さず、それでいて甘みを足せるという利点があるんですね。
砂糖とグラニュー糖の違い
砂糖とグラニュー糖の決定的な違いは
という点です。
「純度が高い」と聞くと、原料の美味しさがギュッと詰まってそうな響きがしますね。
甘さの違い
- グラニュー糖⇒クセのない淡泊な甘さ
- 上白糖⇒コクのある強い甘み
カロリーの違い(100gあたりの量)
- グラニュー糖⇒387 kcal
- 上白糖⇒384 kcal
結晶の大きさの違い
- グラニュー糖:結晶が大きい
- 上白糖:結晶が小さい
吸湿性の違い
- グラニュー糖:吸湿性が低くサラサラ
- 上白糖:吸湿性が高くしっとり
焦げやすさ(料理の焦げ色や照りの付けやすさ)の違い
- グラニュー糖:焦げにくい(焼き色が付きにくい/料理の照りが弱くなる)
- 上白糖:焦げやすい(焼き色が付きやすい/料理の照りが出る)
溶けやすさの違い
- グラニュー糖:溶けにくい
- 上白糖:粒子が小さく溶けやすい
グラニュー糖と砂糖の特性を活かした使い道
グラニュー糖の使い道
クセのない淡泊な甘さなので、コーヒーや紅茶に最適です。
菓子や料理にも広く使われます。
料理の素材自体の味を生かしたい場合に、この淡泊な甘さが相性バッチリ。
焼き菓子などで焦げ色を抑えたい場合にも利用されます。
上白糖の使い道
コクのある強い甘みは、料理・菓子・飲料など何にでも相性が良い万能型。
- 料理・菓子に焼き色を付ける
- 料理に照りを付けるなど
仕上がりを美味しく見せる効果も大。
使い道のまとめ
つまりざっくり言ってしまうと
- コーヒー等の飲み物⇒グラニュー糖
- 料理の味付けや仕上げ⇒上白糖
ということになりますね。
角砂糖はグラニュー糖に湿り気を与えてプレス機で固めて乾燥させたものです。
今まで無意識にコーヒーに角砂糖を入れていましたが、グラニュー糖を入れるのと一緒の行為なんですね。
グラニュー糖とは?
そもそもグラニュー糖とは、いったい何なのでしょうか?
グラニュー糖は、砂糖の原料のサトウキビなどから抽出した「ショ糖」から作られていて「ほぼショ糖の結晶そのもの」と言えます。
だから余計なものが少ないのですね。
ちなみにグラニューは英語で「粒状にした」という意味です。
砂糖とは?
一方の砂糖ですが、正確にいうと砂糖と私達が呼んでいるものは「上白糖」なんです。
「砂糖」は総称であり、その中にグラニュー糖も含まれていますが、ここでは「砂糖=上白糖」という前提で話を進めます。
その上白糖ですが
- 小さなショ糖の結晶を用意
- 転化糖(ショ糖を果糖とブドウ糖とに分解した糖液)を用意
- 小さなショ糖の結晶の表面に転化糖を振り掛ける
- できあがり
こうした複雑な手順を経て上白糖は作られます。
ショ糖そのもののグラニュー糖と違い、手をかけて作られるのが上白糖。
なんとなくイメージ的にグラニュー糖のほうが加工物っぽいですが、まったく逆なんですね。
ですので、グラニュー糖の方が純度が高いのです。
上白糖を使うのは日本だけ!
私達が砂糖と呼んでいる上白糖は、世界では「ほとんど使われていない」って知っていましたか?
普通、砂糖と言えば、上白糖の白い砂糖を思い浮かべますよね。
でも実は世界的にはグラニュー糖が一般的で、上白糖については主に日本で利用されています。
これを聞くと上白糖って特別感があると思えてきました。
万能型の甘味料だから「上白糖様」と尊敬の念をもってありがたく使わせていただくことにします。
まとめ
グラニュー糖が甘くないのは、料理や飲み物の長所を打ち消さないようにするため。
普通の砂糖(上白糖)より加工されていない甘さであり、コーヒーや紅茶に入れるのに向いています。
上白糖は料理に強い甘みを付けたり、焼き色や照りをつけるのに向いています。