- 「柊」を名前にするのは良くないこと?
- 柊の木は魔除け効果があり、花言葉もポジティブなものばかりです。
難癖や「重箱の隅をつつく」ような批判なので、気にする必要はありません。
ただ、そんな答えを聞いてもまだ引っかかる人は多いハズ。
そこで、この記事では
- 「柊」が名前に良くない理由
- 「柊」の漢字の基礎知識
- 「柊」が名前に入っている有名人
- 人気がある「柊」の名前
など解説します。
人名には人一倍興味がある私がお届けします。
「柊」が名前に良くない7つの理由
世間で「柊は名前に良くない」と言われる理由が、こちらの8つです。
- 柊の語源が「疼く(うずく)」だから
- キリストの受難を連想させるから
- 柊の木の別名が物騒だから
- 「冬」に冷たい・寒々しい印象があるから
- 冬生まれの子供以外にはふさわしくないから
- 植物にちなむ漢字は縁起が悪いから
- キラキラネーム(DQNネーム)だと受け取る人もいるから
「え~~そうなの?」と感じる意外な新情報もあるので、ぜひ全部チェックしてみてください。
「柊」の語源が「疼く(うずく)」だから
実は柊(ひいらぎ)という響きや漢字には、あまり良い意味がありません。
柊(ひいらぎ)は、葉っぱにトゲトゲがある樹木。
この葉のトゲはけっこう鋭くて、触ると「痛っ!」となるほど。
さわったあとはしばらく「ひりひり」します。
この「ひりひり痛む」状態を昔の日本人は
- ひひらく(疼く)
- ひいらぐ(疼ぐ)
と表現しました。
柊(ひいらぎ)という名前は
と変化したのが由来だとされます。
柊の漢字が「木へん+冬」となったのも、「疼く」の「冬」と関連があるという説も。
そんな「ひいらぎ」の語源を知っている人からすると
柊なんて名前には良くないよ
と考えるのも無理からぬことでしょう。
【反論】別の読み方をする場合は関係なし
シンプルに「柊(ひいらぎ)」という名前を付ける場合だと、ちょっと気になるかもしれません。
しかし、柊を別の読み方(シュウなど)で名前に付けるなら、まったく気にする必要はないと思います。
キリストの受難を連想させるから
西洋ではクリスマスに柊の木で作ったリースを飾ります。
クリスマスに柊を飾るのは、表向きは「魔除け」の意味からだと言われますが、以下の別の意味も含まれています。
- トゲトゲの葉が「いばらの冠」を表す
- 赤い実はキリストの流した血を表す
要するに柊は、イエス・キリストの受難(十字架刑)を象徴する木なんですね。
そんな知識を持つ人からすると
名前に柊をつけるなんてもってほのかだ!
なんて青筋を立てるようです。
【反論】日本と西洋の柊は別種
西洋で一般的な柊は「セイヨウヒイラギ」。
一方、日本のヒイラギは全く別の種類で、葉の形なども異なります。
西洋でのイメージを日本に当てはめるのは筋違いと言えるでしょう。
柊の木の別名が物騒だから
柊にはこんな別名があります。
- 鬼の眼突き(おにのめつき)
- 鬼脅し(おにおどし)
「鬼の眼突き」は、鬼が柊の葉っぱのトゲトゲで目をツンツンと突かれて、逃げ帰ったという伝説から。
「鬼脅し」も同様に、柊の魔除けの力に鬼さえ脅されて逃げていくところからだと思われます。
柊の漢字や「ひいらぎ」の響きはクールで洒落てますが、その木自体はなかなかに恐ろしく物騒な性質を持っていることが別名から伺えます。
【反論】鬼を遠ざける魔除けパワーにあやかれる
「鬼の眼突き」の別名がついたのは、節分にイワシの頭と一緒に玄関に飾る風習があったためです。
鬼は日本では悪いものの象徴であり、それくらい魔除けにはパワーがある植物だと信じられていました。
柊の漢字を名前につければ、それにあやかって、悪いものを遠ざける力を授かれるはず。
「冬」に冷たい・寒々しい印象があるから
柊の漢字の旁(つくり)は、「冬」。
冬といえば
- 冷たい
- 寒い
- 雪と氷
- 厳しい季節
など、夏に比べるとネガティブなイメージが強いですよね。
子供の名前に冬を連想させる漢字を付けるのは良くないと考える人もいます。
【反論】寒い冬にも強い樹木
柊は「常緑樹」といって、一年中、緑の葉っぱを維持し続けるタイプの樹木。
どんなに寒さが厳しい冬でも、葉が枯れること無く青々としたまま。
お子さんが厳しい時代に生きることになっても、元気に過ごしてほしいという意味を込めてつけるにはピッタリの漢字でしょう。
冬生まれの子供以外にはふさわしくないから
柊は冬に花を咲かせ、赤い実をつけます。
また、俳句で柊は冬の季語。
見た目も意味でも「冬」を連想させ、冬生まれの子供以外にはふさわしくないと思うのは当然ですね。
もし「柊」を含む名前の人と知り合ったら
「絶対、冬生れですよね?」
と思われるのが自然でしょう。
しかし、いまは「柊」の漢字に惹かれて冬生まれ以外の子供に命名しようとする人もいます。
そんな生まれた季節限定の漢字であるため、柊は名前に良くないという意見も……。
【反論】一年中元気な木だから
たしかに柊は冬を連想させる木です。
しかし、だからといって春・夏・秋に存在しないかというと、そんなことはありません。
一年中、元気な常緑樹です。
季節にこだわるのも、あまり意味がない気がしませんか?
植物にちなむ名前は縁起が悪いから
昔からにほんでは、植物にちなむ名前は
- 枯れる
- 散る
を連想させるため、縁起が悪いと言われてきました。
今の若い世代にはピンときませんが、昭和世代にはまだその考え方は根強よく残っているようです。
我が子に「柊」の漢字を使おうとしたら、両親・義両親から
柊みたいな植物の名前は良くないだろう
とたしなめられるケースもあるとか。
【反論】芽吹く・花が咲くの良いイメージもある
植物にも種類があって、柊はとくに一年中、葉を落とさない常緑樹です。
花は咲き終わると「散り」ますが、また翌年になると咲きます。
植物が持っている
- 新緑の芽生え
- 開花
- 種をつける
など良い意味での変化に着目すれば、ネガティブなイメージは気にならなくなるでしょう。
キラキラネーム(DQNネーム)だと受け取る人もいるから
柊が人名用漢字として使えるようになったのは、1990年から。
いまから約30年まえですね。
ですから、「柊」の名を持つ人の最長年齢は30歳前後。
まだまだ、新鮮な感覚が抜けず、そのためにキラキラネームっぽい響きも漂います。
子供の祖父母の世代や、キラキラネームを極端に嫌う人からすると
柊なんて名前は今風すぎて良くない
って思われるでしょう。
【反論】違和感はだんだん薄れる
個人的に「柊」の字が入った名前は、アニメやマンガのキャラクターっぽい印象が強いです。
「柊」と別の漢字を組み合わせた簡単には読めない名前だと、たしかにキラキラ(DQNネーム)感が強くなりますね。
ただ、違和感があるのは今だけで、あと数年~数十年すれば「柊」の名前を持つ人が増えるでしょうから、なんとも思わなくなるはずです。
柊を名前にするときに知っておきたい基礎知識
子供に「柊」の漢字を付ける場合に、最低限知っておきたい基礎知識をまとました。
柊という漢字について
画数 | 9画 |
部首 | 木(き・きへん) |
音読み | シュウ |
訓読み | ひいらぎ |
種別 | 人名用漢字 |
漢検級 | 準1級 |
柊ってどんな木?
柊はモクセイ科モクセイ属の常緑小高木の一種。
樹高は4~8mになり、花は金木犀に似た香りを漂わせます。
日本では関東地方より西の本州、四国・九州・沖縄の山地に自生します。
- 昔から邪鬼の侵入を防ぐと信じられていた
- 葉のトゲが防犯になる
という理由から庭木や生垣に利用されてきました。
■参考:ヒイラギ – Wikipedia
柊の花言葉
柊は白い花を咲かすため、ちゃんと花言葉があります。
それがこちらの2つ。
- 用心深さ
- 先見の明
子供を柊と名付ければ、慎重な性格になり、大きな失敗を避ける人生を送ってくれそうじゃないですか。
柊の名前の実例集
柊を名前に用いる場合、訓読みの「ひいらぎ」と音読みの「シュウ」の他に、「ひ」・「とう」・「しゅ」という読み方でも使われます。
では、実際にどんな名前のバリエーションがあるのか、実例を見ていきましょう。
柊が下の名前に入っている有名人
やはり1990年以降に生まれた若いスポーツ選手を中心に、「柊」の名が増加中のようです。
- 薮下柊(やぶしたしゅう)/NMB48
- 宮柊二(みやしゅうじ)/歌人
- 藤臣柊子(ふじおみしゅうこ)/漫画家・エッセイスト
- 安部柊斗(あべしゅうと)/サッカー選手
- 前田柊(まえだしゅう)/サッカー選手
- 泉柊椰(いずみとうや)/サッカー選手
- 山本柊輔(やまもとしゅうすけ)/バスケットボール選手
- 石川柊太(いしかわしゅうた)/野球選手
柊を使った人気の名前(男の子・女の子)
柊と別の漢字を組み合わせた名前には、どんなバリエーションがあるのか、具体例をご紹介します。
ひとつの「よみ」に対して、漢字の組み合わせ方が数通りありますね。
男の子
かいしゅう | 海柊 開柊 快柊 |
けいしゅう | 景柊 慶柊 圭柊 |
しゅう | 柊宇 柊羽 柊佑 |
しゅうご | 柊伍 柊冴 柊吾 |
しゅうじ | 柊仁 柊志 柊次 |
しゅうすけ | 柊佑 柊介 柊輔 |
しゅうと | 柊斗 柊登 柊人 |
しゅうま | 柊磨 柊馬 柊真 |
とうじ | 柊次 柊治 柊二 |
ゆうひ | 友柊 結柊 佑柊 |
女の子
あきひ | 明柊 秋柊 陽柊 |
あさひ | 朝柊 諒柊 |
しゅうか | 柊佳 柊果 柊花 |
しゅうな | 柊凪 柊奈 柊海 |
しゅり | 柊李 柊里 |
はるひ | 春柊 美柊 遥柊 |
ひいな | 柊凪 柊奈 柊菜 |
ひかり | 柊佳里 柊加梨 柊可利 |
ひさ | 柊咲 柊紗 柊沙 |
ひさえ | 柊佐依 柊佐枝 |
ひさの | 柊紗乃 柊沙乃 |
ひな | 柊凪 柊奈 |
ひなの | 柊奈乃 柊名乃 柊那乃 |
ひより | 柊世里 柊与梨 柊世理 |
ゆうひ | 友柊 柚柊 優柊 |
まとめ
柊を名前にするのは良くないのは
- 柊の語源が「疼く(うずく)」
- キリストの受難を連想
- 柊の木の別名が物騒
- 「冬」に冷たい・寒いイメージ
- 冬生まれの子供専用
- 植物漢字は縁起が悪い
- キラキラネームっぽい
こんな理由からでした。
私個人の感想としては「気にする必要なし」ですね。
たしかに夏生まれの子供に「柊」は違和感があるかもしれませんが、それもささいなことです。
柊という樹木自体は、花言葉もよく、昔から日本では魔除けとして大事にされてきました。
キラキラネームどころか、日本古来の伝統を受け継ぐ良い漢字だと思います。