栗は生でも食べられるか?、この問題なんですが私もついこの間、衝撃の事実を知ったばかり。
先日、知人からザルいっぱいの殻付きの栗を頂きまして、これをどうやって食べたらいいのか、かなり困ったんですね。
栗ご飯がすぐに思いつくけれど、手間がかかって面倒そうだし、だったら生栗のまま食べたらどうかと物知りな母な相談したら「絶対ダメ!」って言われたんです。
その理由と、栗の安全で美味しい食べ方をご紹介していきましょう。
栗を生で食べる?それって大丈夫?
栗って生で食べられるのかというと「食べられます」。
昔の人は山に入っては栗を獲って、生のままかじって食べていたそうですから。
しかし、現在ではこんな4つの理由から栗を生で食べるのは推奨されません。
- 皮膚病になるリスクがあるから
- 虫が卵を産み付けているから
- アレルギーを引き起こすリスクがあるから
- 味に好き嫌いがあるから
では、それぞれの理由についてくわしく見ていきましょう。
皮膚病になるリスク
昔から栗を生で食べる人の間では、生栗を食べすぎると「瘡を掻く(かさをかく)」と言われていました。
「瘡を掻く(かさをかく)」とは昔の言葉で「皮膚病になる」という意味があるそうです。
ただ、あくまで食べすぎない限りはそのような危険性がないため、山に分け入って、生の栗を試しに1~2個食べるくらいなら大丈夫だということです。
虫が卵を産み付けているリスク
個人的に一番イヤな理由がこちら。
茹でた栗を包丁でむくとたまに虫の幼虫みたいなのが出てくることがありますよね?
あの虫の正体は「クリシギゾウムシ」というゾウムシの一種。
クリシギゾウムシがメスが栗に卵を産み付けて、その幼虫が栗の中で孵り、栗を食べながら成長していきます。
このクリシギゾウムシが中に入ったままの生栗を食べてしまったら最悪!!!
やっぱり火を通して食べたほうがベターですね。
アレルギーを引き起こす
最近ではいろんな食べ物にアレルギーを引き起こす人が子供を中心に増えていますが、栗もアレルゲンのひとつ。
栗のアレルギー反応は、口の中や喉などにかゆみや痛みを感じますが、これを「口腔アレルギー症候群」といって、生で食べた場合に多いそうです。
大人はまだしも子供に生の栗はやっぱりやめたほうが無難ですね。
味の好き嫌い
生の栗は、茹でた栗と比べて食感が硬いですし、甘みも薄め。
ちょうどサツマイモを生で食べたのと似た感じといいますので、容易に想像がつきますね。
それに生の栗だと渋皮が完璧に取り除けないので、渋さが残ったりアクのエグミを感じやすいでしょう。
ですから茹でた栗に比べて、味の好き嫌いがあるのは間違いありません。
栗の安全で美味しい食べ方4選
スプーンですくって食べる【茹で栗】
一番簡単な食べ方がこれでしょう!
- 栗を殻ごと茹でる
- 茹で上がったら包丁で真ん中で二等分する
- スプーンでほじくって食べる
やってみたなかでこれが一番手間がかからないで楽な方法でした!
生煮えには注意しないといけないですが、殻をむかないで食べられる唯一の方法ですね。
栗の詳しい茹で方はこちらの記事をご覧ください。
ホクホクとした食感を楽しむ【蒸し栗】
二番目に簡単な食べ方が栗を蒸す方法。
- 栗を殻ごと蒸し器で蒸す
- 蒸しあがったら包丁で二等分する
- スプーンですくって食べる
茹でたのとはちょっと違うホクホクとした食感がいいですね。
渋皮ごと素揚げする【マロンフライ】
ちょっと面倒だけど香ばしい食べ方がこちら。
- 栗の殻をむく
- 渋皮が付いたまま、熱した油(170℃)で5分くらい素揚げする
- 塩を少々ふる
- 渋皮をむいて食べる
揚げた後に渋皮をむくのはわりと楽です。冷蔵庫で保存して冷たくなったのも美味しく食べられましたよ。
※栗の渋皮とは殻をむいた後の実についているザラザラした皮のことで、これを向くのがすごく面倒くさい作業なんです。
じっくり焼く【焼き栗】
私がやってみて一番「美味い!」と思った食べ方がこちらです。
- 生の殻付きの栗に包丁で切れ込みを入れる
- 魚焼きグリルの底に水を入れ、15分間くらい焼く
あっつあつのほこほこですごく美味しいです。
茹でたサツマイモと焼き芋が「どっちが美味しいか?」って言ったら、やっぱり焼き芋だと答えるように栗も「茹で栗」よりも「焼き栗」の方が味では断然上回りますね。
※栗には包丁の角の部分をぎゅっと押し付けて、しっかりと深めに切れ込みを入れてください。そうしないと栗がはじけることがあるそうです。
※オーブンレンジで焼く場合は200℃に温めたところにアルミホイル等を敷いて15分くらい焼きます(加熱が終わった後もはじける危険性があるので十分ご注意を)
⇒フライパンでも作れますよ(こっちのほうが楽かな)
栗の食べすぎは良くない?1日何個まで?
栗を食べすぎると便秘になるという俗説がありますが、そのような事実はありません。
栗には食物繊維が豊富なため、逆にお通じが良くなる可能性のほうが高いくらいですから。
そのおかげでサツマイモと同じように食べるとオナラが出やすくなります(女性はご注意)
そんな栗の主な栄養素がこちら。
- ビタミンB1
- カリウム
- タンニン
- ビタミンC
このなかで注目は渋皮に含まれるというタンニン。
タンニンはポリフェノールの一種で抗酸化作用があるため、老化防止やがん予防に効果があると言われています。
もちろん、なんでも食べすぎるとお腹を壊すものですが、栗ならではの食べすぎの害はないようで、1日に何個までという目安もありません。
ただ、栗はわりとカロリーが高め。
- 栗1個・・・約20kcal
- 栗100g・・・約160kcal
あまりにも美味しいからといってバクバク食べてしまうのは、ダイエット中の方は特に気をつけたほうがいいでしょう。
栗は冷凍保存できます
あまりに大量に栗を貰ってしまうと食べきれないときがありますよね。
そんな栗は冷凍庫で冷凍保存ができますよ。
茹でていない殻が付いた状態の生栗のままで冷凍庫に入れればOK!
使うときはそのまま解凍せずに茹でられますので。
冷凍するときはジップロック等の保存袋に入れて匂いが移らないようにします。
※生栗はそのまま保管すると虫食いがでますので、すぐに茹でたりして食べるか、あるいは冷凍保存をしましょう。
鬼皮ってなに?
栗のレシピを調べているとよく「鬼皮」という表現を見かけます。
普段あまり周りでは使ってる人がいない言葉だったので「?」と疑問でした。
鬼皮とは木の実の「外側の厚くて硬い皮」のことを指すんだそうです。
栗に限らずそう呼ぶそうですが、内側にある薄い皮(渋皮)と対比した表現なんですね。
生の栗は食べられる?まとめ
生の栗はそのままで食べられるのか、疑問は解消されたでしょうか?
私も今回、試しにクリシギゾウムシに食われていないか確認してから一個だけ生の栗を食べてみました。
しかし、固くて甘さも薄いのでとても美味しいとは言えませんでしたよ。
栗の種類(山栗など)なら生でも美味かもしれませんが、やっぱり私は火を通したほうが断然好きですね。
今年も栗ご飯を炊いて秋の味覚を満喫する予定です!