- 「仁」は名前につけてはいけないというのは本当ですか?
- 皇族と同じ名前だから不敬との意見もありますが、一般人の命名に禁止されている漢字ではありません。
「仁」はどことなく品があり、一本筋が通ったような風格がある漢字です。
赤ちゃんの命名に使いたい人は多いですが、一部の人からは
「仁」は名前に良くないわよ
などと注意されることも……。
そこで今回は
- 「仁」を名前につけてはいけない理由
- 「仁」を名前につけていい根拠
- 「仁」の現在の人気度
をご紹介します。
これを読めば「仁」に対する不安が解消しますよ。
「仁」を名前につけてはいけない理由
「仁」を名前につけてはいけないと言われる理由は、天皇家の男性が名前に使う漢字だからです。
いわゆる「皇族」の方々ですね。
天皇家に特別に敬意を抱く人からすると
皇族と同じ名前を付けるなんて「不敬」だ
などと、つい忠告したくなるんですね。
特に年配の人にその誤った認識を持つ人が多いようです。
「不敬」とは?
「不敬」を辞書で調べると、こう説明がされています。
尊敬の念を持たず、礼儀にはずれること。また、そのさま。
日常的に使う言葉ではなく、主に皇室に対して敬意を欠いた行動や言動をする場合に使われます。
その証拠に昭和22年(1947年)までは「不敬罪」という、皇族や天皇家の墳墓などに不敬な行為をした際の罪がありました。
しかし、現在では廃止されています。
「仁」の名を持つ皇族
歴代の天皇家の男性は約1,000年ほど前から、名前に「仁」を使うようになりました。
現在の皇室でも、以下のように男性はすべて「仁」の漢字を含んだ名前を持ちます。
- 上皇陛下(明仁)
- 天皇陛下(徳仁)
- 秋篠宮殿下(文仁)
- 秋篠宮親王殿下(悠仁)
漢字の組み合わせ次第では、皇族の方とまったくの同名になる可能性があるんですね。
不敬を指摘するような人が周囲にいる場合、せめてその点は避けるようにしたほうがいいでしょう。
「仁」を名前につけてよい2つの根拠
一般人でも「仁」を名前につけてよいのは、この2つの根拠があるためです。
- 法律で禁止されていない常用漢字
- 有名人でも「仁」の名を持つ人が多い
法律で禁止されていない常用漢字
「仁」は常用漢字のひとつです。
常用漢字とは日常的に使われる1962字からなる漢字のことで、子供の名前にも使用が許可されています。
天皇家の男性の命名に多用される漢字ですが、一般人が使うことにはなんの問題もありません。
人名用漢字表に「仁」が載っていないため、使えないと勘違いする方もいますが、それは誤解。
人名用漢字は常用漢字に含まれない漢字を補足したものであり、常用漢字に含まれる漢字は赤ちゃんの命名にすべて使えるんですね。
有名人でも「仁」の名を持つ人が多い
「仁」を名前に使っていい最大の証拠が、有名人に「仁」の名を持つ人が多いこと。
思いつく限り、列挙してみました。
男性有名人
- 赤西仁:歌手
- 北川悠仁:歌手
- 草野仁:タレント
- 城咲仁:タレント
- 片桐仁:タレント
- 遠藤保仁:サッカー選手
- 山本理仁:サッカー選手
- 西岡良仁:テニス選手
- 真山仁:小説家
女性有名人
- 麻木久仁子:タレント
- 中村仁美:アナウンサー
- 生天目仁美:声優
- 北川久仁子:ラジオパーソナリティ
男性が多いですが、女性の方もけっこういらっしゃいます。
これだけ多くの人がメディアで活躍されているのですから、「仁」を名乗るのはなんの問題もない確たる証拠といえるでしょう。
「仁」の現在の人気度
「仁」は現在どれくらい人気がるのか、赤ちゃんの命名ランキングから探ってみました。
大手機関が毎年、前年度に生まれた子供にどんな名前が着けられたか、上位100位までを集計して発表しています。
そのランキングによると、「仁」の順位がこちら。
性別 | 順位/名前 |
---|---|
女の子 | 98位/仁菜 |
男の子 | ・52位/仁 ・70位/理仁 |
上位ではないもの男女ともランクインしていました。
まとめ
「仁」を名前につけてはいけないと言われる理由は、「皇族の男性の名前に使用されている」からでした。
そんな偉い方の名前を庶民がつけるのは畏れ多いというわけですね。
しかし、法律で禁止されているわけでもないですし、実際、有名人や一般の人でも「仁」の名を持つ人はたくさんいます。
もし「仁」を気に入ったなら、外野の声は気にしないでつけられたらいいかと個人的には考えます。