- 「湊」は名前に良くないのは本当ですか?
- 昔はさんずいの漢字は「水難に遭う」から縁起が悪いと信じられていたためです。しかし、それは迷信なので気にする必要はありません。
さわやかで洗練されたイメージがある「湊」。
ここ数年ぐぐっと子供の命名に使う人が増えている大人気の漢字ですが、「絶対やめたほうがいい!」との反対意見も聞こえてきます。
そこで今回は
- 「湊」が名前に良くない理由
- 「湊」の名前に込められる親の願い
- 「湊」の現在の人気度
をご紹介します。
これを読めば「湊」への不信感がすべて払拭されますよ。
「湊」が名前に良くない5つの理由
「湊」が名前に良くないと言われる理由は、この5つです。
- さんずいの漢字は縁起が悪い
- 「みなと」は苗字っぽい
- 読みにくい名前になりやすい
- 口で説明がしずらい漢字
- キラキラネームと思われやすい
さんずいの漢字は縁起が悪い
「湊」が名前に良くない理由の1つ目が「さんずいの漢字は縁起が悪い」ため。
「湊」は「水」を表す「さんずい」が付く漢字。
昔から「さんずい」が付く漢字は「湊」に限らずすべて、こんな理由から縁起が悪いと言われてきました。
- 「流れてしまう」
- 「水難に遭う」
要するに「水は流れるもの」というイメージから、さんずいが付く湊のような漢字を子供の名に使うと
- 妊娠中に名付けると流産する
- 海や川などで水難事故に遭って亡くなる
と昔の日本人は避けていたそうです。
迷信だから信じる信じないはあなた次第
当たり前ですが、さんずいの漢字が名前に入った人が、すべて水の事故で亡くなるわけではありません。
何万人に1人はいるかもしれませんが、それはあくまで確率の問題です。
まったくの科学的根拠のない迷信なので、信じる信じないはあなた次第です。
「みなと」は苗字っぽい
「湊」が名前に良くない理由の2つ目が「『みなと』は苗字っぽい」ため。
もし漢字一文字で「湊」と付ける場合、読み方は「みなと」が普通ですよね。
「湊(みなと)」は苗字として存在し、有名人では作家の湊かなえさんが広く知られています。
そのため、湊(みなと)という名前自体が
なんだか苗字の印象が強くて、名前としては違和感がある
と感じる人が多少いらっしゃるようです。
女の子に「みなと」と付けた場合、将来の結婚相手の姓が「湊」だったら「みなと・みなと」になってしまう……なんて心配しすぎでしょうか(笑)
読みにくい名前になりやすい
「湊」が名前に良くない理由の3つ目が「読みにくい名前になりやすい」ため。
「湊」一文字だけの名前ではなく、他の漢字と組み合わせた命名を考えていらっしゃる方のほうが多いでしょう。
しかし、組み合わせ方によっては非常に読むのが難しい名前になりがちです……。
「湊」を使った名前の例を挙げますから、どれだけ正確に読めるか客観的にお確かめください。
- 湊奈(そな)
- 湊愛(そあ)
- 湊葉(そよ)
- 湊羽(みう)
- 湊月(みつき)
- 湊音(みおん)
- 湊海(みなみ)
- 湊心(みなこ)
- 湊宇(あつたか)
- 湊陽(あつひ)
- 湊世(みなせ)
- 湊空(そうあ)
- 湊凪(みなぎ)
- 湊南斗(みなと)
私は正直に申し上げて、9割以上は不正解でした。
学校の先生や病院などで、間違った読み方で呼ばれる未来が容易に想像ができます。
「よみがな」が必須の名前はやっぱり不便ですよね。
口で説明がしずらい漢字
「湊」が名前に良くない理由の4つ目が「口で説明がしずらい漢字」のため。
「湊」は学校で習うことはない常用漢字外なので、ノーヒントで書ける人は少ない漢字のひとつ。
電話口で相手に自分の名前を伝える場合、「湊」は非常に説明がしにくいという問題点があります。
「さんずい」に「演奏」の「そう」と書いて「みなと」です
と説明するのが一般的ですが、スムーズに相手はイメージできるかどうかは不明……。
実用面でちょっと苦労が多い漢字なのは確かですね。
キラキラネームと思われやすい
「湊」が名前に良くない理由の5つ目が「キラキラネームと思われやすい」ため。
「湊」は2004年から人名用漢字(名前に使うのが許可された漢字)に追加されました。
まだ20年ほどしか経っておらず、「湊」の名を持つ人はまだ20代と若い世代のみ。
そのせいで年配の人ほど「湊」には馴染みが薄く
「湊」を使った名前はキラキラネームっぽいわね
と抵抗感を覚えやすいかもしれません。
人名用漢字として一般的になり、誰にとっても「しっくりくる」ようになるにはまだあと数年~数十年の時間が必要でしょう。
「湊」の名前に込められる親の願い
「湊」を名前に使うと、こんなメッセージを込めることができます。
- たくさんの出会いがある人生に
- リーダー的な存在に
たくさんの出会いがある人生に
「湊」という漢字は、「人」や「モノ」が集まるといった意味があります。
船での輸送がメインだった昔には「湊(港)」は、世界中から人やモノが集められ、また他の港へと運ばれていきました。
子供に「湊」と名付ければ、そんなたくさんの出会いに恵まれる人生になってほしいとの願いを込めることができます。
リーダー的な存在に
現代は輸送の主役は飛行機に移りましたが、「空港」という呼び名にも「みなと」は残されています。
人やモノの流通の中心的存在である「みなと」は、人に例えればリーダー的な存在。
人を惹きつける魅力を備えたリーダーシップのある人に育ってほしい
そんな願いも込めることができるでしょう。
「湊」の現在の人気度
いま「湊」はどれほど人気が高いのか、この2つのデータをもとに検証してみます。
- 赤ちゃんの命名ランキング
- 「湊」が名前に入っている有名人
赤ちゃんの命名ランキング
大手機関が毎年、前年に生まれた赤ちゃんにどんな名前が多く付けられたのか、上位100まで発表しています。
その命名ランキングでは「湊」の順位はというと……。
性別 | 順位/名前 |
---|---|
女の子 | ランク外 |
男の子 | 8位/湊 8位/湊斗 36位/湊音 42位/湊大 82位/湊翔 |
男の子の名としては5つもランクイン。
女の子は100位以内にはひとつも入っていないという結果でした。
「湊」が名前に入っている有名人
「湊」が下の名前に入っている有名人を集めてみました。
- 篠原湊大:俳優
- 朱川湊人:小説家
- 貴戸湊太:小説家
苗字に入っている方は多いですが、「名」となるとまだまだ少ないようです。
まとめ
「湊」が名前に良くないのは
- さんずいの漢字は縁起が悪い
- 「みなと」は苗字っぽい
- 読みにくい名前になりやすい
- 口で説明がしずらい漢字
- キラキラネームと思われやすい
この5つの理由からでした。
さんずいの漢字全般は同じ理由から、昔は避ける傾向にありました。
しかし、現代では年配の人をのぞけば、その事実を知らない人がほとんどなので気にする必要はないでしょう。
他の漢字との組み合わせ次第では、難読名になったり、キラキラっぽい印象を与えかねないので注意したいですね。