世界でも有数の雨が多い国、それが日本。
清流や森林、湖など雨は豊かな自然を育んでくれますが、住んでいる私たちにとっては、憂鬱のタネ……。
家の中にいても、室内の湿気が高くなるのでやっかいですよね?
雨の日の湿度を下げる方法を知りたい人は、きっと多いでしょう。
そこで、この記事では
- 雨の日に湿度を下げる方法
- 室内の狭い場所の湿度を下げる方法
- 雨の日に湿度が上がる知られざる原因
などなど、私が知っている裏ワザを惜しみなくご紹介していきましょう!
雨の日に湿度を下げる方法
雨の日に湿度を下げる最良の方法は、「窓を開けて換気すること」なんです。
意外に思うかもしれませんが、これがお金がかからず、すぐできるベストな対策。
では、具体的なやり方を解説していきます。
窓を開けて換気しよう
室内の湿気を外に逃がすには、風の「入り口」と「出口」になる2ヶ所の窓を開けるのが最大のポイント。
1ヶ所の窓を空けるだけでも換気にはなりますが、それでは空気の流れが生まれないため、スムーズに湿気を外に逃がせません……。
理想は対角線の位置にある二ヶ所の窓を開けること。
こうすることで、部屋全体の空気が外に押し出され、新鮮な空気が室内に流れ込んできますよ。
扇風機やサーキュレーターで換気効率をアップ!
窓が1つしかない部屋では、なかなか室内のこもった湿気は外に逃げていきません。
そんなときは人工的に空気の流れを作る必要があります。
そこで出番になるのが扇風機やサーキュレーターです。
扇風機やサーキュレーターの使い方
部屋の湿度を下げるために、扇風機かサーキュレーターのどちらかを用意してください。
どちらでも効果には差がありませんので、家にあるもので十分です。
扇風機(サーキュレーター)は、開いた窓の前に「風が外へ吹く向き」で置きます。
こうして強制的に部屋の空気を外に追いやることで、外の空気が室内に入ってくるでしょう。
扇風機(サーキュレーター)の電源は、一刻も早く換気したい場合は「強」で、のんびりと換気したい場合は「弱」に設定してください。
窓を開けると湿度が上がらない?
雨が降っているのに窓を開けてしまったら、ますます湿度が高くなると心配する人も多いハズ。
でも、その点は心配無用です。
最近の住宅は気密性が高いため、湿気がこもりやすくなっているんですね。
昔の木造住宅はそうでもないですが、最新式の高気密住宅は特にそう。
ですから、雨の日でも屋外よりも屋内のほうが、湿度が高くなっていることがほとんど。
窓を閉め切ってしまうのは、ますます湿度を高める原因に……。
人間は自然の風を感じると、気分的にも「すうっ」と気持ちよくなりますから、雨の日でも遠慮せずに窓を開けたいものですね。
もちろん、風といっしょに雨が吹き込んでくる場合は別ですが。
大雨で窓を開けられないときの湿度を下げる3つの方法
風といっしょに雨が吹き込んでくるような、大雨の日や台風の日はさすがに窓を開けられません。
そんなときは、文明の利器こと「電気製品」のチカラを借りましょう。
窓を開けられないとき湿度を下げるのに、頼りになるのがこの3つです。
- 換気扇を付ける
- エアコンの除湿機能を使う
- 除湿機を使う
換気扇とエアコンはどのお宅にも必ずありますよね。
換気扇を付ける
雨で窓を開けられないときに最も頼れるのが、換気扇。
換気扇なら室内の湿度が高い空気を外へドンドン追い出してくれます。
しかも電気代が安いので、つけっぱなしにしても経済的には負担になりません。
換気扇を付ける際は、扇風機(サーキュレーター)と併用すると効果アップ!
換気扇から離れた場所に、換気扇の方を向いて扇風機(サーキュレーター)を置いて風邪を流します。
こうすると空気の流れができるため、効率的に換気ができますよ。
換気扇で湿度は下がる?
換気扇を回すと室内の空気が外に追い出され、その分と同じ量の空気が外から室内に入ってきます。
屋内より雨が降っている屋外のほうが湿度が低い場合なら、湿度は下がるのは当然ですね。
雨の日に換気扇を回して平気?
雨の日でも換気扇は回しても大丈夫ですよ。
雨が原因で故障することは考えにくいですし、雨が換気扇の内部を通って室内に入り込むことはまずありえませんから。
エアコンの除湿機能を使う
エアコンの除湿機能を使いこなしている人は、ほとんどいないのでは?
それもそのはず。
現在のエアコンには、2つの除湿モードが付いており、季節ごとに使い分けないといけないんですよ。
では、除湿モードごとの説明と使い分け方を説明していきましょう。
弱冷房除湿(夏用)
「弱冷房除湿」は、部屋の空気を冷やして結露させ、水を取り出し、湿度が下がった空気をそのまま室内に戻す仕組み。
水を取り出して乾燥した空気をそのまま部屋に戻すため、室温もわずかに下がります。
ですから、弱冷房除湿は主に夏用の除湿モード。
電気代は再熱除湿よりも少なく済みます。
再熱除湿(冬用)
「再熱除湿」は、水を取り出して乾燥した空気を暖めてから、室内に戻す仕組み。
そのおかげで弱冷房除湿のように室温が下がるのを防いでくれます。
よって再熱除湿は主に冬用の除湿モードなんですね。
電気代は、弱冷房除湿よりも多くかかります(同時に暖房もするため)。
除湿機を使う
本格的に除湿したいなら、除湿機が一番です。
ただ、除湿する仕組みや機能などによって、値段がピンキリ。
一般的に除湿機は、稼働させると室温が上昇するのが普通です。
ですから、使う季節や要望に合った製品を買わないと「期待はずれ」になることも……。
3種類ある除湿機の大まかな性能をご紹介します。
コンプレッサー式
使用しても室温の上昇がわずかなのがコンプレッサー式。
雨の日や梅雨の季節に向いていますが、本体が大きく、稼働音が大きめな点は玉にキズ。
デシカント式(ゼオライト式)
除湿能力が高い分、室温の上昇が大きいため、主に冬場や結露に真剣に悩んでいる方向けなのがデシカント式(ゼオライト式)。
静音でコンパクトですが、パワフルな分、電気代は他の方式よりも高くなります。
ハイブリッド式
コンプレッサー式とデシカント式の良い点を組み合わせたのがハイブリッド式。
夏はコンプレッサー式で除湿し、冬はゼオライト式で除湿するので、一年中、快適にしようできるのが最大のメリット。
ただ、その分、本体サイズが大きくなり、価格も高くなります。
雨の日に湿気がたまりやすい場所の湿気を下げる方法5選
湿度は家全体で均等に上下動するわけではありません。
ある場所は湿度が低いのに、この場所だけは湿度が高いといった差があるのが普通です。
室内で湿気がたまりやすい場所は?
雨の日に関わらず常に湿気がたまりやすい場所は、以下の5ヶ所です。
- お風呂
- 押入れ(クローゼット)
- 玄関
- 台所
- トイレ
- 窓
ただでさえ湿度が高いのに雨の日ともなれば、更に高くなるのは想像に難くありません。
こういった狭く限定された場所だけの湿度を下げるアイデア(方法)を5つご紹介しましょう。
新聞紙
昔から押入れや下駄箱に新聞を敷く知恵は知られていました。
それくらいポピュラーな除湿グッズが新聞紙です。
タンスの底、クローゼットの床に敷いておいたり、くしゃくしゃに丸めた新聞紙を箱に入れて部屋の隅に置いておくといいでしょう。
ただ、効果があるのはあくまで狭い範囲限定なので、部屋全体の湿度を下げる効果を期待してはいけません。
重曹
今や安全なお掃除グッズとして、すっかり定着した重曹。
この重曹もまた湿気取りに大活躍してくれますよ。
使い方は、お皿に重曹をのせて湿度が高い場所に置けばOK!
重曹を使うのに適した場所は、クローゼットや下駄箱など狭い場所。
湿気を吸い取っていくと、だんだん重曹が固まっていきます。
重曹が固まってしまったら、一週間ほど日光にあてると湿気が飛びサラサラになります。
繰り返し使えるので経済的ですよ。
炭(木炭・竹炭・備長炭)
ホームセンターで手軽に購入できる炭も湿気対策に大活躍。
炭は表面にある小さな穴に湿気を吸着するため、ただ置いておくだけで湿度を下げてくれます。
使い方は、お皿やカゴなどに炭を入れて、玄関やトイレに置くだけ。
炭は湿気だけではなく「ニオイ」も取る消臭効果があるため、湿度が原因の靴の匂い、トイレのニオイにも効果的です。
炭は湿気を吸着させ続けると湿気を取り込みすぎて、効果がおちてきます。
半月~1ヶ月に一回程度、洗ってから天日干しをすると効果が復活しますよ。
コーヒー豆のカス
インスタントコーヒーでなく、豆(粉)から淹れるコーヒーを飲んでいる方。
いつも大量にコーヒー豆のカスがゴミに出ませんか?
あのコーヒー豆のカスも湿気が集中する箇所に置いておくと、湿気を吸着してくれます。
しかも、消臭効果もあるので一石二鳥!
使い方は、使い終わったコーヒー豆のカスを天日干しにして乾燥させ、お皿などに入れて下駄箱やクローゼットに置くだけ。
ただ、私の経験上、あまりに湿気が多い場所だとコーヒー豆のカスがカビてしまうので、その点だけは注意してください。
ろうそく
最近ではアロマキャンドルなどリラックス効果を期待して使う人も増えてきたろうそく。
このろうそくに火を付けることでも湿度を下げる効果が見込めます。
ただ、夏場は室温が上昇すること、火事のキケンがあること、定期的に換気をしないといけないこと、などの面からあまりお勧めはできません……。
梅雨の湿度の高さが不快に感じる理由
梅雨の季節は特に湿度の高さが不快に感じませんか?
その理由は誰もが「雨が降り続くから」と答えるでしょう。
でもその答えは、半分マルで半分はバツです。
実は梅雨の湿度の高さの不快さの裏には「気温」が関係しているんです。
気温が高いと湿気が高く感じやすい
空気に含まれる水分の量は、気温によって上下します。
- 気温が高い・・・水分量が多くなる
- 気温が低い・・・水分量が少なくなる
ですから、冬の気温が低い日に湿度が60%があるのと、夏の気温が高い日に湿度が60%あるのでは、後者のほうが不快に感じるわけですね。
その証拠に「秋の長雨」に湿度が高くなっても、梅雨の季節よりは不快に感じません。
湿度が高くなるとカビが発生!
雨の日のせいで湿度が高いと、ただ不快なだけじゃありません。
見た目にも健康にも悪影響があるカビが発生する条件が整ってしまうんですね。
カビの発生条件
カビが発生する条件は以下の4つです。
- 水分
- 温度
- 栄養
- 酸素
雨が続くと室内の湿度が上昇し、さらに気温が高い季節だと温度の条件も揃うので、カビが発生しやすくなります。
決して湿度だけが発生条件にはなりませんが、部屋の湿度を適度に保つのはカビを防ぐのにムダではありません。
室内の理想的な湿度
室内の理想的な湿度の目安は以下の通り。
湿度:40%~60%
雨が降っていたり、真夏の季節には、室内の湿度が60%を越えることは珍しくありません。
60%を越えるとカビやダニが発生しやすくなるので、換気などで湿度を下げる工夫が必要になります。
逆に湿度が40%を下回ると、肌や喉の乾燥、インフルエンザウイルスの活動促進などの悪影響があるため、加湿する工夫が必要になります。
雨が降っていない日の湿度を下げる方法
雨が降っていない日の湿度を下げる方法は、以下の通り。
- 換気をする
- 除湿機を使う
- エアコンの除湿機能を使う
ほぼ雨が降っている日と同じですが、季節が冬の場合は少し特殊になります。
- 部屋の温度を上げる
- エアコンの暖房機能使う
部屋の温度を上げて相対的に湿度を下げるという、変わった方法が有効的。
くわしいやり方は以下の記事にてくわしく解説しています。
雨の日に部屋の湿度が上がる5つの原因
雨の日は降雨によって空気中の水分が増え、それが湿気の主原因になります。
しかし、室内の湿気の原因はそれだけはありません!
以下の5つの要素もベタベタする湿気の原因になっているんですよ。
- 風呂
- 洗濯物や布団の室内干し
- 観葉植物
- 料理
- ペット(金魚・熱帯魚)
風呂
お風呂では、湯船やシャワーから立ち上る蒸気によって、もんもんと湿気が上昇します。
これらを何もしないでいると、他の部屋まで広がって家全体の湿度が高くなる原因に……。
入浴後は以下の対策を忘れずにやりましょう。
- 浴槽にフタをする
- 窓を開けて換気する
- しばらく換気扇をつけっぱなしにする
浴槽に溜めたお湯を翌日も使うために捨てずにいると、長い時間、蒸気を発生させます。
なるべくなら避けたいですが、どうしても再利用したい場合はフタをお忘れなく。
洗濯物や布団の室内干し
梅雨や秋の長雨の季節は、外で洗濯物が乾かせないため、どうしても室内干しをする時間が長くなります。
室内干しをする時間が長くなるようだったら、エアコンの除湿機能や除湿機を利用するか、コインランドリーの利用を考えましょう。
布団を部屋干しするのも湿度を高める原因。
なるべくなら晴れた日に外干しするようにしましょう。
観葉植物
観葉植物は性質上、水分を空気中に放出します。
また、土に含まれる水分が蒸散することで湿度を高めてしまいます。
湿度が極端に低くなる冬なら乾燥対策になりますが、それ以外の季節では余計な湿度の発生源になってしまいます。
観葉植物を置く部屋を限定し、意識して換気をすることで湿度を上手にコントロールしましょう。
料理
他の部屋はそうでもないのに、台所だけ湿度が高いようなら、それは料理から発生する蒸気が原因。
もちろん、生きていくためには料理を止めることはできませんから、調理中はなるべくずっと換気扇を入れておくようにします。
また、長時間煮込む必要がある野菜などは、電子レンジを使って蒸気を発生させないで火を通す方法を選ぶと湿度の上昇を抑えられますよ。
ペット(金魚・熱帯魚)
犬や猫はともかく、室内で金魚や熱帯魚を飼っていると、水槽から蒸発する水分によって湿度は上昇します。
特にエアレーションという空気を水中に放つ装置があると、より蒸発しやすくなるでしょう。
水槽が大きなるほど湿度の発生量も増えますので、定期的に換気するなど注意が必要です。
雨の日の湿度を下げる方法まとめ
意外だったかもしれませんが、雨の日に湿度を下げるには「換気」が一番手っ取り早く、効果的な方法なんです。
合わせて、限定された狭い場所(クローゼットや玄関)などは、炭や重曹などを置いて、ピンポイントな対策をとるとバッチリ。
梅雨の雨が続く日は、湿度が高いままにすると、カビやダニが発生します。
今回ご紹介した方法で、快適な雨の日ライフを!