- 「ずらす」・「づらす」はどっちが正しい書き方?
- 正解は「ずらす」
文章を書いていて、たまに「ずらす」と「づらす」、どっちが正しいのか分からないで手が止まることがありました。
時間をずらす・予定をずらす・日にちをずらす・日程をずらす……などなど。
そこで時間をかけて調べてみたら、あっけなく正解が判明。
ここでは、そんな
- 「ずらす」と「づらす」はどちらが正しい?
- 「ずらす」が正しい理由
- 「ずらす」と「づらす」の正しい使い方
などをご紹介します。
これを読めば、今後二度と悩むことはなくなりますよ!
「ずらす」と「づらす」どっちが正しいか?
「ずらす」と「づらす」のうち、正しいのは「ずらす」です。
いついかなるときでも「ずらす」が正解。
こういう場合は「ずらす」が正しくて、別の場合では「づらす」が正しいみたいな使い分けをするわけではありません。
ハッキリ言うと、「づらす」は完全に誤った使い方(表記の仕方)なんですよ。
「ずらす」が正しい理由
なぜ「ずらす」が正解かというと、まずこの言葉の意味をご覧ください。
1 滑らせるようにして、少し動かす。位置をちょっと横に動かす。「いすを―・す」
2 位置や日時などを重ならないように動かす。「予定を一週間―・そう」
3 するべきことをあとに回す。
■引用:goo辞書「ずらすの意味」
このように「ずらす」は、あるものを元の位置から移動させることを指します。
「ずらす」は「ずれる」とも言いますよね?
この「ずれる」は「づれる」とは書かないように、「ずらす」も「づらす」とは書かないわけです。
「ず」と「づ」が誤用されやすい理由
もともと「ず」と「づ」は、その単語によって柔軟に使い分けが必要なため、誤用されやすいものです。
どちらが正しいか戸惑う「ず」と「づ」が含まれる言葉といえば、代表的なのがこちら。
- 分かりずらい/分かりづらい(正解は「分かりづらい」)
- みかずき/みかづき(正解は「みかづき)」
「ず」と「づ」で迷ったら、漢字に直してみて、その漢字をひらがな読みしたときにどちらで表記するか、それで判断しましょう。
- わかりづらい→分かり辛い(辛いは「つらい」だから)
- みかづき→三日月(月は「つき」だから)
漢字に直すと、もとの読み方が分かるため、「ず」と「づ」の判断がつけやすくなります。
ずらすの正しい使い方
「ずらす」は、物体・日時・予定・範囲・視点に対して使える言葉です。
どの表現も自分や他人の意思で動かす(ずらす)ことを指し、「ずれる」のように勝手に動くわけではない点に注意しましょう。
物体を移動させる場合
- ソファーを右にずらす
- バス停を歩道側にずらす
- 犬小屋を日陰にずらす
- マスクを顎までずらす
日時や予定を移動させる場合
- 来週の出張を来月にずらす
- オリンピックの開催を来年にずらす
- 午前中の予定を午後にそっくりずらす
- 会議の時間を11時にずらす
範囲や視点を移動させる場合
- 意味を都合よくずらす
- 自由に遊べる場所をずらす
- マークをずらす
- 論点をずらす
ずらすと延期の違い
「ずらす」と「延期」は、日程や予定を移動させる点では同じ意味です。
しかし、時間的な範囲において明確な違いあります。
- ずらす:過去にも未来にもずらせる
- 延期:未来だけにずらせる(過去にずらすのは不可能)
延期はこれからの予定に対して、先に延ばすときだけに使える言葉。
一方、「ずらす」はこれからの予定に対して、前倒しにしたり、あるいは先に延ばすときの両方に使える言葉です。
具体的には
- 来週のパーティーを再来週に延期する
- 来週のパーティーを再来週にずらす
- 来週のパーティーを今週にずらす
このような感じになります。
まとめ
ずらすとづらすは、どっちが正しいかというと「ずらす」です。
こういう場面では「づらす」を使いますよ~ということはなく、100%どんな場面でも「ずらす」が正解ですよ。
両者に違いがあるわけではなく、単純に「づらす」という表記は間違いなのでお気をつけください。