5月の端午の節句と言えば、鯉のぼり。
青空に色とりどりの鯉が泳ぐ姿は、なんとも言えず、日本人なら心が暖かくなりますよね。
でも、わりと天候が安定している5月でも、必ず何日かは雨が降ります。
そんな雨に濡れている鯉のぼりを見ていると
大丈夫かな、しまったほうがいいかな?
と不安な気持ちになりませんか?
それに、夜間に出しっぱなしにしておくのも、なんとなく不安に感じたり……。
そこで、この記事では
- 雨の日に鯉のぼりは片付ける?
- 夜は鯉のぼりを片付ける?
- 雨の日や夜間の鯉のぼりのしまい方
こんな情報を、田舎にある実家で毎年鯉のぼりをあげていた経験がある私がお届けします。
雨の日に鯉のぼりは片付ける?
- 雨の日には鯉のぼりは片付けたほうがいいですか?
- 雨には当てないほうがいいですから、絶対に片付けるべきです。
ちょっと雨に打たれたくらいでは、鯉のぼりにダメージはありません。
しかし、以下の理由から雨が降り出したら「サッとしまう」のが理想ですよ。
- 生地の傷み防止
- 濡れると泳がなくなる
では、それぞれの理由をくわしく説明していきます。
片付けたほうがいい理由1【生地の傷み防止のため】
鯉のぼりの「生地」は商品によって使われている素材が違い、場合によっては色移りする危険性があります。
- ナイロン素材:濡れると色移りする場合がある
- ポリエステル素材:濡れても色落ちしない
風がないと鯉のぼりはダラ~んと垂れ下がって、複数の鯉が折り重なります。
その際に雨に濡れていて、なおかつナイロン素材だと色移りする危険性があるんですね。
また、強風を伴う「嵐」のような天候では、鯉のぼりに風圧がかかり、生地が傷んだり、場合によっては破れてしまうことも……。
そんな理由から、極力、生地を傷めないために、雨風に当てないのが鉄則です。
片付けたほうがいい理由2【濡れると泳がなくなるから】
鯉のぼりを飾るイメージといえば、青空を背景に風を受けて悠然と泳いでいる姿。
しかし、雨に濡れてしまうと重量が増し、理想とする「風に泳ぐ鯉のぼり」の勇姿は見られません。
ずぶ濡れで力なく垂れ下がっている鯉のぼりは、見た目的に美しくありませんよね?
そんな理由からも、絶対に鯉のぼりは雨に濡らさないほうがいいでしょう。
夜は鯉のぼりを片付ける?
- 夜になったら鯉のぼりは片付けたほうがいいですか?
- 夜は下ろして朝に上げるのがベストです。
そもそも鯉のぼりは、「お天道さま(太陽)」に対して
とお礼を伝える意味があります。
その意味に忠実に従うなら、太陽が隠れる夜間に鯉のぼりを飾るのは無意味なんですね。
また、もちろん以下のような現実的な損得の意味でも夜にはしまうべきなんです。
- 夜露で濡れるため
- 騒音防止のため
- イタズラや盗難防止のため
- 劣化防止のため
- 突然の雨を避けるため
なんだか、「片付ける理由」がけっこういっぱいありますね。
くわしくチェックしていきましょう
片付けたほうがいい理由1【夜露で濡れるため】
夜露は、空気中の水蒸気が気温の低下によって水滴になり、物体に付着する現象。
この夜露の付着はバカにならず、ちょっとした雨に打たれたのと同じくらい鯉のぼりがぐっしょりと湿ってしまいます……。
水分(夜露や雨)の付着は色移りや劣化を招きますから、絶対に避けたいところ。
鯉のぼりを飾る4月下旬~5月初旬はまだ日中と夜間の温度差があります。
まだまだ夜露が降りる可能性があるので、夜間はしまうべきなんです。
片付けたほうがいい理由2【騒音防止のため】
一定の騒音が鳴っている日中には気になりませんが、寝静まった無音の深夜に鯉のぼりが立てる音は意外なほどうるさく感じます。
鯉のぼりの騒音の元がこちら。
- ポールがきしむ音
- 鯉のぼりの生地がバサバサいう音
- 矢車がまわる音
日本の住宅事情ではどの家も庭は狭く、隣の家と接しています。
また、アパートやマンションのベランダに飾っている場合は、より他人との距離が近いため、鯉のぼりの騒音には注意したいですね。
夜になったら洗濯物と一緒に片付けてしまうのが一番です。
片付けたほうがいい理由3【イタズラや盗難防止のため】
鯉のぼりの販売店の話によると、最近は盗難が増えているそうです。
ウッドデッキに飾った鯉のぼりがポールごと盗まれていた……
なんて体験談も目にします。
高価な商品だと数十万円しますから、転売目的で盗むのかもしれません。
また、昨今の少子化や未婚率の高さのせいか、
と受けとる人もいるらしく、イタズラをしたり、ひどい場合は持ち去ってゴミ捨て場に捨てるなんてケースも……。
監視の目が届かない夜間は、安全のためにしまっておきましょう。
片付けたほうがいい理由4【劣化防止のため】
鯉のぼりを飾る行為は、極端に言えば「野ざらし」にすること。
ちゃんと雨の日には片付けるとしても、晴れていれば24時間ずっと風に吹かれる状態に置かれるわけですね。
1日のダメージは目に見えなくても、1年、2年と飾るうちにダメージが蓄積されるのは確実でしょう。
しかし、夜の間はしまうようにすれば、そのダメージ量は半分まで抑えられます。
たとえば、夕方5時にしまって、朝の7時に出すようにすればどうでしょう?
- 飾りっぱなし:24時間ずっと外
- 夜間は片付ける:10時間だけ外
外気に当たる時間が半分以下になるため、ダメージ量も半分以下に。
鯉のぼりを長持ちさせて、息子の息子(孫)の代まで大事にしたいなら、夜はしまうべきなんです。
片付けたほうがいい理由5【突然の雨を避けるため】
夜間、家族全員がぐーぐー寝ているときに突然雨が降ってきたらどうでしょう?
庭やベランダに飾ってある鯉のぼりは雨に濡れっぱなしで、それに気づく人はいませんよね?
劣化を避けるため鯉のぼりを濡らすのは、素材に関わらず基本的にNGです。
5月前半はまだ梅雨の季節には早いので晴天が多い気がしますが、いつ雨が降るかは天気予報も意外と当てになりません……。
予測できない雨を避けるため、日が暮れたら鯉のぼりはしまう習慣をつけたいものですね。
超簡単!雨の日や夜間の鯉のぼりのしまい方
アパートやマンションなどのベランダ向けの小型鯉のぼりなら、パパッと片付けが済むので楽ちん。
しかし、一軒家の庭にどーんとポールを立てて飾る本格的な鯉のぼりは、いったん飾ったら、しまうのは大変です。
しかし、こちらの動画の裏ワザならわずか2~3分もあれば雨風をしのいだり、盗難やイタズラの魔の手から守ることが可能ですよ。
- ポールの根本に大きめのポリバケツを置く
- ポリバケツのなかにブロック等を入れて重しにする
- 鯉のぼりを下ろしてバケツのなかに入れる
- バケツの蓋を閉める
バケツが風にあおられて転倒しないように、「重し」を入れておくのがポイント!
このアイデアなら急な降雨でも安心ですし、毎日の「飾る・しまう」の手間が大幅に軽減されます。
まとめ
- 雨の日も夜も鯉のぼりはしまったほうがいい
- しまわないと「劣化」・「見た目」・「近所迷惑」の悪影響が出る
- ポールの下に置いたバケツに収納するのが簡単
実は昔からの風習では、飾りっぱなしでも、朝晩や雨が降ったら片付けるようにしても、どちらでもOKなんです。
ただ、「実利」の面でいうと、ちゃんと下ろして片付けるのがベストなんですね。
ただ、今では鯉のぼりを見なくなったという人が全国的に多いかと……。
町内でも飾っているのは、わずか1~2軒だけです。
せっかくなら、威風堂々と空を泳いていてほしいって思いますよね?
その勇ましい勇姿を守るために、雨の日や夜はしまう習慣をつけたいものです。