- 仏壇に供えていけない果物は?
- 基本的にはありません。
ただ、ドリアンなど避けたほうがいい果物はいくつかあります。
普段から仏壇にお供えをしたい人。
または、お盆にだけ仏壇にお供えをする人。
初めてだと、どんな果物を買ってきてお供えすればいいか?、戸惑いますよね?
ここでは、そんな
- 仏壇に供えてはいけない果物
- 供えてはいけない理由
- 果物以外で供えてはいけないもの
こんな知識を昔からの習慣に詳しい祖母に聞きながら、まとめてみました!
仏壇に供えてはいけない果物とダメな理由
あらためて繰り返すと、仏壇に供えてはいけない果物は存在しません。
ただし
- できたら止めたほうがいい果物
- 一部の宗派でタブーな果物
- あまり向かない果物
はあります。
仏壇を汚したり、お供えを下ろした後に食べるつもりなら避けた方がいい果物を知っておくべきですね。
匂いが強い果物(ドリアン等)
仏壇に供えてはいけない果物をひとつ挙げるとすれば、ドリアンです。
仏様や先祖の霊は「食べ物や飲み物の香りを食べる」と考えられています。
そのため、匂いが強い食べ物はすべてNG。
ドリアンはあらゆる食べ物の中でもワースト10に入るほど、臭いと言われていますから避けるべきですね。
また、同様に臭いフルーツとして知られるジャックフルーツもNG。
ただ、どちらも仏壇に供えようとする人は稀ですから、実質的に「お供えにタブーな果物はない」と言っていいと思います。
曹洞宗では桃がタブー
仏教には宗派が多数あり、そのひとつが曹洞宗。
この曹洞宗のお盆行事「お施餓鬼(おせがき)」では、桃のお供えがタブーとされています。
中国や日本では、桃には邪気を払うチカラがあると信じられていました。
そもそも「餓鬼」とは、悪い行いのせいで餓鬼道に落ち、お腹をすかせながらさまよっている霊のこと。
この餓鬼を供養するのが「お施餓鬼」に、邪気を払う桃をお供えしてしまうと、餓鬼が近寄ってこれません。
そんな理由から、桃をお供えするのがタブーなんですね。
傷みやすく腐りやすい果物
皮の薄く柔らかい果物ほど傷みやすく、腐るのが早くなる傾向があります。
皮が薄い(傷みやすい)果物といえば
- ぶどう
- キウイ
- 梨
- 柿
などなど。
これらは仏壇に長く供えておくと、いつの間にか汁が染み出して、木で作られた仏具を汚してしまう恐れも……。
早めに下げるように気をつけるか、仏壇に直に置かないようにするなど配慮が必要です。
賞味期限が短い果物
仏壇から下げた後に美味しく食べたいなら、賞味期限が短い果物はお供えにはむきません。
賞味期限が短い果物といえば
- バナナ
- いちご
などなど。
お盆用に出荷された青いバナナなら別ですが、普通に売られているバナナはほんの数日で全身が真っ黒になります。
特に真夏は気温が高いため、仏壇に長期間お供えしておくことはできません。
いちごは少し圧迫されただけで、そこからカビが生えたりドロドロになったりとデリケートな果物。
パックのいちごだと表面はきれいでも、隠れて見えない底の部分が早々に傷んでしまうケースは多々あります。
サイズが大きすぎる
仏壇は大きさに限りがあるため、あまり大きな果物はスペース的に置けません。
その最たるものがスイカ。
小玉スイカならともかく、大玉スイカはお供えには不向きでしょう。
仏壇のお供え物の基礎知識
初めてお供えを用意する方のために、基礎知識をご紹介します。
仏壇のお供えの果物は「丸いもの」が良い
仏壇のお供えには、丸い果物が良いとされています。
その理由は、古来から「丸い=円=縁」という語呂合わせが用いられていたため。
つまり丸い食べ物は、縁を取り持つというわけですね。
丸い果物のなかでは、こちらがお勧めです。
- オレンジ
- グレープフルーツ
- メロン
- りんご
これらは傷みにくく、賞味期限が長めなのでお供えに向いた果物と言えます。
疲れたから仏壇の果物食べちゃお🌟و pic.twitter.com/merB85d0Uq
— みつ (@32g_tosite_718) August 15, 2021
お菓子は供えて良し・下げて良しの万能選手
日持ちするお供えとして、万能選手なのがお菓子です。
お菓子は
- 強い匂いがない
- 賞味期限が明確で長い
- 小分けで扱いやすい
といった点で果物よりも優れた点がいっぱい。
もちろん、生菓子など腐りやすい菓子はNGなので、常温で長期間(1ヶ月以上)は保存できる菓子を条件に選べばいいでしょう。
定番なのが、個包装されたクッキーやバウムクーヘン。
和菓子なら、どら焼きや水ようかんや落雁といったあたり。
果物が入ったゼリーなんて、見た目にも涼しくお供え物として映えるのではないかと思います。
仏壇に供えてはいけない食べ物
果物以外の食べ物でも仏壇に供えてはいけないものがあります。
それがこちら。
- 肉や魚
- 香りが強いもの
- 室温で溶けてしまうもの
肉や魚
仏教では殺生が禁じられているため、肉や魚をお供えにするのは一番のタブーです。
たとえ故人が好きだったとしても、絶対に供えてはいけません。
腐りやすいという特性からも、肉や魚はお供えに不向きですね。
香りが強いもの
匂いが強いドリアンみたいな果物がNGなように、他の香りが強い食べ物もNG。
特に「五辛(ごしん)」と呼ばれる
- にら
- にんにく
- ねぎ
- らっきょう
- はじかみ(しょうが・さんしょう)
の5つの野菜は仏教では食べることを禁じられているため、お供えにも適しません。
室温で溶けてしまうもの
お盆の期間は一年でもっとも暑い時期。
- チョコレートを使ったお菓子
- 飴(キャンディー)
などは常温に置いておくと溶けてしまうため、不向きです。
まとめ
仏壇に供えてはいけない果物の絶対的なタブーはありません。
しかし、なるべくならやめたほうがいいのか
- 香りの強い果物(ドリアン)
- 桃(曹洞宗のお盆の時期のみ))
- 傷みやすく腐りやすい果物
この3つです。
何も果物にこだわる必要はなく、「故人の好きな物」を優先して選んでみてはいかがでしょうか?