- 「汐」は名前によくないのは本当?
- 「さんずい」が付く漢字なので「水害に遭う」と昔から避けられていたのは事実です。
夕暮れの美しい海をイメージさせる「汐」。
この漢字を気に入って「いつか子供が生まれた名付けに使いたい」と心に決めていた方も多いはず。
しかし、一部の人からは「よくない」との反対意見も……。
そこで今回は
- 「汐」が名前によくない理由
- 「汐」が名前に適するワケ
- 「汐」の現在の人気度
をご紹介します。
これを読めば「汐」を名付けに使うか決断できますよ。
「汐」が名前によくない3つの理由
「汐」が名前によくないと言われる理由は、この3つです。
- さんずいの漢字は縁起が悪い
- 正しく読んでもらえない
- 遊女の階級の名称だった
さんずいの漢字は縁起が悪い
「汐」が名前によくないと言われる理由の1つめは、「さんずいの漢字は縁起が悪い」ため。
「汐」は「さんずい」がつく漢字です。
この「さんずい」がつく漢字は、昔から
という連想から、子供が命を落とすとして避ける人がいました。
現代ではあまり聞かれませんが、年配の方はまだそういった古い因習に囚われている場合もあります。
名付け親である若い世代の人は気にしなくても、年配の親から
さんずいがつく「汐」は名前によくないわ
なんて反対されるケースは十分ありえるでしょう。
正しく読んでもらえない
「汐」が名前によくないと言われる理由の2つめは、「正しく読んでもらえない」ため。
「汐」は学校で習ったり、普段からメディアで目にする機会が少ない「常用外漢字」です。
そのため、「汐」を使った名前を付けると間違えて読まれたり、そもそも読んでもらえない場合も……。
いま人気がある「汐」を使った以下の名前で、私がちゃんと正しく読めたものはひとつもありません。
- 汐乃(きよの)
- 汐那(きよな)
- 汐波(きよは)
- 汐夏(せな)
- 汐惟(せい)
- 汐楠(せな)
子供の長い人生では、他人から
このお名前はどうお読みすればいいのでしょうか?
と何度も訊ねられるでしょう。
そんな苦労を想像すると、もっと誰でも読みやすい漢字を選んだ方が良いと思うのは当然かもしれません。
遊女の階級の名称だった
「汐」が名前によくないと言われる理由の3つめは、「女の階級の名称だった」ため。
「汐」を辞書でひくと、その意味の欄の一番最後にこんな気になる一文が見つかります。
江戸時代、上方の遊里で、揚げ代が3匁の遊女。大夫・天神・鹿恋 (かこひ) に次ぎ、影・月 (がち) の上。
要するに、江戸時代に大阪では遊女の4番目の階級の名称だったわけですね。
とはいえ、はるか昔のことであり、そんな事実を知っている人はほとんどいませんから気にする必要はないでしょう。
「汐」が名前に適するワケ
あれこれと難癖をつけられる「汐」ですが、素晴らしい意味も含みます。
もし「汐」と名付ければ、その子供はこんな風に育ってくれるかもしれません。
- 愛嬌がある性格に
- 「汐時」を見極められる
愛嬌がある性格に
「汐」には「愛嬌」の意味もあります。
「男は度胸、女は愛嬌」のフレーズがあるように、愛嬌は
- にこやか
- かわいらしい
といった表情や仕草のこと。
女の子に「汐」の漢字を使えば、そんな誰からも好かれるような性格になってくれそうです。
「汐時」を見極められる
汐時とは、何かをするときにちょうどよいタイミング、チャンスのこと。
「汐」と名付ければ、人生の要所要所でチャンスを逃さずに、幸運をつかみとってくれる……そんな願いをこめることができます。
「汐」の現在の人気度
「汐」はいまどれほど世間では人気がある漢字なのか、以下の2つのデータからリサーチしてみました。
- 赤ちゃんの命名ランキング
- 「汐」が名前に入っている有名人
赤ちゃんの命名ランキング
去年生まれた赤ちゃんにどんな名前が付けられたのか、TOP100までが公表されています。
そのデータによると「汐」の人気度は……
性別 | 順位/名前 |
---|---|
女の子 | ランク外 |
男の子 | ランク外 |
男女とも100位以内にはランクインしていませんでした。
「人気がある」とは言えない状況ですね。
ただ、そのぶん、他人のお子さんと名前がバッティングする可能性が低いので好機ともいえます。
「汐」が名前に入っている有名人
「汐」の漢字が下の名前に入っている有名人はどれだけいるのか、できるだけ知名度が高い人だけを集めてみました。
女性有名人
- 忽那汐里:俳優
- 西田汐里:アイドル
- 石塚汐花:俳優/歌手
- 松原汐織:モデル
- 秋田汐梨:モデル
男性有名人
- 鶴房汐恩:アイドル
女性は多いものの、男性となるとまだまだ少ないですね。
まとめ
「汐」が名前によくないといわれる理由は
- さんずいの漢字は縁起が悪い
- 正しく読んでもらえない
- 遊女の階級の名称だった
この3点でした。
「さんずい縁起が悪い説」はいまだに根強く残っています
しかし、気にするかしないかは名付け親次第。
読みづらい名前になりやすい点も、ほかの漢字との組み合わせ次第です。
最後の点については、その事実を知っている人は皆無でしょうから一切気にする必要はないと私は考えます。