風にはためく鯉のぼりを見ると、子どもの日が近いことに気付きます。
しかし、よくよく考えると、なんで「鯉」でなければならないのでしょう?
「鯉のぼりって、なんの意味があるのぉ?」
小さい男の子を持つ新米お父さんが、そんな素朴な疑問をストレートにぶつけられた時に役立つように、鯉のぼりの由来や色の意味などをまとめてみました!
そもそもなぜ「鯉」を飾ることになったのか、その由来は?
端午の節句になぜ空を泳ぐような姿の鯉のぼりを飾るようになったのか、不思議ですよね?お子さんに質問されても知ってる人は少ないはずです。
この由来をお子さんにも伝えやすいように抜粋して、ざっくりまとめると、
鯉を飾るようになった由来は?
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江戸時代になって中国の登龍門の伝説からヒントを得て、幟に鯉の絵を描くようになった
↓
昭和になって現在のような「魚の形」をした鯉のぼりになった
つまり鯉のぼりの意味とは?
こんな由来を経て飾られるようになった鯉のぼりなので、そこに込められているのは、
意味をざっくりまとめると
●産まれた男の子が強く育ちますように!
●将来大きくなったら立派な人物に出世しますように!
と、このような願いが掛けられているわけです。
幟(のぼり)ってどういうもの?
幟とは平安時代以降の日本で、戦(合戦)の際に敵味方の判別をするために掲げた旗のことです。縦に長い長方形の布に文字や紋章を描き、竿にくくりつけて作ります。
商店街を歩くとあちこちで見かける「30%オフセール」や「生ガキフェア開催中」みたいな、店頭で色とりどりの売り文句が風に揺れている布の旗をイメージすると分かりやすいでしょう(^^)
中国の登龍門の伝説とは?
中国の黄河には「龍門」という激流があります。この龍門にある滝を登り切った鯉は龍になるという伝説がありました。
この伝説から、鯉は厳しい試練に打ち勝ち立身出世する象徴として、男の子の誕生や成長を祝う端午の節句の幟のイメージに使われるようになったわけですね。
ちなみにこの登龍門という言葉は、現在でも様々な分野の試験やオーディションなどを表す意味で使われています。
鯉のぼりの色があんなにカラフルなのはどういう意味がある?
現在の鯉のぼりは、黒・赤・青・緑・紫といった風にカラフルな5色セットのものが多く見られますね。(オレンジ色もあったりしますね)
鯉のぼりはなぜこんなにカラフルなのかというと
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明治になって赤(緋鯉)が加わった
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昭和になって青が加わった
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東京オリンピック以降、緑や紫が追加された
(ある職人が五輪の5色を見てヒントを得たという説があります)
童謡「こいのぼり」の歌詞では
ちいさいひごいは こどもたち♪
※「こいのぼり」の歌詞より引用
となっていて、黒(真鯉)は父親、赤(緋鯉)は子供を表していたことが分かります。
しかし、昭和以降は
赤・・・お母さん
青・・・子供(男の子)
という風な解釈になっていったようです。
最近では男の子の下に女の子が産まれるとオレンジ色やピンクの鯉を追加することもあるそうですよ。
クルクルと回っている矢車の意味するところは?
鯉のぼりの棒の上のほうでクルクルと回っている車輪を「矢車」と言います。
よく見ると、車輪状の中心に向かって何本もの「矢」が並べられていることに気づかれるかと思います。
↓このイラストの一番上のところのパーツですね(^^)
この矢車が風に吹かれてカラカラと音を立てることで、天の神様が降りてくるときの目印の役割をしていると言われています。
ただ、現在では住宅事情に配慮してか、音を立てない「静音タイプ」の矢車も販売されています。
また、全方位に矢が向いていることから、あらゆる方向から悪い物が来ても矢で射抜くという魔除けの意味も込められています。
※鯉のぼりの棒の1番てっぺんに付いている丸い物は「回転球」です。この回転球と矢車は錆びやすかったり紫外線の影響で傷むのが早いパーツですのでご注意下さい。
鯉の上の5色の吹き流しは?
5色の筒状になった吹き流しですが、これは形よりも色に意味があるんです。
この5色の色(青・赤・黄・白・黒)は中国の陰陽五行説からきており、世の中の万物、森羅万象はこれらの要素で成り立っていると考えられています。
まぁ、難しいことはおいておき、ざっくり言ってしまえば、この5色の吹き流しを掲げることで「魔除け」の意味があるんですね。
この5色は七夕飾りや神社仏閣でも魔除けの意味で使われています。
さいごに
屋根より高い鯉のぼり♪と歌われましたが、最近では庭に大きな鯉のぼりを飾る家が減ってきて寂しいです。(この歌も最近ではあまり聴かないですよね)
町内を散歩していても、ほとんど見かけることが無くなってきましたから。そのかわりにマンションのベランダにミニサイズの鯉のぼりがひっそりと飾られていたりします(^_^;)
自宅には庭が無かったり狭かったりして飾るスペースが無い方は、相模原市の相模川高田橋上流で行われる「泳げ鯉のぼり相模川」に行かれてみてはいかがでしょうか?1000匹上の鯉が舞って壮観ですよ♪