土用波という言葉は誰でも聞いたことがあるはず。
でもいつ頃、どの時期にやってくる波を指すのか知っている人は少ないはずですよね?
海水浴シーズンにはテレビのニュースで
土用波に十分ご注意ください!
と聞いたりするけれど、それが「どういう風に危険なのか」分かっていない人も多いでしょう。
土曜日にやってくる波だから土曜波?
そう勘違いしてる人もいたり・・・・・・!?
そこで、ここでは
- 土用波はいつ頃にやってくる?
- そもそも土用波とはどういう意味?
- 土用波の発生メカニズム
- どんなふうに危険なのか?
これらの土用波に関わる知識を総まとめしました。
命にかかわることなので、ぜひ夏を前にして知識を頭にインプットしておいてください。
2024年の土用波がやってくる時期はいつになる?
まず一番最初に知りたいコレから。
今年2024年(令和6年)に土用波がやってくるのは、7月19日(金)~8月6日(火)あたりまで。
子供の夏休みが始まった頃から、お盆くらいまでの期間になりますね。
巨大な台風だと北海道の太平洋側まで届いて、コンクリートの護岸を破壊するほどの威力。恐ろしいですね。
土用波とは?意味をやさしく解説
そもそも土用波とはどんな意味があるのか、根本的なところをチェックしましょう。
誤解する人もいるかもしれませんが、この土用は「土曜日」の「どよう」ではありません。
あのウナギを食べるのが恒例の「土用の丑の日」の「土用」のほうです。
毎年、日本全国で鰻を食べる7月の夏の土用の時期というのは、「大波」が発生することが昔から漁師の間では常識とされていたんですよ。
⇒夏の土用の時期に打ち寄せる大波のこと
ちょうどお盆休みで海水浴や磯遊び、またはサーフィン・SUPなどを楽しむ人が多い時期です。
ですが、じつは水難事故に遭う危険性の高いシーズンとも言えるんですね。
覚えておきたい土用の豆知識
土用は「立春・立夏・立秋・立冬」の直前の約18日間の期間のことを言います。
この土用というのは1年間に4回やってきますが、ただ単に「土用」と呼ぶ時は「夏の土用」を指すんです。
土用波が発生するメカニズム
昔の漁師たちの間ではこの夏土用の期間に大波が起こりやすいことが知られていました。
それが気象学が発達するにつれて、だんだんとその発生するメカニズムが解明されてきました。
土用波が起こる理由
- 海水温が高い夏は日本の近くで台風が発生しやすい
- この台風で生まれる波浪(うねり)は衰えにくく、遠くまで伝わりやすい
- 沖縄付近にある台風のうねりが遠く静岡や千葉まで届き、大波となる
つまりこの時期というのは、たとえ遠くで発生した台風であっても、東海や関東の海岸にも大波として影響するというわけです。
台風自体は遠くにあるので雨風は無く天気は良いため、一見、絶好の海水浴日和に思えます。
しかし通常の2倍~3倍くらいの大波が海岸に打ち寄せるので、事前に知っておかないと危険性が高いのですね。
ただ、このように漁師や海水浴客にとっては迷惑で危険でしかない土用波も、サーファーにとっては良い波に乗れる絶好の機会なんだそうです……。
九十九里や湘南では朝からサーファーで溢れかえる季節かと思いますが、くれぐれも事故のないようにお願いします。
危険!土用の時期を過ぎても土用波はやってくる
「おかしいな、もう土用の時期は過ぎたのに、まだテレビのニュースでは土用波の危険性を伝えている・・・」
8月の半ばになっても土用波を注意する声を聞くことがありますよね?
それはなぜかというと、気象庁では夏から秋にかけて太平洋岸沿いに打ち寄せる大波を土用波と呼んでいるからなんですね。
ご存知のように9月の下旬頃まで台風シーズンは続きます。
そのため、それらの台風が発生する時期はずっと大波が押し寄せる可能性があるわけです。
ですから「土用の時期が過ぎたからもう安全だ!」なんて思うのは大変危険!
海に出かける際は必ず天気予報を見て、大波が発生しないかチェックが必要ですよ。
まとめ
土用波がいつやってくるのか、その時期や発生のメカニズムをご紹介してきました。
ここまでをあらためてまとめると
- 土用波は7月19日~8月6日に発生する
- 土用波とは土用の期間中に押し寄せる波を意味する
- 台風の影響で発生する大波が土用波
- 時期が過ぎても台風が発生するうちは危険
こうなります。
土用波の影響は波に飲まれて溺れることだけではありません。
なんと普段は沖合にいるクラゲが土用波に乗って浅瀬まで流れてきてしまうそうです。
昔からお盆過ぎになるとクラゲが出ると言われていましたが、それが土用波の仕業だったなんて意外ですね。