水道水のカルキ抜き。金魚を飼うためには必要なことです。
でも、どうやってやったらいいか迷っていませんか?
私はお祭りの屋台ですくった金魚を15年以上も元気に育てた経験があるんですよ。
最終的には20cmくらいまで成長しました!
そんな私の長年の経験から
- 金魚の水は沸騰させてもカルキ抜きはできる?
- 短時間で楽にカルキ抜きする方法
など、金魚の飼育初心者のために分かりすくまとめていきますね。
金魚の水のカルキ抜きは沸騰させてもOK?
結論から言うと、沸騰でカルキ抜きする方法は推奨できません。
よく飲料水を美味しく飲む方法として水道水を沸騰させてカルキを抜いたりしますよね?
カルキは私たち人間にとっても水をまずく感じさせるやっかいものですから。
この方法でも確かにカルキは除去できます。
しかし、水を沸騰させると「水分中の酸素がすべて抜けてしまう」という金魚にとっては死活問題がもちあがります。
ご存知だと思いますが、金魚は水の中の酸素を取り入れて命をつないでいる生き物。
なので、沸騰させた水のみで交換(全取っ替え)してしまうと酸欠で死んでしまう場合があるんですよ。
しばらく放置するかエアレーションを使って酸素を入れる作業をすれば使えないことはないですが、無駄な時間と手間がかかってしまいます。
金魚の水をカルキ抜きする3つの方法
結論として金魚の水をカルキ抜きするのに沸騰させる方法はNGということです。
残された方法は、この3つ。
- 水を汲み置きする
- ハイポ(中和剤)を使う
- ビタミンCを入れる
では、それぞれの方法のやりかたと、どれくらい時間がかかるのか解説していきます。
水を汲み置きする方法
カルキ抜きで一番手軽なのがこの「汲み置き」する方法ですね。
最初はみんなこのやり方を試すみたいですし、私も最初の頃はこの方法でカルキを抜いていました。
一切お金をかけたくないという方はこの方法をお試しください。
【汲み置きでカルキを抜く方法】
- 水道水をバケツや大型のペットボトル等に入れる
- ベランダや庭など屋外で日光に当てる
【汲み置きでカルキが抜けるまでの時間は?】
- 日当たりの良い場所・・・【半日(6時間程度)】
- 日陰の場所(部屋の中)・・・【まる1日】
多少時間はかかりますが安全で確実な方法です。
カルキ抜き剤「ハイポ」を使う方法
カルキを除去するための中和剤というのがペットショップで売られています。
このカルキ抜き剤は商品ごとに名称が違いますが、お店で
「ハイポください」
と言えばどこの店でも通じますよ。
「ハイポ」はコメットという会社が発売する商品名。
現在では「カルキ抜きの薬剤=ハイポ」というように代名詞になるほどポピュラーな存在です。
中和剤(ハイポ)の使い方
1. 水道水をバケツに入れる
2. そこにハイポを入れて約5分待つ
3. カルキが抜けた水を水槽に移し入れる
ハイポの使用量(水槽の水量との兼ね合い)は説明書をよく読んで、適切な使用量をお使いください。
不足したらカルキが抜けませんし、逆に多すぎると金魚にとって害になりますから。
ハイポとは?
金魚や熱帯魚用の塩素中和剤の市販品を総称する呼び名。正確な名称は「チオ硫酸ナトリウム」と言う。
ハイポには粒状タイプと液体タイプがありますが、安価で使いやすいのは粒状タイプです。
ビタミンCを使う方法
市販のカルキ抜き剤の替わりに、ビタミンCでも代用できるんですよ。
5Lの水に対して0.1gぐらいが適量で、食卓用レモンやサプリメントのビタミンCの粉末でもOKです。
一部ではビタミンCを含んだキャンディ(のど飴)でも使える噂もありますが、安全性を考えてサプリメントなどのビタミンCのみを含んでいるタイプを選びましょう。
ビタミンCは液体ならすぐに水に溶けますし、粉末でも5分もあれば水に溶けるので時間がかかりません。
短時間で楽にカルキ抜きする方法
このように3通りの水道水のカルキ抜き方法をご紹介しましたが、結局私が今やっている方法はハイポを使ったカルキ抜きです!
ハイポを用意しないといけないですが金額は安いですし、一回買えばかなり長く使えます。
なにより短時間で済むのがいいですね。
かかる時間の比較
●汲み置き・・・最低6時間(晴れている場合)
●ハイポ・・・約5分
●ビタミンC・・・約5分
ハイポなら水道水に入れて約5分溶けるまで待てば、すぐに使えます。
圧倒的に時間短縮で手間がかかりません。
仕事や家事で金魚の世話にかまっていられない人にはもってこいですよ。
カルキ抜きしていない水に金魚を入れたらどうなる?
私も最初に金魚を飼った小学生の頃はカルキ抜きなんて知識はなかったので、水道から出した水を水槽に満たしてそのまま金魚を飼っていました……。
そうすると全体の何割かの金魚は数時間のうちに水面にお腹を向けてユラユラと動かなくなりましたね。
ですが、大半の金魚は元気に泳ぎ回っていましたし、その後も長生きしました。
そんな悲しい経験から判断すると、カルキ抜きの水に入れたからといってすべての金魚が死んでしまうわけではないようです。
金魚の個体差(もともとの生命力)が影響するんですね。
もちろん、言うまでもなくお祭りの金魚すくいで取ってきた金魚を一匹残らず元気に育てたいなら最初からカルキ抜きするのがベストですよ。
そもそもカルキって何?
カルキは「塩素」だと考える人がほとんどだと思います。
しかし、ちょっと違いがあるんです。
もともと水道水の消毒には【次亜塩素酸カルシウム】が使われていました。
次亜塩素酸カルシウムをドイツ語では「クロールカルキ」と呼ぶため、日本ではそれを略して「カルキ」と呼んでいました。
しかし、現在では【次亜塩素酸ナトリウム】が使われているため、カルキ=塩素というのは正確には間違いなんですね。
では、どうしてこのカルキが金魚にとって有害なのでしょうか?
金魚はエラ呼吸によって水に含まれる酸素を取り入れるわけですが、もし水に塩素が含まれていると呼吸器の細胞を破壊してしまい、呼吸困難となって死んでしまうんですね。
人間には無害なんですが、金魚にとっては猛毒そのもの。
忘れずにカルキ抜きをしてあげましょう。
長く飼いたいならエアレーションは必須アイテム
お祭りの金魚すくいで手にれた金魚だったので、飼う心構えもなく、興味も関心もなかったのですが飼い続けるうちに愛着が湧いてきました。
エサをあげる仕草だけで水面に寄ってくるんです。
実を言うと一匹もすくえず残念賞で2匹貰っただけなんですけどね……。
こういう金魚すくいで望まずにしぶしぶ飼い始める人ってけっこう多いと思うのですが、1ヶ月、半年、1年と長く飼い続けている人は案外少ないのではないでしょうか?
その差はやっぱり「エアレーション」を使うかどうかって気がします。
エアレーションとはいわゆる空気を水中に送るポンプです。
これがあると安定的に水に酸素が供給できるので、水交換が遅れたり忘れてしまった場合にも金魚の延命につながりますよ。
私なんて面倒くさがりなので2~3か月は水の交換をしないことはザラでしたけど、それでも金魚は元気に泳ぎ回っていましたから。
まとめ
金魚の水は沸騰すればカルキ抜きになるのかという疑問から、短時間で済ます方法までまとめてきました。
あらためて振り返ると
- 沸騰させると酸素がなくなるのでNG
- 汲み置きかハイポ(中和剤)かビタミンCを使うと短時間で済む
- もっとも楽で確実なのがハイポを使う方法
という結論です。
私が15年以上も金魚を飼い続けていたときは、最初こそ水道水をそのまま使っていましたが、これではいけないと気づいて、バケツに水を汲み置きする方法にシフト
最終的に一番楽で時短になるハイポを使う方法に定着しました。
いまなら100均でも中和剤を置いていることもあるので一度のぞいてみてはいかがでしょうか?