- 桜の花びらの枚数は?
- ほとんどの種類で5枚です。
日本の春といえば、桜。
そして日本人に最も愛される花といえば、桜、それもソメイヨシノですね。
でも、そんな見慣れた花である桜ですが、意外と知らないことがいっぱい!
たとえば、桜の花びらの枚数だって、即答できる人は少数派のはず。
そこで、ここでは
- 桜の花びら(花弁)の枚数は何枚あるか?
- 桜の花びらの枚数による呼び方の違い
- 八重桜の花びらの枚数は?
などなど、日本人が意外と知らない桜の秘密をこっそりご紹介していきます。
桜の花びらの枚数は何枚ある?
日本人が「桜」と呼ぶ場合、それはだいたいソメイヨシノですよね?
このソメイヨシノを含め、ほとんどの桜の花びらの枚数は5枚です。
そもそも桜は、「バラ科サクラ亜科サクラ属」に分類される落葉広葉樹。
桜がバラ科に属すなんて意外ですが、このバラ科の花は基本的にどれも5枚なので、桜も例外ではありません。
ただ、桜の品種はたくさんあり、八重桜のように6枚以上の花弁がある品種や、300枚以上の花を付ける例外的な品種も存在します。
桜の花びらの枚数による呼び方の違い
桜は品種ごとに名前が違うのはもちろんですが、花びらの枚数によっても呼び方が変わります。
その典型がいわゆる「八重桜」なんですね。
この八重桜は、たったひとつの桜の品種を指すのではなく、6枚以上の花びらをつける桜の総称です。
つまり、5枚の花びらをつける品種と、6枚以上の花びらを付ける品種の2種類に分かれるわけです。
その2種類がコチラ。
【一重咲き(ひとえざき)】
- 花びらの枚数は、5枚のもの
- 11種類の原種やソメイヨシノなどが一重咲きに当たる
【八重咲き(やえざき)】
- 花びらの枚数は、6枚以上
- 6枚以上の花びらをつける品種を総称して「八重桜」と呼ぶ
つまりソメイヨシノと八重桜は花びらの枚数において決定的な差が存在します。
八重咲きの八重桜の種類
さらに八重咲きの八重桜の種類も細かく分けた呼び方があります。
知っていても役立つ場面は少ないですが、人にはちょっと得意げに話せる知識でしょう。
花びらの枚数は、6枚から15枚
5枚の花びらと6枚~10枚の花びらが一つの木に混合している咲き方
花びらの枚数は、20枚~70枚
花びらの枚数は、100枚以上
菊咲きのうち、花の中からもう1つの花が重なって咲くもの
八重桜の花びらは何枚ある?
一般的に普通の桜(ソメイヨシノ)と八重桜の違いは、花びらの枚数と考える人が多いでしょう。
では、枚数的にどれくらい違うのか、あらためて比較してみます。
- 普通の桜(ソメイヨシノ)の花びらの枚数・・・5枚
- 八重桜の花びらの枚数・・・6枚~100枚以上
一口に八重桜と言っても、その品種はさまざまあり、花びらの枚数はバラバラ。
牡丹のように八重咲きする様子から「牡丹桜」という別名もあります。
その品種は300以上もあるといわれ、中には花びらが300枚ある品種も!
なかでも金沢の兼六園にある「兼六園菊桜(ケンロクエンキクザクラ)」が300枚以上の花びらを付ける菊桜として有名。
簡単に言ってしまえば、花びらが6枚以上あれば、それはすべて八重桜の一種だということですね。
八重桜の花びらが8枚じゃない理由
八重桜というと世間の人はなんとなく「花びらの枚数は8枚ある」と信じていないでしょうか?
たしかに「8」という数字が入っているから、そう考えるのは自然です。
しかし、八重桜の定義は花びらが6枚以上あること。
花びらが8枚ある八重桜も存在しますが、6枚しかない品種や、100枚以上ある品種もあります。
その理由は、「八重」という言葉の正式な意味にありました。
八重を辞書で調べると、こう記されています。
八つ重なっていること。転じて、数多く重なっていること。
出典:goo辞書
本来は8つ重なっている状態を指す言葉でしたが、次第にたくさん重なっているものを意味するように意味が拡大されたわけですね。
もともと日本語では「八」は、「たくさん」を意味したり、末広がりの意味があるところから縁起が良いとされる数字です。
そんな点も「八重桜」という呼ばれ方が定着した理由なのかもしれません。
これで長年の疑問が氷解しました。
桜の品種について
桜の品種には、以下の3種類があります。
- 原種(野生種)・・・もともと日本に自生する品種
- 自生種・・・自然の状態で他品種同士が交雑して生まれた品種
- 栽培品種・・・栽培や鑑賞目的で人間が作り出した品種
この3種類をすべてを合わせると、桜の品種は600以上もあると言われています。
公園や川原の土手など日本中どこで見られるソメイヨシノは、江戸時代にエドヒガンとオオシマザクラの雑種を交配させて作り出した栽培品種。
花びらが6枚以上ある八重桜も、もちろん栽培品種です。
桜の原種(野生種)は11種類
日本の国土に昔から自然のままに存在した「完全オリジナル」の品種が、原種(野生種)です。
桜の原種(野生種)は以下の11種類になります。
- 大島桜(オオシマザクラ)
- 江戸彼岸(エドヒガン)
- 山桜(ヤマザクラ)
- 豆桜(マメザクラ)
- 寒緋桜(カンヒザクラ)
- 丁字桜(チョウジザクラ)
- 大山桜(オオヤマザクラ)
- 霞桜(カスミザクラ)
- 高嶺桜(タカネザクラ)
- 深山桜(ミヤマザクラ)
- クマノザクラ
クマノザクラは2018年に発見さればかりの新顔で、地元では「早咲きのヤマザクラ」だと思われていたそうです。
これら11種類の桜の原種の花びらはすべて5枚です。
ソメイヨシノと八重桜の違い
日本人に最も身近な桜はダントツでソメイヨシノ。
いま日本に存在する桜の8割がソメイヨシノだそうです。
その次に身近な桜が八重桜になるでしょう。
この2つは同じ桜ながら、花びらの枚数など見た目以外にも違う点がいっぱいあります。
掛け合わされた原種の違い
ソメイヨシノも八重桜もどちらも日本に自然に生えていた品種ではなく、人工的に栽培(鑑賞)目的で作られた品種です。
花びらの枚数や形や色が違うように、親となった桜の原種は以下のように違いがあります。
- ソメイヨシノ・・・オオシマザクラ×エドヒガン
- 八重桜・・・オオシマザクラ×ヤマザクラ
八重桜は様々な品種があり、オオシマザクラとヤマザクラを掛け合わせた品種以外もあります。
咲く時期と咲いている期間の違い
ソメイヨシノとヤマザクラの開花時期は1~2週間のズレがあります。
- ソメイヨシノの開花時期・・・3月中旬~3月下旬
- 八重桜の開花時期・・・3月下旬~4月上旬
※関東地方の場合
また、咲いている期間にも違いがあります。
- ソメイヨシノの咲いている期間・・・約3週間
- 八重桜の咲いている期間・・・約1ヶ月
ちょうどソメイヨシノが散り始めるころから八重桜は咲き始め、約1ヶ月の長い期間咲き続けます。
ソメイヨシノは咲いたらパッと散るため、見逃してしまう人も多いはず。
その点、八重桜は花の命が長いので、ゆったりと鑑賞できます。
生まれた時代の違い
現代では桜といえばソメイヨシノですが、その歴史はまだ浅く、八重桜と比べると「新人」扱いされるほど!
- ソメイヨシノ・・・江戸時代
- 八重桜・・・平安時代
八重桜の歴史は古く、平安時代の歌人に一首詠まれています。
ソメイヨシノは江戸時代の染井(現在の東京都豊島区)の植木屋さんが広めたと言われています。
現在、各地に植えられているソメイヨシノはすべてそのクローンだというから驚くじゃありませんか。
桜の木1本の花びらの合計枚数は59万枚
フジテレビで放送されていた『トリビアの泉』という番組に、こんな疑問が寄せられました。
到底、個人では確かめようがない疑問を番組スタッフが実際に検証した様子が放送されたんですね。
検証には、茨城県常陸太田市にある「西山公園」の樹齢32年の桜が選ばれました。
この桜の周囲に4本の柱を立て、大きさ8mの網で覆い、開花して散っていく桜の花びらをひとつ残らず回収する徹底した作戦です。
そして、回収した花びらをひとひら残らず方眼紙にセロテープで止めて集計したところ、その合計は59万3345枚という結果に。
おそらく人類史上初めての検証でしょうし、今後も同じことは誰もやらないでしょう。
「ムダ知識を集める」という番組の趣旨にピッタリ沿った実験でした。
桜・梅・桃の花びらの枚数を比較してみた
似ているようで違うけれど、実際にどこが違うのか答えにくいのが「桜」・「梅」・「桃」の花。
花びらを比較すると、この3種類はすべてバラ科に分類されるため、原則的に花びらの枚数は5枚です。
花びらの枚数以外は、それぞれ微妙に違いがあります。
その違いをわかりやすく解説したツイートがこちら。
梅・桃・桜の見分け方 pic.twitter.com/U5aahVFG6c
— はな言葉🌷ウェディングドレス (@hanacotoba_jp) March 25, 2017
花びらに注目すると、形がかなり違うことに驚きますね。
- 桜・・・花びらの先が割れている
- 梅・・・花びらの先が丸い
- 桃・・・花びらの先がやや尖っている
私個人のイメージでは、こんな違いがあります。
- 桜・・・いちばん華やか
- 桃・・・桜より色は濃いけど地味で控えめ
- 梅・・・色が薄く存在感も薄い
桜や桃は美しいと感じますが、梅はあえて鑑賞したいと思うほど魅力を感じません。
ひっそりとした控えめな感じが魅力的と思う人も多いかもしれませんが……。
実際、花言葉においても花から受けるイメージが反映されている気がします。
- 桜の花言葉・・・「優美な女性」/「精神の美」
- 桃の花言葉・・・「チャーミング」/「あなたのとりこ」
- 梅の花言葉・・・「高潔」/「忍耐」/「忠実」
桜と桃に対して、やはり梅は地味というか質実剛健な感じがします。
桜の花びらのドライフラワーの作り方
あっという間に散ってしまう儚い桜の花。
一年で見られるのはたった2週間ちょっとなので、できればもう少し長く眺めていたいですよね?
そんなワガママに答えてくれるのが、桜のドライフラワー。
作り方はこちらの動画でどうぞ。
必要な道具はこの3つだけ。
- ドライフラワー用乾燥剤(ホームセンター等で購入可)
- 乾燥させるための容器(タッパー等)
- 飾っておくためのガラス瓶
1週間もすれば乾いて保存可能な状態に!
私も来年の春には試したいと思います。
⇒桜の枝を折るのがダメな2つの理由|店で売ってるのはなぜ?
桜と似ている花
自然界には桜の花と似ている花がいくつかあります。
そのなかで個人的に好きなものを2つご紹介しますね。
アーモンドの花
アーモンドの花は桜の花と見間違える人が続出するほど、そっくりで写真では見分けがつかないくらい!
それもそのはずで、アーモンドも桜と同じバラ科サクラ属の木なんですね。
だから他人の空似ではなく、兄弟(親戚)だから似ていて当然というわけ。
芝桜
芝桜(シバザクラ)は地面を這うように広がる多年草。
桜が咲く時期と同じころに、似たような花を咲かせるためその名がついたそうです。
花びらの枚数も桜と同じ5枚。
花の色は桜より濃いピンクで、咲き出すと辺りがパァッと明るくなるようなパワーを持っています。
桜の花びらの枚数まとめ
桜の「花びらの枚数」についてクローズアップしてご紹介してきました。
最後にポイントをまとめましょう。
- 桜の花びらの枚数は基本的に5枚
- 八重桜の花びらの枚数は6~300枚
- 花びらが5枚までの桜を一重咲きと呼ぶ
- 花びらが6枚以上の桜を八重桜(八重咲き)と呼ぶ
ソメイヨシノと八重桜で、こんなにも花弁の枚数に違いがあるのが意外でしたね。
こうして知識を得ると、より桜を愛でる気持ちが高まります!
今年もたくさん花見をしたいものです。