- 魚へんに東で何と読む?
- 「ニシン」と読みます。
この記事では
- 魚へんに東の漢字はなんと読む?
- よく見ると東じゃない?
- 魚へんに東でニシンと読む理由
などなど、「鰊」にまつわる情報について、魚を見るのも食べるのも好きな私がお届けします。
「魚へんに東」と書く漢字の読み方
魚へんに東の読み方は、「ニシン」です。
漢字 | 鰊 |
訓読み | にしん・かど |
音読み | レン |
部首 | 魚(うお・うおへん・さかなへん) |
画数 | 20画 |
漢字検定 | 1級 |
北海道や東北地方ではニシンのことを「かど」と呼び、鰊と書いて「かど」と読みます。
ニシンの卵である「数の子」は、ニシンの子供を意味する「かどの子」が訛って生まれた呼び名だとか。
ちなみに山形県では「かど焼き祭り」が春の風物詩として有名で、多くの市民や観光客を集めます。
正確には「東」ではなく「柬」
「鰊」の右側(つくり)は、「東」ではありません。
- 魚+柬=正確な表記
- 魚+東=不正確な表記
よく見ると分かりますが、「東」とは異なる「柬」という漢字です。
この柬という漢字は単独で
- 音読み:カン・ケン
- 訓読み:えら(ぶ)・えりわ(ける)・てがみ・なふだ
といった読み方をします。
なお、魚へんに東と書く「鯟」という漢字も存在し、こちらはコイに似た魚を指します。
魚へんに東(柬)でニシンと読むようになった2つの理由
魚へんに東(柬)と書いて、ニシンと読むようになったのは、こんな2つの説があります。
- 小型の魚だから
- 東の海で収穫されるから
残念ながら、どちらが正しいのかは現在では確かめようがありません。
小型の魚だから
鰊のつくりである「柬」という漢字は、「若い」を意味します。
ニシンは小型の魚であるため、鯟「小さい=若い」の意味で、魚へんに柬の漢字があてられたと言われています。
しかし、ニシンは30~35cmが通常サイズで、大きい個体は45cmにも成長します。
大型とはいいませんが、もっと小さな魚はたくさんいるので「小型」は言い過ぎの気がしませんか?
それを考えると、この説には納得しかねますね。
東の海で収穫されるから
ニシンは北海道は別として、本州では岩手県や宮城県など太平洋側(東側)の海で漁獲量が多い魚です。
そのため「東の海で穫れる魚」の意味を込めて、東(柬)の字が当てられたとする説。
ニシンってどんな魚?
ニシンはニシン目ニシン科の海水魚。
「春告魚(はるつげうお)」なる別名があるように、旬は春。
日本では特に北海道でニシン漁が盛んであり、最盛期には鰊御殿(にしんごてん)が立ち並ぶ姿が見られました。
しかし、乱獲や環境の変化などの影響で現在の漁獲量は激減しています。
ニシンの食べ方としては
- 塩焼き
- 煮付け(甘露煮)
- 昆布巻
がポピュラーです。
ニシンという名前の語源
「ニシン」という名前の語源として、今伝えられているのが、こちらの5つです。
- 身を2つに裂いて食べるから「二身」
- 身を2つ割るから「妊娠」(「にんしん」が変化して「にしん」)
- 両親の長寿を祈って食べる魚だから「両親=二親」
- アイヌ語で「ニーシィ」と呼ばれていたのが変化
- 東北地方の訛り「ニシンウミ(西の海の魚)」が変化
もっとも有力な説は、1つめの「二身」です。
まとめ
- 魚へんに東の漢字の読み方は「にしん」
- 鰊の右側のつくりは「東(ひがし)」ではなく「柬」
- 鯟と書く魚もいる
昔は畑の肥料にするほど穫れていたそうですが、いまでは逆に魚屋やスーパーでもあまり見かけません。
昔は馴染み深い魚だったかもしれませんが、現代の日本人には滅多に口にしない存在になりつつあります。
京都のにしんそばというのを一度食べてみたいですね。
これ以外にも読めない魚へんの漢字はいっぱいあります。
どれくらいご存知か、確かめてみてください。
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