魚へんに有の読み方とは?

魚へんに有(鮪)はなんと読む?
マグロが正解です。

この記事では

  • 魚へんに有の読み方
  • マグロの名前の語源
  • 魚へんに有でマグロになった由来

など、「鮪」の漢字にまつわる知識を総まとめします。

※魚変と書くのは誤りで、正確には魚偏と書きます。
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魚へんに有の読み方

魚へんに有の読み方は、マグロが正解です。

漢字
訓読み まぐろ・しび
音読み イ・ユウ・ウ
部首 魚(うお・うおへん・さかなへん)
画数 17画
漢字検定 漢検準1級
JIS漢字水準 JIS第1水準

鮪はどんな魚?

鮪は「スズキ目・サバ科マグロ族マグロ属」に分類される大型の肉食魚で、全世界の温かい海域に生息します。

全長は60cmから、4.5mものビッグサイズになる種類も。

中トロ・大トロといった部位は寿司ネタとして大人気であり、また庶民的な食品のツナ缶の原料としても世界中で親しまれています。

日本で漁獲される種類は

  • クロマグロ
  • キハダ
  • コシナガ
  • メバチ
  • ビンナガ

これら5種類ですが、日本では一般的に「鮪」というとクロマグロを指します。

なお、マグロは成長段階で以下のように呼び名が変わりますが、出世魚とは呼ばれません。

幼魚 ヨコワ
20kgまで メジマグロ
30~40kg チュウボウマグロ
100kg以上 シビマグロ

「シビ」は昔の呼び名

「鮪」の漢字の音読みには、マグロの他に「シビ」もありますが、これは古い呼び名。

『古事記』や『万葉集』のなかに、マグロは「シビ」の名で登場します。

それほど日本人にとっては古来から身近な食用魚であり、縄文時代の貝塚からもマグロの骨が出土しているほど。

※時代が下ると、シビの名は「死ぬ日」を連想することから縁起が悪いとし、呼び名が変化しました。

「マグロ」の語源

「マグロ」という呼び名がついたのは、以下の3つの説があります。

  • 目が黒いから
  • 泳ぐ姿が真っ黒に見えるから
  • 身が黒く変色するから

目が黒いから

マグロの目は吸い込まれそうなほど、黒々としています。

そんな目の特徴から

目が黒い→目黒(めぐろ)→マグロ

と呼ばれるようになったと言われます。

ミサオミサオ

たくさんいるマグロの種類はどれも眼が黒いため、この説が最有力。

泳ぐ姿が真っ黒に見えるから

マグロの背は真っ黒で、群れで泳いでいる光景は黒々とした小山のように見えます。

そんな色の印象から

真っ黒→まくろ→まぐろ

と変化していったと言われています。

日本人にとって馴染み深いマグロは魚体が黒いクロマグロなので、こちらも納得できる説ですね。

身が黒く変色するから

マグロは常温で保存すると、身が真っ黒に変色します。

冷蔵庫や冷凍庫が無かった昔は、鮮度を保つことは困難でした。

そんな身の変化から、真っ黒が「まぐろ」に変化したと言われます。

ただし、この説はマイナーであり、有力視されていません。

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魚へんに有でマグロになった4つの由来

「魚へんに有」がマグロと読むようになった由来は、諸説あります。

その説がこちらの4つ。

  • 魚の王様的な存在だから
  • 「多くの肉を持っている魚」という意味から
  • 広い範囲を回遊する魚だから
  • 漢字導入の際に勘違いをしたから

魚の王様的な存在だから

マグロの魚体は大きく、味も良いため古来から日本人に愛されてきました。

まさに、魚の中の魚、魚の王様的な存在だと言って過言ではありません。

そんなマグロの有り様から「ここに魚有り」と称賛し、魚へんに「有」の漢字を組み合わせたする説です。

※江戸時代に書かれた料理本によると、当時の高貴な人たちの間ではマグロは評価が低かったようです。脂身が多いトロも口には合わず、食べるようになったのは1960年頃からであり、この説の信用性が揺らぎます。

「多くの肉を持っている魚」という意味から

マグロはサイズも大きく、一匹から摂れる肉の量はたくさん有ります。

そんな食べる側にとってはありがたい特徴から

多くの肉を持っている魚=多くの肉が有る魚

こんな連想から、魚へんに「有」の旁(つくり)で鮪となったする説です。

※「有」の旧字体は、「又」と「月」からなり、「月」は肉を意味します。つまり「有」の漢字に「肉」の意味が含まれているとも言えるんですね。

広い範囲を回遊する魚だから

クロマグロは日本の近海から太平洋を横断して、カリフォルニアまで回遊することもあるそうです。

そんな回遊魚としての特徴を昔の日本人も知っていたのかもしれません。

そこから「広い範囲を囲む」という意味を持つ「有」の漢字を魚へんに当てて、鮪としたとする説です。

つまり、鮪の漢字に「広い範囲を回遊する魚」との意味を込めているんですね。

漢字導入の際に勘違いをしたから

中国において「魚へんに有」の読み方は、「チョウザメ」なんです。

この「鮪(チョウザメ)」の漢字が日本に伝わる際に

鮪の漢字+大きな魚のイラスト

それを見た日本人がマグロだと勘違い

鮪=マグロと認識

このような経緯で誤った解釈が定着したとする説。

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まとめ

  • 魚へんに有の読み方は「まぐろ」
  • 有の旁(つくり)になった由来は諸説ある

私は刺し身では赤身を食べ、寿司では中トロをメインに食べます。

食通の人は、カブト(目玉・カマ・頭の肉)も好んで食べるとか……。

なんでも世界のマグロの消費量の内、日本が約25%(4分の1)を占めているそうです。

それだけ日本人にとって特別な魚ですから、「鮪」の読み方もしっかり頭にインプットしておきたいところですね。

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