- 「慧」を名前に使うのは良くないって本当?
- 確かに悪い意味も含まれますが、それは全体のごく一部のみ。
トータルでは良い意味を持つ漢字なので、名前に使うのは問題ありません。
どことなく知性を感じさせる「慧」を使った名前。
「素敵だな」と思う反面、「名前には良くない」との声も聞こえてきます……。
そこで、この記事では
- 「慧」が名前に良くないと言われる理由
- 「慧」の漢字を使った名前が増えている理由
- 「慧」の字が入った名前(女の子・男の子)の一覧
をご紹介します。
「慧」が名前に良くないと言われる6つの理由
「慧」が名前に良くないと言われる理由が、この6つです。
- 「悪賢い」の意味があるから
- 「忌」が含まれる漢字だと勘違いしているから
- 「したごころ」があると揶揄されるから
- 馴染みが薄く読める人が少ないから
- キラキラネーム感があるから
- 電話でどんな漢字か説明しづらいから
名前を決める際って、ひとつでもネガティブな情報があると速攻で取りやめる親が多いんですね。
でも、それって本当なのか、ひとつずつチェックしていきましょう。
「悪賢い」の意味があるから
「慧」の漢字の意味のひとつに、「悪賢い」があります。
これはウワサやイメージではなく、事実です。
「悪賢い」とは、悪事にかけてはよく知恵がまわること。
世の中には、巧妙に他人を騙すのが得意な人がたまにいますよね?
ああいう人になってほしくはないと
慧は名前に良くないな……
と避ける人がいるのは納得です。
「忌」が含まれる漢字だと勘違いしているから
「慧」の漢字の部首(下側)は、パッと見だと「忌」という漢字に見えてしまいます。
「忌」は、「死」や「不浄」なことを意味したり
- 忌々しい
- 禁忌(タブー)
など、悪いイメージしかない漢字です。
そんな思い込みから
慧って漢字は「忌まわしい」の字が含まれるから良くないかも?
なんて思ってしまうようです。
慧の部首は「心」
「慧」の部首は「こころ・したごごろ・りっしんべん)であり、「忌」ではありません。
ですから、この説は完全に誤解というわけです。
「したごころ」があると揶揄されるから
「慧」の部首(下の部分)には、「心」があります。
こうした部首は、「こころ」の他に「したごころ」とも呼びます。
こんなフレーズを耳にしたことがありませんか?
恋は慧と同様に、部首に「したごころ」があります。
それと同様に「慧」を名前にすると
お前には「したごころ」がある
なんて揶揄される恐れも……・
馴染みが薄く読める人が少ないから
「慧」は常用漢字ではなく、小学校・中学校で習う漢字ではありません。
そのため、一生で一度も書いた経験がない人のほうが多く、そのために読めない人のほうが多いでしょう。
- 万人に覚えてもらいやすい
- 万人に書いてもらいやすい
という意味では、「慧」は不適当な漢字と言えます。
馴染みがないから「慧」は名前に良くない
と考える人がいてもおかしくありません。
キラキラネーム感があるから
「慧」という漢字が人名用漢字として使えるようになったのは
からです。
もう40年ほど経ちますが、まだまだ新しい漢字だという感覚は抜けない気がします。
そのため、赤ちゃんの祖父母に当たる人(50代以上の世代)にとっては、キラキラネームのように感じても不思議じゃないですね。
いまの20代~30代からすると違和感のない漢字かもしれませんが、祖父母の世代の人にとっては
「慧」ってなんかキラキラネームっぽい名前で良くないなぁ
みたいに反対する人がいるかもしれません。
人名漢字の規制について
1948年に人名に使える漢字に規制が設けられました。
その時点で「慧」の使用は不可に……。
それから、「慧」が人名漢字に再び加えられたのが1981年になってから。
ですから、1948年以前に生まれた世代のなかには「慧」の字を名前に使ってる人も存在します。
電話でどんな漢字か説明しづらいから
たまに電話口で自分の名前の漢字表記を説明する機会があります。
私もわりと変わった名前なので、毎回のように相手に理解してもらうまで詳細に説明しないといけません……。
「慧」の字も一緒で、口頭で説明するのはけっこう大変です。
彗星の「彗」の下に「心」がついた漢字です
と説明しても、相手はすんなり理解してくれるかどうか微妙ですね。
名付ける子供の将来の苦労を思うと
慧の字って珍しいから名前に良くないかしら……
なんて、消極的になってしまう人もいるでしょう。
「慧」の漢字を使った名前が増えている理由
「慧」の漢字を使った名前は、根強い人気があります。
2021年に生まれた新生児の名前ランキングでも
と100位以内にランクインしています。
■参考:2021年 男の子赤ちゃんの名前ランキング100|たまひよ
少し気になる点もありながら、どうして人気があるのか、その理由を私はこう推測します。
- 良い意味を多く持つ漢字だから
- 慧が入った名前の有名人の影響
手前勝手な推理ですが、納得できると思うのでぜひチェックしてください。
良い意味を多く持つ漢字だから
「慧」にはこんなにたくさん良い意味があります。
- さとい(賢い)
- 知恵
- さとり(物事の真の意味を理解する)
- 頭の回転が早い
- 気が利く
たしかに「悪賢い」の意味もありますが、それも元々が「賢い」意味から派生しているんですね。
ちなみに「慧」を漢字の辞書で調べると、こう説明されています。
物事をよく見極め、道理を正しく把握する精神作用。
こんな意味を持つ漢字を名前に付けたら、将来は学者とか、人を導くリーダーシップを持つ人物に育ってくれそうです。
慧が入った名前の有名人の影響
「慧」が名前に使えるようになって、約40年。
現在、40歳以下の有名人のなかには「慧」の漢字が名前に入った人がチラホラと増えてきました。
知名度のある有名人を挙げると、こんな方たちです。
- 伊野尾慧(いのおけい)/アイドルグループ「Hey! Say! JUMP」のメンバー
- 向井慧(むかいさとし)/お笑いトリオ「パンサー」のメンバー
- 石井慧(いしいさとし)/柔道家・男性格闘家
- 池崎慧(いけざきさとる)/お笑い芸人「サンシャイン池崎」の本名
サンシャイン池崎さんの生年月日は、1981年10月9日。
「慧」が人名に使えるようになったのは、1981年10月1日なので認可されてから、すぐに命名されたようです。
慧の字が入った名前(女の子・男の子)の一覧
「慧」の読み方は
- 「けい」
- 「さとし」
- 「さとる」
- 「あきら」
- 「え」
など様々あり、男女の名前で使える漢字です。
最後にどんな使い方があるのか、女の子と男の子に分けて実例をご紹介します。
女の子
- 慧美・慧実・慧未(えみ)
- 慧里・慧李・慧理・慧梨(えり)
- 慧麻・慧真(えま)
- 慧奈・慧那・慧菜(えな)
- 慧子(けいこ)
- 咲慧・紗慧(さえ)
- 早慧子(さえこ)
- 慧美(さとみ)
- 奈慧(なえ)
- 美慧(みさと)
- 知慧・千慧(ちさと)
- 千慧子(ちえこ)
- 多慧子(たえこ)
- 乃慧(のえ)
男の子
- 一慧(いっけい)
- 慧吾(けいご)
- 慧一(けいいち)
- 慧志・慧史・慧思(けいし)
- 慧太・慧大(けいた)
- 慧輔・慧佑・慧介(けいすけ)
- 慧聖(けいせい)
- 慧人・慧斗・慧渡(けいと)
- 慧哉・慧矢・慧也(けいや)
- 慧留人(けると)
- 紘慧(ひろさと)
- 光慧(みつさと)
まとめ
慧が名前に良くないワケは
- 「悪賢い」の意味がある
- 「忌」が含まれる漢字という勘違い
- 「下心」があるとからわかれる
- まだ一般的な漢字ではない
- キラキラネームと受け取る人がいる
- 口頭でどんな漢字か説明しにくい
という6つでした。
個人的には知性と品を感じさせる良いイメージしかありません。
ご両親が気に入ったなら、多少の気になる点は無視して命名に使ってはいかがでしょうか。