毎年夏になるとニュースで見かけるのが、首相や閣僚が靖国神社へ参拝する姿。
この靖国参拝のニュースで必ず耳にするのが「玉串料」という言葉。
でも靖国神社の玉串料はいくらなのか、とっても気になりません?
ずっと知らないことをスルーしてきたけど、だんだんと分からないことが気持ち悪くなってきました。
そこでこの記事では
- 靖国神社の玉串料の相場
- 玉串料の意味
- 歴代総理大臣が玉串料を納める理由
について、徹底的に調べてみることにしましたよ。
気になる靖国神社との関係は、果たして?
靖国神社の玉串料の相場はいくら?金額が判明!
靖国神社の玉串料はいくらなのか、公式ホームページで実際の金額を調べて表にまとめてみました。
参拝の目的によって3種類に分けられるようです。
参拝の目的 | 玉串料(金額) |
---|---|
ご遺族・崇敬者の正式参拝 | お一人2,000円より |
祈願参拝 | 一件5,000円より |
人生儀礼の参拝 | 一件5,000円より |
「参拝の目的」はそれぞれどう違うのか、理解しやすいように解説しますね。
■「ご遺族・崇敬者の正式参拝」・・・靖国神社に祀られる「御霊(みたま)」に感謝をささげ、安らかに眠ることを祈る目的の参拝のこと
■「祈願参拝」・・・厄除け、家内安全、交通安全、国家安泰などを願う目的の参拝
■「人生儀礼の参拝」・・・七五三や初宮詣などを目的とする参拝
歴代の首相を始め、一部の閣僚たちが靖国神社に参拝する目的は、主に先の戦争で亡くなった人たちを弔うためです。
ですから参拝の目的としては「ご遺族・崇敬者の正式参拝」に当たると思うので、基本的な(最低ラインの)玉串料はわずか2,000円に過ぎません……。
ただ、一国の総理大臣がそんなケチるわけはないでしょうから、安くても10万円、高くて30万円くらいは支払っているではないでしょうか?
と私は勝手ながら推測します。
この首相や閣僚が支払う玉串料は「私費」に当たるため、公には公開されませんので一般人の私たちが「本当の金額」を知ることは不可能となっています。
参考サイト:靖国神社HP
「玉串料」とは?
玉串料の読み方
まず玉串料ってなんて読むのでしょう。
ニュースだと早口で正確にはなんと言っているのか聞き取れなかったのですが、「たまくしりょう」ではなくて
「たまぐしりょう」と読むのが正解です。
玉串料の意味
じゃあ、玉串料とは一体何なんでしょうか?
カンタンに説明すると、玉串料とは、神社で祈祷などをしてもらうときに、神様に捧げる「玉串」の変わりに納めるお金のことです。
だから玉串+料と書くんです。
う~~んと、ここで気になるのが「玉串」なるものですが、まったく漢字からは内容が想像がつきません……。
で、くわしく調べてみたら、玉串とは
⇒榊(さかき)などの常緑樹の枝に紙の垂をつけて神前に供えるもの
なんだそうです。
こうして玉串を供えることで、神様と人間との間をつなぎ、願いを伝えてくれるという役割があるんですって。
木の串に紙や布をつけたものは「神様に捧げる財物(ざいぶつ)&依代(よりしろ)」という意味があるんですよ。
玉串料を納める儀式
では、具体的にどんな儀式のときに、玉串料を納めるのかというと
玉串料をおさめる儀式には主に6種類あって
- 結婚式
- 安産祈願
- お宮参り
- 七五三
- 地鎮祭
- 葬儀や法要
以上が該当します。
これらの儀式のときに玉串が奉納されるため、実物の玉串に変えて神社へ「お金」として玉串料を納めます。
歴代総理が靖国神社に玉串料を納める理由
玉串料について調べ始めたのは、靖国神社がきっかけでした。
どうして、歴代の総理は靖国神社に玉串料を納めるんでしょうね。
毎年8月15日の終戦記念日になると、そのときの総理が靖国神社に「参拝するorしない」が話題になり、必ずといっていいほど玉串料を納めたことが大ニュースとして報道されます。
それはなぜなのか、調べてみました。
【靖国神社と総理大臣と玉串料の関係】靖国神社は明治以降の戦争で戦い、没した御霊が祀られている場所です。
この靖国神社の参拝では、玉串を捧げる「玉串拝礼」が行われています。
「中国や韓国などアジア諸国からの反発があるため参拝を断念する代わりに、玉串を捧げて国のために命を落とされた方に対して感謝の意を示したい。」
こんな玉串に気持ちを託すという意味で、玉串料を奉納しているということですね。
総理が靖国参拝を行わずに、私費で玉串料を納めた時にはニュースになりましたが、このような意味があったんですね。
2022年、岸田総理は参拝を断念し、玉串料だけ奉納したというニュース映像。
ついでに、玉串拝礼の方法を調べてみました。
【玉串参拝の方法】
- 手を清めてからお祓いをウケ、本殿へ進み、玉串を捧げて礼拝します。
- 右手で切り口を上の方から、左手は支えて胸の高さに持ちます。
- 玉串の机の前に進んでお辞儀をしたあとに、玉串の先を時計回りにして両手で持って祈ります。
- さらに時計回りにして、切り口を神殿にむけて机の上に両手で捧げます。
- 最後に二拝、二拍手、一拝み、下がります。
あまり行う機会はないと思いますが、ちょっとした豆知識として知っておいてください。
玉串料と初穂料は何が違うの?
神社に納めるお金には、玉串料と初穂料の2種類がありますが、これの違いをご存知ですか?
どちらも神様に捧げるものであり、神社で行う様々な神事や祈祷に使える点は共通しています。
ではなぜ呼び名が2つもあるかというと、それぞれの由来が異なるためなんですね。
【初穂料とは?】
初穂料の「初穂」とは、その年に最初に獲れた稲穂のこと。
神様に豊作を感謝し、翌年もまた豊穣をお願いするために奉納される習慣がありました。
それが次第に稲穂(初穂)の代わりに金銭を納めるようになり、それが初穂料となったんです。
【玉串料とは?】
玉串料の「玉串」とは、神事で捧げられる榊(さかき)の枝のこと。
昔は神社に祈祷をお願いする際には参拝者が玉串を持参して奉納していました。
それが次第に玉串の代わりに金銭を納めるようになり、それが玉串料と呼ばれるようになったんです。
現在では神社への祈祷の際に納めるのが「玉串料」で、家を新築・建て替える際の地鎮祭の手数料として支払うのが「初穂料」と分けられています。
玉串料と初穂料にはこんな違いがあったんですね。
まとめ
靖国神社の玉串料はいくらなのか、お伝えしてきました。
あんなにニュースで大々的に報じられる割には、意外と金額が低くて驚いた人も多いハズ。
ただ、金額の問題ではないんですね。
玉串料のことを調べていると、神様と人の間をとりもつ「お供えもの」なんだなというのがわかりました。
今後、靖国神社の参拝がニュースになっても、玉串って何のことだろう?と思わなくて済みます。
玉串を捧げる参拝までは遠慮するとして、私も一度は現地を訪れてみたいですね。