ヤマト糊とフエキ糊の違い

幼稚園に通う子供が「工作でヤマト糊を使うので用意してください」という連絡を受けて帰ってきました。

でも私の記憶だと、子供が使うノリといえば「フエキ糊」しか浮かばなかったんですね。

そこでこの記事では

  • ヤマト糊とフエキ糊の違い
  • ヤマト糊とフエキ糊の共通点

など、同じ糊なのにどんな違いがあり、はたして共通点はあるのか、調べて分かったことをまとめておきます。

ミサオミサオ

意外な事実にビックリですよ!

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ヤマト糊とフエキ糊の違い

ヤマト糊とフエキ糊はどちらも似たような容器に入って、同じくらいの値段で売られている商品です。

外からは違いが分かりにくいのですが、くわしく調べるとこんな3つの違いを発見しました。

  • 原材料の違い
  • 製造・販売元の違い
  • 販売地域の違い

では、ここから3つの違いをくわしく見ていきましょう。

原材料の違い

タピオカミルクティー
ヤマト糊とフエキ糊の最大の違いは「原材料」にあります。

それぞれの原材料がこちら。

  • ヤマト糊⇒タピオカ
  • フエキ糊⇒とうもろこし

どちらも食べ物から作られていることにまずビックリ。

さらにヤマト糊があの「タピオカ」から作られているという衝撃の事実。

ミサオミサオ

この意外な原材料については、一時期Twitterでも話題になったほど!

ただ、ヤマト糊が最初からタピオカを原料にしていたかというと、そうではないんですよ。

原料は変化してきた

ヤマト糊は元々は「お米」を原料に作られていたんです。

しかし、1939年頃になると戦争の影響で

  • ジャガイモ
  • 甘藷(さつまいも)
  • とうもろこし

は食料として貴重となり、これら糊の原料になるものはすべて使用できなくなりました。

そこでやむなく彼岸花やダリヤなどの球根を原料に切り替えたそうです。

そして、戦後になってからは小麦が原料に。

しかし万が一、子供が口にした場合「小麦アレルギー」を引き起こす恐れがある分かり、またオイルショックの影響もあって、そこからタピオカに変更されました。

ミサオミサオ

紆余曲折があってタピオカにたどり着いた点が非常にユニークですね。

一方のフエキ糊も主原料は「小麦でん粉」でしたが、1986年にコーンスターチ(とうもろこし)に変更しました。

これでヤマト糊もフエキ糊も子供が誤って口に入れて小麦アレルギーを引き起こす恐れはなくなったというわけです。

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製造・販売元の違い

ヤマト糊とフエキ糊は名前から分かる通り、それぞれ製造・販売する会社が違います。

ヤマト糊の製造・販売元

ヤマト糊を製造・販売するのは「ヤマト株式会社」。

創業が1899年なのですでに120年を越える日本の企業の中でも最古参の部類。

東京に本社を置き、海外にも各国に事業所を構えるワールドワイドな会社です。

「ヤマト」という社名は、「商売が大当たりしますように」という意味を込めて作られた「矢が的(まと)に当たる」マークから付けられたそうです。

「矢(や)が的(まと)に当たる」⇒や・まと

今ではカタカナの社名は当たり前に見られますが、当時は非常に珍しかったとか。

フエキ糊の製造・販売元

フエキ糊を製造・販売するのは「フエキ(不易糊工業株式会社)」。

創業は1886年なので、こちらも創業120年を越える超長生き企業ですね。

社名にもなっている不易糊の由来は、中国の思想家・儒学者である荀子(じゅんし)の「萬世不能易也」という言葉から取ったそうです。

意味は「永遠に変わることなし」なので、不易糊が日本初の腐らない糊であることをアピールした命名といえるでしょう。

本社は大阪府に所在しています。

販売地域の違い

ボトルのり

私は東北地方で子供時代を過ごしたのですが、思い返すとヤマト糊しか使ったことがありません。

それはなぜかというと、主な販売地域が東日本と西日本で分かれるため。

  • ヤマト糊⇒東日本メイン
  • フエキ糊⇒西日本メイン

これはどうしてかというと、ヤマト糊の本社が東京であり、フエキ糊の本社が大阪なので当然と言えば当然。

それぞれ地場というかお膝元というか、大半のシェアを握っているのが地元を中心としたエリアなんですね。

ヤマト糊とフエキ糊の共通点

ここまでヤマト糊とフエキ糊の違いばかり紹介してきましたが、共通点もあるんですよ。

それがこちら。

  • チューブタイプとボトルタイプがある
  • 植物性でんぷんを使用している
  • 主に子ども用である

ヤマト糊もフエキ糊もどちらも容器のタイプとして「チューブ」と「ボトル」の2種類が商品ラインナップにあります。

ヤマト糊はタピオカ、フエキ糊はとうもろこしを原料にしていますが、どちらも「植物性でんぷん」を使用していることには変わりありません。

こうした「うっかり食べてしまっても安全」な原料にこだわるのはひとえにメインユーザーが子供(それも幼稚園児~小学校低学年)だからでしょう。

私は食べなかったですが、友達の中には糊を舐めて「なんか甘い~」と言っていたような。

※無害ですがけっして真似しないでください。

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まとめ

今回はヤマト糊とフエキ糊の違いについてお伝えしてきました。

改めて要点だけを振り返りましょう。

  • ヤマト糊とフエキ糊の違いは原材料・製造・販売元・販売地域
  • ヤマト糊はタピオカ、フエキ糊はとうもろこしが原料
  • ヤマト糊は東日本、フエキ糊は西日本が中心

小学校高学年になるとアラビックのりというスティック状で先端にスポンジが付いた糊を使うようになります。

チューブや小さなかわいいタンクに入った糊を使うのは小さいときだけですね。

ですが意外と記憶には残るもの。

10年後、20年後の子供たちもきっと使い続けているんでしょうね。

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