- 「礼」は名前に良くないって本当?
- 「良くない説」のほとんどが難癖だったり、実用上のささいな問題点です。
漢字には悪い意味がないので、不安がらず自信をもって命名してよいでしょう。
「礼」は礼儀・礼節など、日常的によく見る漢字です。
やや古風ですが、高貴で雅な印象を相手に与える名前になりそうですね。
でも誰かが「名前にはダメ、ふさわしくない」と言っていた記憶も……。
そこでこの記事では
- 「礼」が名前に良くない理由
- 「礼」が名前にふさわしい根拠
- 【最新】「礼」の名前の人気度
を解説します。
これさえ読めば、迷いを吹っ切れるはずですよ。
「礼」が名前に良くないと言われる5つの理由
「礼」が名前に良くないと言われるのは、この5つの理由からです。
- 「頭を下げる」行為を連想してしまうから
- 「れい」以外の読み方を知ってる人が少ないから
- 「れい」と読む漢字は他にもたくさんあるから
- 性別が判断できないから
- 架空のキャラ名やホストっぽく見えるから
ネット上でリサーチした情報と私個人の意見をミックスしましたが、だいたいがこんなところです。
では、具体的な内容を見ていきましょう。
「頭を下げる」行為を連想してしまうから
「礼」の字を見て誰もがイメージするのが、他人に「お礼」をする仕草ではないでしょうか。
- 学校の授業が始まる前の「一同、礼」
- 会社の始業前の従業員揃っての「朝礼」
日本人なら、誰もが頭を軽く下げるのが当たり前のシーン。
悪く解釈すれば、不特定の相手に「頭を下げてまわる」イメージを浮かぶため
謝罪が多い人生になりそうだから「礼」は名前に良くないなぁ……
と感じる人もいるでしょう。
「れい」以外の読み方を知ってる人が少ないから
「礼」は「れい」以外にこんな読み方が可能です。
- あや
- あき
- のり
- ひろ
- あきら
実際、以下のような変わった読み方で名前をつける人もたくさんいらっしゃいます。
- 礼(あや)
- 礼江(あやえ)
- 礼佳/礼歌(あやか)
- 礼夏/礼名(あきな)
- 礼葵(あやき)
- 礼人(あきひと)
- 彰礼/晃礼(あきのり)
- 暁礼/秋礼(あきひろ)
- 礼(あきら)
どれも個性的で素晴らしいですが、他人からフリガナ無しで読んでもらうのは非常に難しいのは事実……。
こんな難読な名前を見せられたら私自身も
「礼」を「れい」以外で読む名前は難しいから良くないよ
と余計なお世話とは分かりつつ、苦言を呈してしまうと思います。
「れい」と読む漢字は他にもたくさんあるから
「れい」と読む漢字なら「礼」以外にもこんなにたくさんあります。
- 玲
- 怜
- 鈴
- 令
- 麗
- 零
- 励
- 嶺
この他にも「礼」の旧漢字である「禮」も近年になって人名用漢字に追加されました。
どの漢字が良いとか悪いとかは別にして、あえて「礼」を選ぶ理由があるのかな?と他人は思ってしまうでしょう。
私の知人に言わせると
「礼」は古くさい気がする……「怜」や「玲」のほうが現代風で良いかも
だそうです。
性別が判断できないから
こんな「礼さん」の名前を見たときに、性別がどちらか分かるでしょうか?
- 鈴木礼
- 佐藤礼
- 田中礼
性別のチェック欄やフリガナ欄があれば分かりますが、漢字の名前だけでは絶対に判別できませんよね。
たとえフリガナ欄があっても、読み方が「レイ」だと男の子か女の子か判断できません……。
名前は一生付き合うパートナーであり、長い人生の上では書類上で性別を取り違えられることもあるでしょう。
それを想像すると
利便性の悪い「礼」は名前に良くないと思う
という人の意見も無視できません。
架空のキャラ名やホストっぽく見えるから
私の周りには「礼」が入った名前の人物は一人もおらず、「礼」の名はタレントの名前で目にするくらい。
男性で「礼」という名前だと
まるでホストみたいだわ
などど、ずいぶんひどいことを言う人もいます。
「礼」は1949年に人名用漢字に追加されたため、ポピュラーであり、悪く言えば古くさい印象のある漢字です。
しかし、なぜか使い方によってはキラキラネームっぽさも出てくる不思議な漢字ですね。
「礼」が名前にふさわしい根拠
いろいろと悪い部分を探し出して、評判をおとしめる人はいますが、それでも「礼」は名前にふさわしい漢字のひとつ。
その根拠がこちらの2つです。
- 礼儀正しい人に育ってくれそう
- 漢字の由来が素晴らしい
礼儀正しい人に育ってくれそう
行き過ぎた礼儀作法の強要は、息苦しいものです。
しかし、礼儀は古来より日本人が大切にしてきた作法であり、DNAに刻まれているといって過言ではありません。
剣道では「礼に始まり礼に終わる」といいますが、学校や会社も同じようなもの。
我々のような親世代が育った時代とは価値観は多少変化しても、礼儀が求められるのは変わらないはず。
「礼」が含まれた名前をつければ
- 礼儀作法を大切にする人
- お礼を言葉にして伝えられる人
- 目上の敬う心を持っている人
こんな人に育ってほしいという親の願いが込められるでしょう。
漢字の由来が素晴らしい
「礼」はもともと「禮」と書いていました(現在でも旧字として存在)。
この「禮」は、「示」と「豊」が組み合わさった漢字で、それぞれこんな意味があります。
- 「示」:神様を祀る際に使う台
- 「豊」:甘酒を盛る高い台
初めは神聖な儀式に使う漢字が、次第に「作法」や「礼儀」を意味すように変化していきました。
このように「礼(禮)」の由来は神様にかかわるものであり、名前に使うにあたって何の問題もないことが分かりますね。
【最新】「礼」の名前の人気度
「礼」が入った名前は現在どれくらい人気があるのか
- 2022年度の命名ランキング
- 「礼」が入った名前の有名人
この2つのデータから検証してみました。
2022年度の命名ランキング
大手機関が赤ちゃんにどんな名前が付けられのか、ランキングで発表しています。
2022年は「礼」は人気があったのでしょうか?
性別 | 順位 |
男の子 | ランク外 |
女の子 | ランク外 |
上位100位までが発表されていますが、男女ともランク外でした。
いま名付けに人気が集中しているわけではないので、ある意味では狙い目の漢字といえるでしょう。
「礼」が入った名前の有名人
誰か一人パッと思いつく人はいませんが、調べてみると意外とたくさんいらっしゃいます。
男性
- 中川礼二(なかがわれいじ)/芸人
- 土屋礼央(つちやれお)/気象予報士
- なかにし礼(なかにしれい)/作詞家
- 宮島礼吏(みやじまれいじ)/漫画家
- 広江礼威(ひろえれい)/漫画家
女性
- 高島礼子(たかしまれいこ)/俳優
- 中村礼子(なかむられいこ)/水泳選手
- 土佐礼子(とされいこ)/マラソン選手
- 内田真礼(うちだまあや)/声優
まとめ
「礼」が名前に良くないと言われるのは、確かです。
ただ、どれも決定打とは言えない理由ばかり。
ほとんどがイメージの問題と、実用上のささいな欠点でした。
そもそも漢字自体に悪い意味や由来があるわけではないので、あとは命名するお父さん・お母さんの判断次第ですね。