- 「暖」は名前に良くないのは本当ですか?
- 「だん」の読み方だと日本人らしくない(外人ぽい)との印象から年齢層が高い人には不評です。しかし、漢字に悪い意味はないため名付けに使うのは問題ありません。
ホットなぬくもりを感じさせる「暖」という漢字。
赤ちゃんの命名にはうってつけに思えますが、一部では「名前に良くない説」も囁かれています。
そこで今回は
- 「暖」が名前に良くない理由
- 「暖」という名前が人気があるワケ
- 「暖」の現在の人気度
をご紹介します。
これを読めば「暖」への不安が解消して、名付けに使うか決断ができるはずですよ。
「暖」が名前に良くない3つの理由
「暖」が名前に良くないと言われる理由は、この3つです。
- 「だん」の響きは日本人らしくない
- 地球温暖化を想像してしまう
- 読みづらい名前になる
「だん」の響きは日本人らしくない
「暖」は名前に良くない理由の1つ目が「【だん】の響きは日本人らしくない」ため。
「だん(Dan)」は欧米では一般的な名前。
しかし、日本人には珍しい名前なので、特に年配の人からは
「だん」なんて外人みたいでおかしい、もっと日本人らしい名前を付けなさい
なんて反対されるケースもあります。
ウルトラセブンの主人公「モロボシ・ダン」に親しみがある私と同世代なら抵抗感はないはずですが
地球温暖化を想像してしまう
「暖」は名前に良くない理由の2つ目が「地球温暖化を想像してしまう」ため。
世界中で異常気象が続くため、ニュースで「地球温暖化」の話題を聞かない日のほうが珍しい昨今。
そのせいでどうしても「暖」の文字を見ると、とっさに「地球温暖化」を思い浮かべる人も多いようです。
説明するまでもなく、CO2の排出を減らして地球温暖化を止めようするのは世界中で一致した考え。
つまり、世界共通のやっつけるべき敵のような存在なんですよね。
そんなネガティブな連想から
「暖」は地球温暖化の悪いイメージがつきまとうから良くないなぁ
と苦言を呈されるのも理解できます。
読みづらい名前になる
「暖」は名前に良くない理由の3つ目が「読みづらい名前になる」ため。
「暖」だけで4パターンの読み方
「暖」一文字の名前だけでも、こんな4パターンの読み方があります。
- だん
- はる
- あつし
- のん
圧倒的に「だん」の読み方が多いとは思いますが、バリエーションが豊かだと知ってる人には
どう読むのが正解だろう?
と戸惑いを与えるかもしれません。
「暖」+◯◯は難読名になりがち
もっと戸惑わせることになるのは、「暖」+◯◯といった形で他の漢字と組み合わせる名前をつけた場合です。
たとえば、「暖」の名前例にはこんなものがありますが、正確に読めるでしょうか?
- 暖流(あたる)
- 暁暖(あきはる)
- 暖生(あつき)
- 暖史(あつし)
- 暖人(あつと)
- 暖和(あつとも)
- 暖仁(はるひと)
- 暖太(はるた)
- 暖陽(はるひ)
- 暖真(はるま)
- 心暖(こはる)
私は正直、どれも読めませんでした。
長い人生の中では何度も他人から読み間違われて、そのたびに修正する手間が発生するのは目に見えています。
フリガナがない書類だと仕方がないですね。
「暖」という名前が人気があるワケ
いくつか欠点がある「暖」の名前ですが、こんな理由から多くの親から指示を集めています。
- 「だん」は海外の人も発音しやすい
- 心の暖かい人になってほしいとの願い
- 縁や円に恵まれた人生を送ってほしいとの願い
「だん」は海外の人も発音しやすい
前述した通り、だん(Dan)は海外ではポピュラーな名前です。
ダニエルの略称がダンなんですね。
有名なところでは『ゴーストバスターズ』シリーズに主演したダン・エイクロイド。
もし「だん」と名付けた子供が海外留学など外国に行った際には、すんなりと覚えてもらえるでしょう。
ちなみにテニスプレイヤーの錦織圭さんのご両親は、将来は海外で活躍してほしいとの願望が元々あったそうです。
そのために海外の人でも発音がしやすい「けい」と名付けたと答えられています。
心の暖かい人になってほしいとの願い
「暖」は大気の温度に対して使われる漢字です。
「心があたたかい」と表現する場合は、「温かい」を使うのが正解。
正しい使い分け例がこちら。
- 「暖」=暖かい部屋
- 「温」=温かい心
しかし、「心の温度」にも適用してイメージする人がほとんど。
そのため「暖」といえば、心の暖かい人を思い浮かべるのが普通です。
心が暖かくて優しい人になってほしいのは、どんな親にとっても共通の願いではないでしょうか。
縁や円に恵まれた人生を送ってほしいとの願い
- 懐が暖かい=お金(円)に恵まれる
- 暖炉には人が集まる=縁に恵まれる
「暖」からはこんな連想も浮かんできます。
お金ばかり恵まれても、人に恵まれないと幸せにはなれません。
逆に人に恵まれても、お金に縁がないと幸せとはいえないでしょう。
そんな人生に不可欠な2つの「えん」に恵まれた人生を送ってほしいとの願いも込めることができます。
「暖」の現在の人気度
「暖」は本当に人気があるのか、以下の2つの指標から検証してみました。
- 赤ちゃんの命名ランキング
- 「暖」が名前に入っている有名人
赤ちゃんの命名ランキング
前年に生まれた赤ちゃんの命名にはどんな漢字が使われていたのか、大手機関が毎年発表しています。
そのランキングでは「暖」は何位に入っているのでしょうか?
性別 | 順位/名前 |
---|---|
女の子 | ランク外 |
男の子 | 2位/暖 |
なんと男子の2位にランクイン!
文句なく人気がある漢字だといって過言ではありません。
「暖」が名前に入っている有名人
「暖」の字が苗字ではなく下の名前に入っている有名人を男女別に一覧にしてみました。
女性有名人
- 相川暖花:アイドル
- 小川暖奈:芸人
- 春咲暖:声優/俳優
- 長谷川暖:声優
- 毎田暖乃:俳優
男性有名人
- 今井暖大:俳優
- 小野寺暖:プロ野球選手
女性ではけっこういるものの、男性は意外と見つかりません。
ただ、ここ数年で生まれた子供たちが育ってくれば、将来的には増える可能性は大いにあります。
まとめ
「暖」は名前に良くない理由は
- 「だん」の響きは日本人らしくない
- 地球温暖化を想像してしまう
- 読みづらい名前になる
という3点でした。
イメージ的に抵抗感がある人がいるのは事実。
また、読みやすさというリーダビリティの面ではやや問題が出るケースもあります。
しかし、調べても漢字自体には悪い意味が見つからなかったため、個人的には名付けに使うのにためらう必要はまったくないと思います。