最近では冬でも異常に湿度が高くなることがもあります。
冬に湿気が部屋に充満すると窓に結露が発生して、それがカビの原因になるので、これがすご~くやっかい……。
ただ、ひとくちに「湿度」といっても冬の湿度と夏の湿度では、下げる方法がちょっと違うんですよ。
そこで、ここでは
・湿度を下げる方法(冬)9選
・雨の日の湿度を下げる方法
・冬に湿度が上がる理由と対策
などなど季節は冬場をメインにして、部屋の除湿方法をご紹介していきましょう。
部屋の湿度を下げる方法は冬なら9つの対策でバッチリ!
一般的に夏に比べると冬は湿度が低くなりますが、室内では関係ありません。
昔の古い住宅のように隙間風が適度に入る家なら別ですが、最近の新築の住宅やマンションは「気密性」が高いので湿度が高くなるんです。
そんな冬の部屋の高い湿度を下げる方法がこの9個です。
- 温度を上げる
- 除湿機を使う
- エアコンの暖房機能を使う
- 換気をする
- 炭を置いておく
- 新聞紙を使う
- 重曹を使う
- ダンボールを置く
- 家具の配置を変える
温度を上げる
部屋の温度を上げると湿度は下がります。
そもそも「湿度」とは、空気中に溶け込んでいる水蒸気の量のこと。
※これを飽和水蒸気量と呼びます。
空気中の水蒸気の量(湿度)は、温度が上がると増えるため、相対的に湿度が下がるわけなんですね。
除湿機を使う
除湿機は主に梅雨時のムシムシした湿度を下げるための電化製品です。
ただ、もちろん梅雨にしか使えないわけではなく、冬の高い湿気を下げるためにも有効です。
除湿機の方式には
- コンプレッサー式
- デシカント式
2通りありますが、冬の湿度を下げるには「デシカント式」が向いていますよ。
※コンプレッサー式は気温が低いときには除湿能力が落ちるため。
エアコンの暖房機能を使う
除湿機をあえて買うのは経済的に負担ならば、どこの家庭にもあるエアコンの「暖房機能」で代用する手もあります。
「え?、暖房で除湿できるの?」
と疑問に思うかもしれませんが、これが空気をカラッとさせてくれるんです。
部屋も暖められるし一石二鳥ですね。
基本的にエアコンの除湿機能は気温が20℃以下になると機能しませんので、使えません。
エアコンを使うときは必ず「暖房」と覚えておきましょう。
換気をする
本来、冬の空気は湿度が低いのが当たり前。
ですから、室内の湿度が高いと感じたら、寒さを我慢しつつ15分くらい窓を開けて、部屋の湿度がたっぷりの空気を追い出し、外の乾いた空気を室内に取り入れてみましょう。
炭を置いておく
湿気取りや臭い取りとして有名な炭。
炭を多めに購入し、部屋の炭に置いておきます。
ただし、炭の除湿効果は「雀の涙」程度で、広い部屋では効果は実感しにくいと言わざるをえません……。
トイレ・押入れ・クローゼット・下駄箱などの「閉鎖空間」向けの除湿グッズと思ったほうがいいでしょう。
新聞紙を使う
古新聞をくしゃくしゃに丸め、箱などに詰めて部屋の隅に置いておきます。
ただ、新聞紙も炭と同様に狭い部屋でのみ有効な湿度を下げる方法です。
過度に効果を期待せず、トイレやクローゼットの湿気取りくらいの位置づけと思ってください。
重曹を使う
いまや100均ショップでも置いてあるお掃除道具の重曹。
これも湿気を吸い込むため、大量に買い込んで部屋の隅に置いておけば多少は湿度が下がります。
こちらも炭と新聞紙同様に、トイレや押入れに適した湿気取りと思ったほうがいいでしょう。
ダンボールを置く
ダンボールは素材自体が大きく、空気中の水分を取り込む性質があります。
このダンボールが効果を発揮するのが、家電や家具の裏側や隙間。
こうした他の除湿グッズが置けない狭い隙間にダンボールを差し込んでおくと、人の目に触れにくい箇所をカバーしてくれます。
決して湿度を下げる方法のメインにはなりませんが、補助的な役割は果たせるでしょう。
家具の配置を変える
一般的な日本の家屋は狭い上に、必要以上に家具を置きすぎる人が多いため、非常に風の通り抜けが悪いんですね。
風がスムーズに通らないと、それだけ湿気が溜まりやすく湿度が高くなりがち……。
そこで、そもそも部屋の中の家具の配置を見直しましょう。
不要な家具はなるべく捨てるか、家具同士をくっつけず、スペースを空けて配置します。
これは家電も同様で、テレビや冷蔵庫などは、後ろの壁とのスペースを確保するように見直してみてください。
収納(押入れやクローゼット)の対処法
押入れやクローゼットなど「モノを収納する場所」の湿度を下げるには、炭・新聞紙・ダンボールなどが有効です。
それ以外では
- 除湿剤を置く
- すのこを敷く
この2つが特に有効な除湿方法です。
市販の除湿剤を買ってきて、クローゼット中に置いておく。
布団をしまう押し入れの下には「すのこ」を敷いて、下側に空気が通るスペースを設けて湿気を溜めないようにしましょう。
雨の日の湿度を下げる方法
雨が降る日は、冬のような乾燥した季節でも部屋の湿度が確実に上昇します。
そんなシーンで湿度を下げるなら、こちらの3つの方法が適していますよ。
- 台所やお風呂の換気扇をつける
- エアコンの除湿機能を使う
- 除湿機を使う
台所やお風呂の換気扇をつける
雨の日は雨風が吹き込むので、窓を大きく開けられません。
しかし、湿気を含んだ空気が室内に入り込むため、湿度が高くなってしまいます。
また、台所で湯気をモクモクと立てる料理をしたり、風呂場で熱いシャワーを浴びれば、そこからも湿気が大量発生!
それらを外に追い出すためには、換気扇をつけるのがもっとも手っ取り早いですよ。
換気扇は思ったよりも電気代を食わないため、雨の日はずっとつけていてもいいでしょう。
エアコンの除湿機能を使う
いまやどの家にも必ずあるのがエアコン。
しかし、エアコンの「除湿モード」を使ったことがない人のほうが多いのでは?
エアコンの除湿モードは空気中の湿気を取り除いてくれる機能なので、確実に湿度が下がります。
ただ、湿度を下げると同時に室温もやや下がるので、冬場は寒く感じるかもしれません。
夏は逆にあまりに部屋の温度が高いと、除湿をしてもなかなか湿度が下がりません。
ですから、少し冷房をつけて部屋の温度を下げてから除湿モードに切り替えてくださいね。
除湿機を使う
除湿の専門家「除湿機」が家にあれば、それを使うのが一番。
換気扇をつけていくら換気をしても湿度が下がらない場合は、これに頼るしかありません。
【雨の日の湿度についてくわしくはコチラをご覧ください】
⇒雨の日の湿度を下げる方法|タダで出来る最強の対策とは?
冬に部屋の湿度が上がる理由
部屋の湿度が70%以上になることは、季節を問わず珍しいことではありません。
場合によっては90%に達することだってあるはずです。
昔の家に比べて今の家の構造はとても「気密性」が高いために、それが災いして湿度が異常に高くなってしまうのです。
気密性が高いというのは、どういうことかというと「すきまが無い」こと。
つまり外から隙間風が入ってこない代わりに、意図的に換気をしない限り、家の中で空気がこもってしまうわけですね。
家の居住性にとっては気密性が高いほど、部屋の中が温めやすく、また冷やしやすいので暮らしやすいです。
しかし、室内の湿度や温度は外からの影響を受けにくいため、住む人自身が知識を持ってコントロールしないといけません。
そんな冬の部屋の湿度が高くなる原因として考えられるのは
- 開放型の石油ストーブやガスファンヒーターを使うため
- 長時間の煮込み料理や鍋料理をするため
- 立地条件や建物のせい
- 部屋干しをしたため
- 締め切った部屋に人がたくさんいるため
- 雨が降っているため
以上の6つです。
開放型の石油ストーブやガスファンヒーターを使うため
開放型の石油ストーブやガスファンヒーターを締め切った室内(特に高気密住宅)で使用すると湿度を異常に高める原因になります。
こうした暖房器具は灯油1リットルの使用に対して1.4リットルの水分を発生させます。
長時間の煮込み料理や鍋料理をするため
カレーやシチューなど長時間の煮込み料理や、家族揃って鍋料理をつつくと、その間中ずっと水蒸気が空気中に放たれます。
これも実は隠れた高湿度の原因。
ずばり冬場の湿度を下げるには(寒いですが)定期的に窓を開けて換気をするのが一番の方法ですよ。
煮込み料理をするときも多少寒いですが、換気扇を回したほうがベター。
それに冬にはある程度、湿度が高いほうがインフルエンザなど風邪のウイルスの繁殖を抑えられます。
多少の湿度なら我慢して過ごしたほうが健康にはいいでしょう。
立地条件や建物のせい
本来、冬は湿度が下がる季節ですが、それでもなぜか「我が家」だけいつも湿度が高いとしたら、その土地や建物に原因があるかもしれません。
私の家は高い「気密性能」が自慢のハウスメーカーで建てたため、冬に部屋の湿度が90パーセントを越えることがあります……。
こんな湿度が高い状態が続くと、冬は室内と外の温度差があるために窓の結露が必ず発生。
また、もともとが水はけの悪い土地に建てられた家という「立地そのもの」に問題がある可能性も……。
部屋干しをしたため
日本海側は特に冬は雨が降り続いたり、あるいは雪が降ったりします。
そんな天候だと仕方無しに部屋干しすることになりますが、これが湿度発生源!
洗濯物に含まれた水気が蒸発し、部屋の空気中に放たれるのですから当然といえば当然ですね。
部屋干ししたときの除湿するコツ
部屋干しした洗濯物をずっと部屋のカーテンレールにかけておくと、湿度が高い状態のままキープされます。
このような事態を防ぐためには、さっさと乾かしてしまうのが一番!
洗濯ハンガーはすべてお風呂場に集め、サーキュレーターか扇風機をかけて数時間放置します。
この際、風呂の換気扇を回るのがコツ。
これで数時間すれば、洗濯物の湿気はあらかた蒸発しますよ。
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⇒室内で洗濯物を乾かす詳しいコツはこちら
締め切った部屋に人がたくさんいるため
自動車に大勢で乗り込むと、窓ガラスが曇って結露することがあります。
これと同じことが部屋の中でも起こりえます。
冬は寒さのために窓を閉め切っており、そこに大勢の人間が集まって息を吐いたり湯気の立つ食事をしていたら、車内以上に湿度が高くなってしまいます……。
雨が降っているため
外気に湿度をもたらす主原因は「雨」。
いくら冬に窓を締め切っていても、外の天候に室内の湿度レベルも影響を受けます。
雨が続くときはいつも以上に、除湿を心がけるしかありません。
冬に部屋の湿度を上げない3つの対策
湿度を下げるのはなかなか難しいのですが、湿度を上げないようにするのはちょっとした工夫で可能ですよ。
湿度というのは、雨が降ったり、夏場の湿気を含んだ空気のせいだけで上がるものではありません。
もちろんその影響は大きいのですが、普段の私達の生活のなかからも多量の湿気が生み出されているのです。
1.台所・お風呂場・洗濯場からの湿気
野菜を煮たりお湯を沸かしたり、洗濯物を乾燥機にかけたりすることで大量の湿気が部屋全体を覆います。
炊事をするときは常に換気扇を回す、入浴後や洗濯物を乾かしているときは窓を開けて換気することをお忘れなく。
また浴槽に水をためている場合はフタをしておきましょう。
2.観葉植物からの湿気
見た目が美しくインテリアのひとつとしてどこのお宅にもある観葉植物ですが、実はこの用土からも常に水分が蒸発しています。
冬場は部屋の加湿になっていいのですが、夏場は逆効果です。
湿度が高い夏場だけはお風呂場や玄関に置いて、寝室やリビングからは避難させましょう。
3.洗濯物からの湿気
雨が降った日は乾燥機が無い場合、外で乾かない洗濯物を室内干しすることになります。
こうした室内干しした洗濯物は部屋の湿度を上げる原因になりますから、室内で工夫して乾かすようにしましょう。
湿度の基礎知識
冬の室内の最適な湿度
冬の室内における最適な湿度は45%~60%です。
60%と聞くと「高いな」と思ってしまいますが、目安としてはそれくらいなら最適なんですね。
湿度が60%以上になったら、除湿を考えるようにすればいいわけです。
湿度が高くなると心配されるリスク
部屋の湿度が高くなると、単にじめじめして気持ちが悪いだけじゃなく、部屋にも人体にも悪影響が出ます。
湿度が高くなるリスクを事前に知っておきましょう。
カビが生える
快適な湿度である60%を越えてしまうと、部屋の中は明らかに多湿状態に……。
こうなるとカビが至るところに発生しやすくなります。
カビは壁材を痛めるだけではなく、人の身体にとっても悪影響がありますので絶対に防ぐべきですし、発生したら取り除かなければなりません。
また、普段は意識しないダニの発生につながり、生育にプラスになってしまいます……。
冬の室内でカビが生えやすい部屋
冬の室内でカビが生えやすい部屋は以下の通りです。
- 水回り(トイレ・風呂・洗面所・台所)
- 押入れ/クローゼット
- 敷いた寝具の裏の畳やフローリング
- 大きな家具や冷蔵庫の裏
基本的に夏場と変わらず、元々湿気が多い場所や暗く風通しが悪い場所などが高リスクですね。
虫が発生する
部屋の湿度が80~90%という、とんでもなく多湿状態になると、人間の目には見えないような虫たちが発生するリスクが高まります。
また、ゴキブリは冬場の寒さや乾燥に弱いため、冬を乗り切れず死に絶える個体もいますが、そうした害虫たちにとって最適な環境となってしまいます……。
温度と湿度の意味をおさらい
では、温度と湿度についても一応おさらいを。
まず「温度」ですが、暖かい/寒いという人間の感覚を客観的な数字として表したもの。
続いて肝心の「湿度」は、空気中の水分量のことで、それを数字として表したもの。
空気は気温が高いときほどたくさんの水分を含むことができ、逆に気温が低いときには少しの水分しか含むことができません。
夏場に湿度が高くなるのも、逆に冬場に湿度が低くなるのもそうした性質があるからなんですね。
まとめ
冬に部屋を除湿する方法をお伝えしてきました。要点をおさらいすると
- 部屋の換気を良くする
- 冬でも換気を心がける
- 家の中の湿気の発生源を断つ
- 暖房器具を見直す
こんなところになります。
除湿機にはかないませんが、湿度の発生源を特定して対処すればグッと湿度を低く抑えることは可能です。
湿度が高い日本に生きているので、上手に付き合っていけたらいいですね。