- 魚へんに秋の読み方は?
- 「カジカ」です。
「鰍」は読めない人のほうが多い漢字のひとつ。
そこでこの記事では
- 魚へんに秋で何と読む?
- 「イナダ」や「さんま」とは読まない?
- 秋の漢字が使われている理由
などなど、「鰍」にまつわる豆知識を魚好きな私が解説します。
魚へんに秋の読み方
魚へんに秋の読み方は、「カジカ」です。
漢字 | 鰍 |
訓読み | かじか・いなだ・どじょう |
音読み | シュウ・シュ |
部首 | 魚(うお・うおへん・さかなへん) |
画数 | 20画 |
漢検の級 | 準1級 |
「カジカ」はどんな魚?語源は?
鰍(カジカ)」は、スズキ目カジカ科に属する魚。
- 一生を河川や湖で暮らす淡水魚
- 海と川を行き来する回遊魚
という棲む水域が違う2種類のタイプがいます。
大きさは15cm~17cmほどで、エゾハナカジカ・ハナカジカなど全部で約90種。
日本の固有種であり、北海道南部以南の各地の河川や湖に生息。
鱗がない滑らかな皮をしており、頭と口が大きい体型はカエルに似ています。
そんなカエルに見た目から、鹿に似た声で鳴く河鹿蛙(カジカガエル)と同じ生き物だと誤認され、その名が付いたと言われています。
その美しい鳴き声がこちら(一聴の価値ありです)。
そんなグロテスクな見た目に反して、とても美味しい魚として有名。
食用にされるのは、主にトゲカジカとケムシカジカの2つ。
非常に淡白な味わいなので
- 汁物
- 味噌汁
- 鍋料理
- 佃煮
- 甘露煮
など、いろんな調理法で食べられます。
なかでも北海道の「かじか汁」、石川県金沢市の郷土料理「ゴリ料理」は有名。
「イナダ」・「ドジョウ」の読み方もある
「鰍」の漢字は「カジカ」の他に、イナダやドジョウの読み方もあります。
イナダは出世魚であるブリの「幼魚の成長段階」での呼び方のひとつ。
ブリは80cm以上の成魚であり、40cm前後の大きさだと「イナダ」と呼びます。
「ドジョウ」と読むのは、中国ではドジョウを「鰍」と書いていたため。
しかし、イナダもドジョウも日本では認知度は低く、は魚へんに秋と書いて鰍は、「カジカ」の読みをするのが一般的です。
さんまは「秋刀魚」
「秋の魚」と言えば「さんま」。
その連想から「魚へんに秋」もサンマと読みたくなりますが、正しくは「秋刀魚」と漢字を3つ連ねる書き方をします。
秋に旬を迎える刀のような魚という意味から、この表記になったのでしょう。
カジカに「秋」の漢字が使われている2つの理由
カジカはどうして魚へんに秋の漢字を組み合わせて書くのか、その理由がこちらです。
- 秋が旬だから
- カジカガエルが秋によく鳴くから
様々な説がありますが、個人的に有力だとおもったのがこの2つ。
秋が旬だから
カジカの旬は秋から冬(9月~1月)ごろにかけて。
秋が来ると美味しい魚が食べられると、昔の人が「秋の魚」として「鰍」の漢字を付けたのは納得がいきます。
カジカガエルが秋によく鳴くから
鰍が穫れる秋には、カジカガエルが繁殖期を迎えて鳴き声がほうぼうから聴こえてきます。
この鳴き声を聴いた昔の人は、魚のカジカも鳴いていると勘違いしたとか……。
そこから「秋に鳴く魚=鰍」となったとする説です。
まとめ
- 魚へんに秋はカジカと読む
- イナダやドジョウの読み方もある
- 秋が旬の魚だから「鰍」
- カジカガエルが秋に鳴くから「鰍」
正直、私はウン十年生きてきて一度も鰍を食べたことがありません。
世間ではそういう人が多いから、読めない人は多いはずです。
そんな読めない魚へんの漢字をまとめていますので、そちらも合わせてご覧ください。
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