- 「泰」は名前によくないって本当ですか?
- 漢字の意味のひとつに「おごる」があるので、気にする人はいます。
しかし、世間的に浸透している意味(イメージ)は良いので、昔から名前に使う人がたくさんいます。
外野の意見を気にする必要はないでしょう。
スケールが大きく、落ち着いた人になってくれそうで子供の名前によく使われる「泰」。
でも、一部では「名前にはよくない・ふさわしくない」とのウワサも……。
そこでこの記事では
- 「泰」が名前によくない理由
- 「泰」が名前にふさわしい根拠
- 「泰」を使った名前の世間の反応や流行
を解説していきます。
これさえ読めば、子供の命名に納得して「泰」を使うことができますよ。
「泰」が名前によくないと言われる5つの理由
「泰」が名前によくないと言われるのは、こんな5つの理由からです。
- 「おごる」の意味があるから
- 外国人に間違われやすいから
- 電話で漢字を説明するのが難しいから
- 「奏」と間違いやすいから
- 画数があまりよくないから
「ドキッ」とする言葉も並んでいますが、落ち着いて確認していきましょう。
「おごる」の意味があるから
「泰」を漢字辞典で引くと、こんな意味があると紹介されています。
①やすい。やすらか。おだやか。「泰平」「安泰」 ②大きい。ひろい。おちついている。「泰然」 ③はなはだしい。きわみ。果て。「泰西」 [類]太 ④おごる。おごりたかぶる。
■引用:「泰」の部首・画数・読み方・意味 – goo漢字辞典
戦争のない穏やかな世の中を表す「天下泰平」や、安全で危険のない状態を指す「安泰」など良い表現に使われる漢字だと分かります。
ただ、ほとんど知られていませんが「驕る・驕りたかぶる」の意味も持ちます。
「驕る(おごる)」の意味がこちら。
地位・権力・財産・才能などを誇って、思い上がった振る舞いをする。
子供がそんな人間に育ったらと思うと、命名に躊躇する人がいるのも納得です。
「泰」なんて字を名前に使ったら、傲慢な人間になるから良くない
そんなふうに敬遠する人もなかにはいるかもしれません。
外国人に間違われやすいから
一部の人は「泰」の字を見ると、外国(主に中国)を連想します。
- 中国の地名にある「泰州市」や「泰寧県」
- 百済から日本に渡って帰化した「秦氏」
- 中華料理屋の店名によくある「泰山」
- タイの国名を漢字表記した場合の「泰」
そのせいで名前に「泰」の字が入っていると、外国にルーツを持つ人かなと間違われる可能性も。
けっして悪いことではありませんが、説明の手間がかかることから
「泰」を名前に入れるのは面倒でよくないわ
と考える人もいるようです。
電話で漢字を説明するのが難しいから
電話を通して自分の名前を説明する機会は、人生で必ず数回(数十回)は巡ってきます。
その際、「泰」を説明しようとしても、なかなかすんなりとは伝わらないでしょう。
相手の語彙力や漢字能力によりますが、伝えにくい漢字であることは確か。
そんな面倒な漢字であることから
「泰」の漢字は説明しづらいから良くない
との声が挙がるのは当然かもしれません。
パッと伝わりやすい「泰」の説明の仕方
世間で「泰」の字を名前に持つ人は、こんな風に説明しているようです。
- 天下泰平の「たい」
- 安泰の「たい」
- 原田泰造の「たい」
- 松雪泰子の「やす」
天下泰平と安泰は相手が若い人だと伝わりにくいですが、後者の芸能人の名前だとパッと伝わるケースが多いそうです。
ですから、「伝わりにくさ」を心配する必要はあまりないといっていいでしょう。
「奏」と間違いやすいから
「泰」の楷書(漢字を正確に書くこと)なら、誤解されることはありません。
しかし、なぐり書きをして崩した漢字だと「奏」と間違われることも有りえます。
書体として非常に似通っていますし、「奏」も最近では名前に人気の漢字。
思わぬ場面で間違われて、面倒な修正作業を強いられることもあるかもしれません。
画数があまりよくないから
「泰」の画数は10画。
この10画は姓名判断で「下の名前」だけの画数で判断すると、あまり良いとはいえません。
下の名前の画数は、少年期~人生中盤までの運勢を表します。
「泰」の吉凶を4段階でいうと、下から2番目。
ただでさえ変動が多い少年期から人生の半ばまで苦労が耐えない時期が続くと予見されます。
姓名判断を細かくチェックする人からすると、マイナスポイントでしょう。
ただし、これは「泰」を単独で名前にした場合です。
たとえば、鈴木泰さん・田中泰などですね。
以下のような
- 泰史
- 泰弘
- 泰弘
- 泰志
- 泰人
「泰+○」の命名をした場合は、この限りではありません。
また、姓+名の総画数で判断する場合にも関係がなくなります。
「泰」が名前にふさわしい根拠
「泰」という漢字を調べると、人名にふさわしいとの印象を持ちます。
その根拠をご紹介します。
漢字の成り立ち・由来が素晴らしい
「泰」は
両手に汲んだたっぷりの水で体を洗う
という様子を表すために
- 人
- 水
- 両手
の字が組み合わさってできました。
そこから
- ゆったり
- おだやか
なイメージが立ち昇ります。
何事にも動じずに穏やかな性格で、他人からも頼られる人になりそうな気がしませんか?
「泰」を使った名前の世間の反応や流行
世間の人たちは「泰」にどんなイメージを持ち、いまはどれくらい流行っているのでしょうか?
口コミやランキングを参考にまとめてみます。
かっこいい・穏やかそう
「泰」の字に
かっこいい
の声が聞かれます。
また
あと名前に「泰」つく人はみんな穏やかそうなイメージ
— 篠目 (@shinome_1) June 17, 2019
この「穏やかそう」は多くの人が抱く定番の印象です。
最近の人気度
過去3年間の人気名前ランキングを調べたところ、「泰」の字はトップ100にランクインしていませんでした。
ですから、お世辞にも最近人気がある漢字とは言えません。
でも、その分、他人とかぶる可能性が低いので狙い目だと言えるでしょう。
特別珍しくもないけど、かといってありふれてもいない。
それが「泰」の字の現在のポジションですね。
まとめ
「泰」が名前によくない理由は
- 「おごる」の意味がある
- 外国人に間違われやすい
- 電話で漢字を説明するのが難しい
- 「奏」と間違いやすい
- 画数があまりよくない
という5つでした。
「おごる」の意味があるのは唯一ひっかりますが、ほかはほぼ気にする必要はないと個人的に考えます。