今年の十三夜は何月何日なのでしょうか?
「十三夜は満月にならない」っていう噂を聞いて、がぜん興味が湧いてきたんですね。
お月見をするんだから絶対に満月になるんだと思っていたんですが、調べてみたら意外な事実が!
そもそも「十三夜」がどういう意味がある行事なのか、知らない人も多いと思います。
そこで具体的な日付や、月見に用意するお供え物などをご紹介します。
この日には絶対にお月見をしないといけない理由というか秘密があるんですよ。くわしくは本文にて。
今年2024年の十三夜は何月何日?
今年の十三夜は何月何日なのか?という基本的な情報をチェックしていきましょう。
2024年(令和6年)の十三夜は、10月15日(火曜日)になります。
この日付は毎年同じ日ではありません。
十三夜とは本来は【旧暦】における9月13日がその日だったのですが、現在はご存知のように【新暦】に変わっていますので、毎年、日付が微妙に変化するわけです。
十三夜は満月じゃないってホント?
十三夜の月は満月ではないという噂ですが、意外なことにホントなんです。
2024年10月に満月になるのは、10月17日なので。
のちほどくわしく説明しますが、もともと十三夜は十五夜のオマケのような存在で、十五夜に次いで美しい月が見られる夜とされていました。
ですから、満月ではなく「満月になる前の8割くらいの月」が十三夜の月なんですよ。
フルの満月からは2割が欠けている状態なので「80%の満月」とも言えますね。
「十三夜」の読み方
そもそも「十三夜」の読み方が分からない、あやふやで自分なりの読み方で読んでいる人もいらっしゃるかもしれません。
でも、大丈夫ですよ。そのままストレートに読めばいいんです!(川平慈英風)
十三夜は「じゅうさんや」と読むのが正解。
たまに13夜と書く人もいますが、漢字で「十三」と書くほうが正式です。
十三夜はどんな意味がある年中行事?
十三夜がどういう意味がある年中行事なのか、分かりやすいようにシンプルに説明しますね。
【十三夜の意味】
- 旧暦の9月13日の夜のこと(新暦では10月中旬~下旬)
- 「旧暦8月15日の十五夜」の次の月の【旧暦9月13日の夜】であるところから、その名で呼ばれる
- 十五夜と同様にお月見をする
- 十五夜に次いで美しい月が見られる夜とされる
- 日本独自の風習(十五夜は中国から伝来した風習)
と、このように夜空に昇った美しい月を眺める日なんですよ。
十五夜のお月見と一緒だと解釈すれば間違いありません。
>>>十五夜(中秋の名月)がいつなのかはコチラの記事で<<<
十三夜には別名が4つもあります
後の月(のちのつき)
十三夜は十五夜よりも後(のち)の夜の月なので。
二夜の月(ふたよのつき)
十五夜と十三夜の2つの月をセットでこう呼んでいましたが、十三夜の月だけを「二夜の月」とも呼ぶように。
栗名月(くりめいげつ)
十三夜に栗をお供えするところから。
豆名月(まめめいげつ)
枝豆を供えて月見をする風習があるため。
十三夜にお供え物する食べ物
十三夜のお月見にはどんな食べ物をお供えすればいいかというと「栗・枝豆」です!
先程もご紹介した十三夜の別名「栗名月(くりなづき)」・「豆名月(まめなづき)」は、この栗と豆(枝豆)をお供えするのが由来なんですね。
10月の下旬にもなれば栗の収穫を迎えますので、栗ご飯などを作るのもいいでしょう。
テレビ番組で取り上げられた話題の焼き栗を用意するのもいいですね♪
もちろん十五夜と同じように「月見団子」と一緒にススキもお供えします。
こうしたお供え物については地域によってだいぶ違いがあるようです。
十三夜と十五夜(中秋の名月)の違い
十三夜と十五夜は似ているようでちょっと違います。
その違いをわかりやすくまとめました。
日程の違い
- 十三夜・・・旧暦の9月13日
- 十五夜・・・旧暦の8月15日
お供え物の違い
- 十三夜・・・月見団子/栗/枝豆
- 十五夜・・・月見団子/里芋やサツマイモなどのイモ類
起源の違い
- 十三夜・・・日本
- 十五夜・・・中国
十三夜は絶対に月見をしないといけない理由
十五夜には忘れずにお月見をするという人は多いと思います。
忘れていても誰かのLINEやツイッターなどでその日が中秋の名月だと知って、夜空に浮かぶ名月を見上げることがあるでしょう。
しかし、これが十三夜となると知名度が低いため、特に若い人では知ってる人はかなり珍しいですから、知らないまま当日を過ごしてしまうのが普通ですよね?
でも、これ、すごく縁起が悪いってご存知でしたか?
十五夜だけお月見をして十三夜にはお月見をしないことを片月見(かたつきみ)と昔の人は呼んでいたんですよ。
この片方の夜しかお月見をしない片月見だと「災いを呼び込んでしまう」とされて、昔の日本では禁忌とされていました。
逆もまた然りで十三夜にお月見をするなら十五夜もしなければ縁起が悪いそうです。
しかも厳しい条件があって「どちらの月も同じ場所で眺めなければならない」という制約まであったと言います。
江戸に住んでいる人が出先の箱根で十五夜をたまたま見たとしたら、また箱根まで出かけなければならないなんて、なんとも大変で理不尽です^^;
そんな理由から、うっかり月を見ないように十五夜や十三夜の日は出かけるのを避ける人までいたというから昔の人の信心深さはスゴイですね(笑)
十三夜を題材にした作品
あまり馴染みがない、地味な年中行事ですが、探すと題材にした曲や小説、映画が見つかるものです。
- 樋口一葉の『十三夜』(短編小説)
- 鈴木雅之の『十三夜』(曲)
- coccoの『十三夜』(曲)
- 佐藤竹善の『十三夜の月』(曲)
十三夜にひっそりと古典を紐解いたり、ライブでこんな曲を聴くことが出来たらオツですね(^^)
最近では『十三夜の月』という映画も公開されましたね。
十三夜の季語
俳句や短歌に十三夜の季語を取り入れる場合にその候補になるのがこちらです。
- 十三夜
- 後の月
- 二夜の月
- 名残の月
- 豆名月
- 栗名月
- 後の今宵
こうした十三夜の季語を使った有名な作品をいくつかご紹介します。
木曾の痩せも まだなほらぬに 後の月(芭蕉)
後の月つくねんとして庵にあり (正岡子規)
十三夜は英語ではなんと表現する?
十三夜を英語で直訳すると「13 nights」になりますが、これでは本来の意味が伝わりません……。
かといって英語にそれに対応する習慣がありませんから、ここはシンプルに
「旧暦の9月13日にお月見をすること」という十三夜の意味をそのままストレートに訳して
Watching the moon on September 13 of the lunar year
とでも表現するしかないですね。汗
まとめ
十三夜の月は満月にならないという衝撃的な事実をお伝えしましたが、その理由を知ると納得ですね。
十三夜は十五夜のように中国が起源ではなく、あくまで日本人が独自に始めたものです。
日本人は満月のようなパーフェクトな存在だけでなく、すこし欠けた「わびさび」に美しさを感じる感性を持っているので、満月未満の十三夜の月を昔の人は見上げて「満月もいいけど、これくらいの月もいいなぁ」とおもっていたことでしょう。
そんな昔に思いをはせて、現代に生きる我々もその日はテレビを切ってスマホは置いて、窓からベランダから空を見上げてはいかがでしょうか?