子供から大人まで、日本人みんなが大好きなカレー。
次の日も食べられるようにと、5人家族なのに10人分をまとめて作ったりしがち。
そうなると、知りたいのがカレーを腐らせないで保存する方法。
いっそ「カレーを鍋ごと冷蔵庫で保存したい!」って思う人も多いでしょう。
でも、いざとなると
そんな雑なことして、いいのかなぁ?
とためらってしまうのでは?
そこで、この記事では
- カレーは鍋ごと冷蔵庫で保存して良い?
- カレーを鍋ごと冷蔵庫に入れる際の注意点
- 鍋ごと冷蔵庫に入れた場合の賞味期限
などなど、気になる点をすべてズバッと解決します。
カレーは鍋ごと冷蔵庫に入れても良い?
結論から言うと、カレーは鍋ごと冷蔵庫に入れてもかまいません。
たしかに大雑把なやり方ですが、いけないことではないですし、腐るのを防ぐことができますよ。
でも、いくつか注意点がありますので、それをチェックしていきましょう。
カレーを鍋ごと冷蔵庫で保存するときのポイント
カレーを鍋ごと冷蔵庫で保存するときは、以下の2点を必ず守ってください。
- カレーを冷ましてから冷蔵庫に入れる
- 鍋のフタ(ラップでも可)をして冷蔵庫に入れる
では、この2点をくわしく解説していきますね。
カレーを冷ましてから冷蔵庫に入れる
カレーが湯気を立てるほど熱い状態のまま、冷蔵庫に入れてしまったら?
はい、お察しの通り、冷蔵庫の中の温度が上昇してしまいます。
冷蔵庫の中の温度が上昇すると、他の食品が腐ってしまったり、温度を下げようと余計な電気代がかかってしまいます。
また、鍋底がアツアツのままだと、冷蔵庫の棚を変形させる恐れも!
ですから、必ずカレーが冷めて、鍋自体を冷めてから冷蔵庫に入れる必要があるんですね。
カレーの冷まし方
では、どうやってカレーを冷ましたらいいのでしょうか?
ゆっくり冷やすときと、急いで冷やすときで、それぞれやり方が違います。
ゆっくり冷やすとき
冬が春など気温が低い季節は、腐るスピードも遅くなるので急いで冷蔵庫に入れる必要はありません。
そんなときは、鍋のフタをズラすか、フタを取った状態で置いておけばOK。
1時間もすれば、冷たくなっているでしょう。
急いで冷やしたいとき
夏から秋にかけての気温が高い季節や、夜寝る前にあわてて冷蔵庫に入れたいときは、急いで冷やす必要があります。
そんなときは、こうしましょう。
- 鍋が入るほどの大きさのボウルを用意
- その中に水を張り氷を浮かべる
- そこにカレー鍋を漬ける
この際、フタもずらすか取った状態で、更に扇風機の風を当てると、より冷えるスピードがアップしますよ。
高温の時期でも、30分~1時間もすれば冷たくなっているでしょう。
鍋のフタ(ラップでも可)をして冷蔵庫に入れる
邪魔になるからと、鍋のフタを取った状態で冷蔵庫に入れるのはNGです。
なぜなら、フタがないとカレーの水分が蒸発したり、雑菌が入ってしまうため。
カレーを掬うお玉は取り出して、きちんとぴったりフタをして冷蔵庫にインしましょう。
もし冷蔵庫の棚が狭く、フタの取っ手がぶつかってしまう場合は、鍋の口に「ラップ」をかけるとフタ替わりになりますよ。
カレーを鍋ごと冷蔵庫に入れたときの賞味期限
カレーを鍋ごとボーンと冷蔵庫に入れた場合、おいしく食べられる限度はいつまででしょうか?
私の経験上では、2~3日程度なら平気です。
ただ、理想をいれば翌日中に食べるのがベストですね。
次第に味が飛んでいきますし、腐るリスクも上昇しますので。
鍋ごと冷蔵庫に入れたカレーを食べるときの注意点
鍋ごと冷蔵庫に入れたカレーを取り出して食べるときは、まずカレーの様子を確認しましょう。
- 色が変色していないか?(カビの有無)
- 匂いが変化していないか?
この2つをよく目と鼻で確認してください。
変化がないようだったら、第1段階はパス。
カレーが入った鍋を火にかけて、グツグツいうまでしっかりと加熱します。
そして、スプーンで一口味見をしてみて、酸っぱいような味がしないかチェック。
味に変化がないようだったら、すべてのテストをクリアー!
器によそって、実食に移りましょう。
鍋ごと冷蔵庫で保存したカレーをおいしく食べる裏ワザ
でも、鍋ごと冷蔵庫で保存したカレーって、保存時間が長くなるほど「間の抜けた味」になってしまうもの。
そんなピンぼけになったカレーをおいしく食べる裏ワザを3つご紹介しましょう。
スパイスを足す
冷蔵庫で保存したカレーが間の抜けた味になってしまう最大の理由が、スパイスの風味が飛んでしまうため。
なので、それを補うために、カレー用のスパイスを「追いがけ」します。
用意したいスパイスの候補は、この5つ。
- レッドペッパー
- ターメリック
- コリアンダー
- クミン
- カルダモン
これらのスパイスは、スーパーで瓶詰めで売られていますよ。
バラバラに買い揃えると経済的に負担になるので、「ガラムマサラ」という複数のスパイスがミックスされた商品がお勧め!
チーズをトッピング
いろんな食べ物と相性が良いチーズ。
CoCo壱番屋にもチーズカレーのメニューがあるように、家のカレーにもチーズを足してみましょう。
ちょっと味が落ちたカレーでも、チーズの加勢によって違った美味しさがプラスされること間違いなし!
ゆで卵をトッピング
「卵」もまたチーズと同じように、どんな食べ物にも相性バツグン。
私がよくやるのは半熟のゆで卵をカレーにトッピングする手法。
生卵だと合いませんが、温泉卵くらいのユルい硬さの卵もカレーにはよく合いますよ。
長く保存したいときのカレーの保存方法
カレーは鍋ごと冷蔵庫で保存できますが、それはあくまで一時しのぎ。
そもそも鍋が邪魔で冷蔵庫が使いにくくなりますから。
もう少し長く保存したいなら、別の方法を選びましょう。
では、具体的にどうやって保存すべきか?おすすめの方法をご紹介していきましょう。
小分けして冷蔵庫で保存する
鍋からタッパーなどの密閉容器に移して、冷蔵庫で保存します。
鍋よりも密閉度が確保されるので、ニオイ移りなど心配なく、邪魔にもなりません。
容器に移す際には、容器の底にサランラップを敷いておくと、カレーの色や匂いが容器に移るのを防げます。
また、洗うのも楽になるので覚えておくといいですよ。
冷蔵庫での賞味期限
しかし、鍋から移したからといって賞味期限が伸びるわけではない点にはご注意を。
冷蔵庫での保存期間の目安は、鍋ごとと同じで、2~3日と肝に銘じてください。
小分けして冷凍庫で保存する
長期で保存したい場合は、冷凍庫がベスト。
鍋からタッパーか、冷凍用のジップロックなどに移して、よく冷ましてから冷凍します。
冷凍用のジップロックで保存する場合は、口を閉じるときに中の空気をしっかり抜くと、場所を取らず、ニオイ移りを防げます。
また、解凍後においしく食べたいなら、冷凍すると食感が落ちるジャガイモや人参は取り出してから冷凍したほうがいいでしょう。
冷凍庫での賞味期限
冷凍庫に入れると、つい食べるのを忘れてしまいますが、それほど長く冷凍して置けるわけではありません。
冷凍庫での保存期間は、一ヶ月程度が目安になります。
カレーを保存するときの容器の選び方
カレーを保存する容器は、様々あります。
それぞれの容器のメリットデメリットを簡単にまとめてみました。
牛乳パック
昔は、カレーの冷凍といえば牛乳パックが使われていました。
その理由は、容器にカレーの色や匂いが移っても、牛乳パックなら「使い捨て」できる気軽さがあるため。
ただ、現在ではエコの観点から、牛乳パックは古紙回収にまわすのがベスト。
カレーの容器に使うと、もう再生はできませんから、くり返し使える容器を使ったほうが地球環境には優しいでしょう。
サランラップ
一食分だけを小分けにして冷凍するなら、もっともコストパフォーマンスに優れるのがサランラップ。
カレーを一品のおかずとして食べたいにも、半食分をコンパクトにラップに包んで冷凍しておくと便利です。
ただ、ラップはカレーのような脂分が多い食品の場合、そのまま電子レンジで加熱すると溶ける恐れがあります。
ガラスの耐熱容器
冷蔵庫や冷凍庫で保存したカレーを、そのまま容器ごと「再加熱」できるのがガラスの耐熱容器のメリット。
デメリットはフタがしっかりと閉まりにくく、冷凍すると冷凍庫の匂いが移る心配がある点。
また、場所を取ったり、落とすと簡単に割れてしまうなど、扱いには難点があります。
ジップロック(フリーザーバッグ)
ジップロックや100均で売っている冷凍用のフリーザーバッグ。
食品を冷凍する際には、もっとも利用する機会が多いはず。
このジップロック(フリーザーバッグ)のメリットは、平たくしたり、丸めたりして、狭い冷凍庫のスペースに押し込める点。
また、中に入れたカレーが薄く伸ばされるため、冷凍するまでの時間が短くなるので、菌の繁殖を最大限に抑えた状態で冷凍できます。
しかし、温める際には注意が必要。
大抵のフリーザーバッグは、耐熱温度が100℃。
カレーのような脂分が多い食品だとそれ以上の温度になるため、袋が破れる可能性が高くなります。
タッパーやジップロックコンテナ
タッパーやジップロックコンテナを大量にそろえて、さまざまな料理を作り置きして保存している人は多いですよね。
タッパーやジップロックコンテナのメリットは、形が決まっているため、整理整頓して保存しやすい点。
ただし、カレーの場合、スパイスの匂いや色素が強いため、プラスチック容器では「ニオイ移り・色移り」しやすいのがデメリット……。
これを防ぐには、カレーを入れる前に、容器の底にラップを敷いて、カレーと容器を直接触れないようにするといいですよ。
100%は防げませんが、使った後も油汚れがつきにくいため、洗うのが楽になるというメリットもあります。
常温でカレー保存がNGな理由
カレーは20~55℃の温度に置くと、急速に腐っていきます。
冬でも暖房をつけている20℃を越えることもあるため、基本的に常温で保存するのは危険な行為なんですね。
常温での賞味期限
カレーが腐るまでの時間は、季節やの室内の温度によって変化します。
ですから、一概に「○時間まで」とはいいにくいのですが、一応の目安がコチラになります。
- 夏なら6時間
- 冬なら12時間
上記の時間を越えるまえに、もう一度、火を通せば、腐るのを一旦ストップがかけられます。
常温でカレーを保存すると腐りやすい理由
カレーを常温で保存すると腐りやすいのは、様々な細菌が繁殖してしまうため。
なかでも特に危険なのが「ウェルシュ菌」です。
ウェルシュ菌とは?
ウェルシュ菌は、人や動物の腸、土や水中など様々な場所に生息している細菌の一種。
20~55℃だと腐りやすいのは、このウェルシュ菌が繁殖に適した温度のため。
ウェルシュ菌は高温にかけても死滅しないため、保存したカレーのなかで時間が経つほど増殖していきます。
100℃で6時間もの加熱にも耐えられるので、カレーを長時間いくらグツグツ煮たところでいなくなりません。
しかも、ウェルシュ菌は空気が嫌いなので、カレーのようなネバっとした料理を煮た鍋の中は、繁殖に最適な環境になります。
気温が高い季節は増殖スピードが早い!
気温が高いとそれだけウェルシュ菌の増殖がスピードアップします。
ですから、夏場はカレーを食べ終わったら、鍋を急速に冷やして冷蔵庫に入れてしまったほうがいいでしょう。
一晩寝かせたカレーが美味しい理由
昔から一晩寝かせたカレーは、作った日よりも美味しいというのが定説。
だからこそ、カレーをたくさん作って、鍋ごと冷蔵庫で保存したい人が多いんでしょうね。
その理由は以下の5つだと言われています。
- 具の旨味や甘みがソースに溶け出すから
- ブイヨン(野菜のダシ)の熟成が進むから
- スパイスの「角」が取れて、まろやかになるから
- 具にカレーの味が浸透するから
- じゃがいもが溶けて甘みが増すから
作りたてのカレーの具材って、どこかよそよそしい感じがしませんか?
カレーのルーとまだ仲良くなっていないというか。
それが翌日になると、しっとり柔らかく味が染み込んでマイルドに。
これが一晩寝かせたカレーの美味しさの秘密だと(個人的に)思います。
まとめ
カレーを鍋ごと冷蔵庫に入れようとしたら、家族から叱責されたりしていないでしょうか?
でも、そんなときは、こうやって反論してください。
- カレーは鍋ごと冷蔵庫に入れても大丈夫
- カレーを冷まして鍋にフタをすれば問題ない
- 鍋ごと冷蔵庫に保存したカレーの賞味期限は2~3日程度
たしかに昔の人にとっては、鍋を冷蔵庫に入れるなんて常識外れに思えるでしょう。
「鍋底が汚れてるから、冷蔵庫も汚れるじゃない!」って怒られるかもしれません。
そんなときは、ちゃんと鍋底をフキンで拭いてキレイにしてから入れればOKですよ。
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