魚へんに神と書いてなんと読むかご存知ですか?
クイズで出題されたら、答えられる人のほうが少ないはず。
そこで
- 魚へんに神の読み方
- なぜ神という漢字が当てられたのか?
こんな疑問にお答えしていきます。
とっても美味しいこの魚の正体は一体なんなのでしょうか?
魚へんに神の読み方
まず正解から書くと、魚へんに神の読み方は、ハタハタです。
ハタハタはスズキ目に属する20センチほどの深海魚で、日本海側で特にポピュラーであり、秋田県の県魚となっています。
焼き魚や煮魚はもちろんのこと、「しょっつる」という魚醤に加工されるなど秋田県を中心に昔から食されてきた身近な食材のひとつ。
鰰の漢字についてまとめると、こうなります。
漢字 | 鰰 |
訓読み | はたはた |
音読み | 無し |
画数 | 21画 |
部首 | 魚(うお・うおへん・さかなへん) |
種別 | 国字 |
ハタハタに「魚へんに神の字」が当てられた2つの理由
ハタハタに魚へんに神の字が当てられたのは、以下の2つの理由が有力です。
- ウロコの模様が神々しく見えたから
- 雷(神鳴り)がよく鳴る季節に獲れるから
どちらも納得できる理由ですが、個人的には後者の説のほうが信憑性が高いのかなと思いますね。
あなたはどう感じるか、ぜひチェックしてみてください。
ウロコの模様が神々しく見えたから
江戸時代の随筆家である大田南畝(なんぽ)の『一話一言』(いちわいちげん)という随筆のなかには
鱗の中に富士山の模様生じ候段、めでたき魚と祝し、文字はいつごろからか魚へんに神と書くなり
との一節があります。
要するに、ハタハタのウロコは富士山のように見える模様があり、めでたくてとても神々しい。
だから、魚へんに神で「鰰」という漢字になったというわけですね。
雷(神鳴り)がよく鳴る季節に獲れるから
ハタハタがよく食される秋田県では、冬になると季節外れの雷がよく鳴るそうです。
その季節になると同時に、深海魚であるハタハタが沖から沿岸へと泳いできます。
そこから昔の人たちは雷とハタハタを結びつけ、「雷の魚」と考えました。
この「雷」は科学的な知識に乏しい昔の日本人にとっては、恐ろしい存在であり、神様が鳴らす音だと信じていたとか。
つまり雷はもともと「神鳴り」を語源としているんですね。
そこから、かみなりの魚=魚+神=鰰と、魚へんに神の漢字が出来上がったというわけです。
ハタハタは魚へんに神以外の表記もアリ
ハタハタは魚へんに神(鰰)以外にも、多くの表記方法があります。
- 鱩
- 雷魚
- 燭魚
- 波多波多
また、秋田県では「佐竹魚(さたけうお)」という別名もあります。
関ヶ原の戦いのあと、常陸(水戸)の領主であった佐竹公が徳川家康によって秋田に国替えされられました。
それ以前は常陸で獲れていたハタハタが佐竹公を慕って秋田でも獲れるようになったとの伝承から付いた名前なんだそうです。
まとめ
魚偏に神はハタハタ(鰰)でした。
日本海側でよく食べられるため、それ以外の地域に住む人にとっては馴染みが薄い魚なので読めなくてもおかしくありません。
でも、これでしっかり覚えちゃいましたね。
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