魚へんに虎みたいな漢字の読み方は?

魚へんに虎みたいなやつの読み方を知ってますか?

なんとも勇ましい「鯱」の字ですが、正体は水族館でよく見るアレでした。

そこでこの記事では

  • 魚へんに虎の読み方
  • なぜその漢字が当てられたのか?

こんな疑問に解答していきます。

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魚へんに虎の読み方は?なんと読む?

魚へんに虎の読み方は「シャチ」が正解です。

魚へんが付いていますが、クジラと同様に哺乳類です。

こうした海に住む哺乳類を「海獣」と呼びます。

野生では魚全般やサメ・クジラを捕食する肉食で、獰猛な性格で恐れられる存在。

しかし、人懐こい性質もあり訓練の覚えも良いのでショーをする姿が各地の水族館で見られます。

▼鴨川シーワールドの鯱の体重測定▼

ご覧のように体長が5~7mもある巨体(中には約10mの個体も存在します)。

気になる体重は……(動画でお確かめください)。

シャチという名前の由来

シャチを昔の日本では、水面に突き出す特徴的な背びれが逆さにした鉾(ほこ)に似ているところから、「サカマタ(逆叉)」と呼んでいました。

このサカマタが

サカタチ(逆立)

シャタチ

シャチ

と次第に変化していき、最後にはシャチという名前が定着したという説が有力です。

「鯱」という漢字について

漢字
訓読み しゃち・しゃちほこ
音読み 無し
画数 19画
部首 うお・さかな・うおへん
種別 国字
※「鯱」は国字(和製漢字)のため、音読みはありません。
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魚へんに虎でシャチと読む2つの理由

シャチが魚へんに虎と書かれるようになった理由は、2つあります。

  • 空想の生き物「鯱」に見立てて
  • 虎のように強いから

どちらが正しいのかは不明ですが、どちらも納得できる説ですよ。

空想の生き物「鯱」に見立てて

古代の中国では

頭は「虎」、体は「魚」、尾びれは空を向き、背中には鋭いトゲを持つ

こんな空想上の動物が存在し、これが日本にも伝来しました。

これがいわゆる「鯱(しゃち)」であり、名古屋城や大阪城など天守閣に飾られるシャチホコの正体です。

空想の生き物「シャチ」を屋根に載せたとき、尾びれが反り返って立っている様が「鉾を立てている」ように見えるから「シャチ+鉾(ほこ)」でシャチホコとなった次第。

誤解しがちですが、シャチホコは生き物のシャチを模した存在ではなく、あくまで空想の生き物でありオリジナルはこっちなんですね。

日本では江戸時代まで生き物のシャチをクジラと呼んでいたそうですが、海外ではちゃんとクジラと区別してグランパスと呼んでいました。

そこで日本でもちゃんと別の呼び名を付けようと、見た目や獰猛な性格から空想の動物であるシャチの名前を流用したというわけです。

※ちなみにJリーグの名古屋グランパスは、名古屋城の金鯱をイメージしてシャチの英語名の「グランパス」をそのままチーム名にしたそうです。

虎のように強いから

シャチは別名「海のギャング」とも呼ばれます。

動物ドキュメンタリーでは波打ち際にいるアザラシを水面から上がってきて捕食する様子を見たことがありませんか?

そんな様子から陸上の肉食獣の雄「虎」の姿と重ね合わせ、魚へんと虎を組み合わせてシャチと呼ぶようになったという説もあります。

昔の人にとっては虎は強い動物の象徴だったでしょうから、有力な説といっていいでしょう。

「虎」が名前に付く魚はシャチの他に2つもいる!

「虎」という漢字が付いた魚は鯱の他に2つもあるんですよ。

それがこの2つ。

  • 魚虎
  • 虎魚

「虎」を前に付けるか後ろにつけるかで、全く別の魚になるんですからややこしいですね。

では、それぞれどんな魚なのか解説していきましょう。

魚虎(ハリセンボン)

魚に虎と書いて「ハリセンボン」と読みます。

身の危険を感じると体を膨らませ、体に生えた棘を逆立てることで有名ですね。

  • 棘を立てる恐ろしい姿
  • 頭がトラに似ている

といった様々な理由から「虎」の漢字が当てられたとか。

ちなみにハリセンボンの体には針は千本もなく、実数は約350本程度だそうです。

【豆知識】鳥のカワセミも魚虎と書く

宝石のようなブルーとイエローの色合いが美しい鳥のカワセミ。

カワセミを漢字で書くと「川蝉」・「翡翠」等が代表的な表記ですが、他にも多様な漢字が当てられており、そのひとつが「魚虎」。

これはカワセミが水中の魚を上手に捕まえる様子をトラに例えたところからきています。

虎魚(オコゼ)

グロテスクな風体をしているのがオコゼという魚。

神様がいい加減にデザインしたような体の形と色、それに加えて背びれにはギザギザの悪趣味な棘が生えています。

その棘に毒を持っている種類もあり、そんな見た目や性質から獰猛な虎という字が当てられたと考えられます。

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まとめ

魚へんに虎である鯱という漢字は、シャチと読むのが正解です。

なぜこの漢字が使われるかというと、空想上の生き物「鯱」にちなんだ名前だからという説が有力。

また、「虎のように強いから」という説もあります。

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