- 魚へんに旨いの読み方は?
- 正解は「すし」です。
よく見かける「鮨」は、いまでは世界中で大人気のあの和食のことでした。
そこで、この記事では
- 魚へんに旨いの読み方
- この漢字になった理由や意味
こんな話題を中心にくわしくご紹介します。
魚へんに旨いという漢字の読み方
魚へんに「旨い」で何と読むかというと、正解は「すし」です。
日本人が大好きなあのスシを漢字で書くと「鮨」になるんですね。
「鮨」という漢字について
漢字 | 鮨 |
訓読み | すし |
音読み | シ・ゲイ・キ |
画数 | 17画 |
部首 | うお・さかな・うおへん |
分類 | JIS第2水準漢字 |
意味 | すし(なれずし・にぎりずし)/魚のしおから・うおびしお |
すしの語源
すしは「すっぱい」の「酢し」が語源とされます。
すしはもともと奈良時代の「熟れずし(なれずし)」が期限。
この動画のように熟れずしは、ご飯と魚を樽に漬け込んだ保存食で今でも滋賀県の名物料理として現存します。
鮒を使うため鮒鮨とも呼ばれます。
その味から「すっぱい」を意味する形容詞「酸し」から名付けられました。
そのため、昔は「鮓」と書いて「すし」と読んでいたそうです。
現在でも関西ではスシを「鮓」と表記する寿司屋があり、「鮨」が使われるのは関東(江戸前鮨)がメイン。
※酢飯(すめし)の「め」が抜けて、「すし」になった説もあります。
※現在のような握り寿司が生まれたのは江戸時代後期のことで、関東大震災でダメージを受けた東京から寿司職人が全国に散ったことがきっかけで広く普及したといわれています。
鮨と寿司の違い
実は「寿司」という表記は、鮨や鮓の当て字なんです。
もともと鮓や鮨と表記されていたスシが
- 朝廷へ献上されるようになったこと
- 結婚式などの祝いの席で出されるようになったこと
こんな「ハレの日」の特別なご馳走になったため、「寿を司る」という縁起担ぎの意味から「寿司」という当て字で表記されるようになりました。
生まれは保存食だったスシが出世して、名前がゴージャスになったわけですね。
なお「寿司」の字が使われるようになったのは江戸時代末期で、明治になってからはこちらの当て字のほうが一般的になりました。
特に朝廷のお膝元である京都では「寿司」の漢字が使われるケースが多いそうです。
※賀寿の祝い言葉「寿詞(じゅし・よごと)」から寿司の漢字が当てられたとする説もあります。
※「長寿を司る食べ物」という意味から「寿」と「司」を取って寿司となった説もあります。
魚へんに旨いがスシになった理由
魚へんに旨いを組み合わせた漢字がスシになった理由は、以下の2つの説があります。
- 「旨」は「耆」の省略形だから
- 単純にスシは旨い食べ物だから
前者の説がやっぱり有力な気もしますが、わりと後者の説が正しいと世間では喧伝されています。
「旨」は「耆」の省略形だから
鮨の右側の部分である「旨」は「耆」という漢字の省略形です。
「耆」という漢字の意味は
- 60~70歳のお年寄り
- 保存したものを熟成させる
という2つあります。
スシのルーツは今のような酢飯に生魚を載せたもの(いわゆる握り寿司)ではなく、ご飯と魚を漬け込んで発酵させた「熟れ寿司(なれずし)」。
今の寿司はすぐに食べないと腐る生鮮食品ですが、熟れ寿司は保存食。
つまり、時間が経つことで旨みが出るタイプの食べ物なんですね。
そんな今とは違う保存食としてのスシの姿から
- 保存して時間が経った食べ物
- 時間が経って老人のように味が出た
といった意味で魚へんに耆(年寄り)を合わせて、鮨の漢字が出来上がったという説。
単純にスシは旨い食べ物だから
私がたまに訪れる寿司屋には、壁に
鮨は魚に旨いと書く、だから鮨はうまい
と書かれたポスターが貼られています。
要するに鮨はうまい食べ物なので、魚へんに旨いと書かれるようになったという説ですね。
これはまるっきり俗説で、よくよく考えると単純なこじつけに思えますが信じている人が多い説です。
まとめ
- 魚へんに旨いの読み方はスシ(鮨)
- すしの語源は「酸っぱい」から
- 現在でも鮓と書くのはそのため
- 寿司は後になって作られた当て字
- 「旨」は「耆(老人)」の省略形
- 昔のスシ(保存食で古い)=「耆(老人)」
- だから鮨という字が当てられた
わたしたちがいま食べている握り寿司・ちらし寿司・稲荷寿司をイメージすると、魚へに旨いが「スシ」を表すといってもピンとこないかもしれません。
でも本来のスシ(発酵食品・保存食)を知ると、納得できますね。
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