ご教示・ご指示・ご教授・ご指導の違い

「ご指示」・「ご教授」・「ご教示」・「ご指導」ってどれも似たような言葉。

仕事上のビジネスメールで他人が間違った使い方をしているのをよく見かけます。

そこでこの記事では、以下の3つの疑問にお答えしていきます。

  • ご教示・ご指示・ご教授・ご指導の意味
  • ご教示・ご指示・ご教授・ご指導の違い
  • それぞれの使い分け方

それに加えて例文も紹介しますので、これを参考にすれば、使い分けはバッチリですよ。

スポンサーリンク

ご教示・ご指示・ご教授・ご指導の意味

まずはそれぞれの言葉の正確な意味を辞書に当たってみました。

きょう‐じ〔ケウ‐〕【教示】

[名](スル)《「きょうし」とも》知識や方法などを教え示すこと。示教。「御―を賜りたい」

出典:goo辞書(デジタル大辞泉)

し‐じ【指示】

[名](スル)物事をそれとさししめすこと。「地図上の一点を指示する」
さしずすること。命令。「指示に従う」「指示を与える」「部下に指示する」

出典:goo辞書(デジタル大辞泉)

きょう‐じゅ〔ケウ‐〕【教授】

[名](スル) 学問や技芸を教え授けること。「書道を―する」

出典:goo辞書(デジタル大辞泉)

し‐どう〔‐ダウ〕【指導】

[名](スル)ある目的・方向に向かって教え導くこと。「演技の―にあたる」「―を受ける」「人を―する立場」「行政―」

出典:goo辞書(デジタル大辞泉)

ご教示・ご指示・ご教授・ご指導の違い

ご教示・ご指示・ご教授・ご指導の4つの言葉はすべて頭に「ご」が付いているので、自分よりも立場が上の相手に対して使うものです。

しかもどれも「相手に何かをしてほしい」際に使われます。

ではそれぞれの言葉はどういうときに使うのが正しいのか、その違いを見ていきましょう。

【ご教示】は?

一般的な知識を簡単に教えてもらいたいときに使う

【ご指示】は?

判断や行動などをどうすればいいか教えてほしいときに使う

【ご教授】は?

専門的な知識を時間をかけて教えてもらいたいときに使う

【ご指導】は?

分からないことや初めてやることの「やり方」を教えてもらいたいときに使う

私もそうですが、人に何かを教えてもらいたいときに、すぐ頭に浮かぶのが「ご教授」で、ついつい使ってしまう人が多いと思います。

しかし、だいたいの場合においては、それは大げさな言い方(使い方)。

たとえば、仕事上の指示をあおぎたいとき、仕事の進め方を尋ねるといった場合には「ご教授」ではなく「ご教示」が適しているんですよ。

大学の講義を受け持つ先生を「教授」と呼ぶように、ある特定の専門分野の学問・技・芸を時間をかけて教えてもらいたいときだけ特別にあらたまって「ご教授願います」と使います。

スポンサーリンク

こうやって使い分ける!ビジネスメールでの使い方

電子メールを打つ手

それぞれの言葉をビジネスの場で口頭で、ビジネスメールで文章として使う場合の使い分け方を例文を挙げてご紹介します。

【ご教示】の例文

  • 会計ソフトの使い方をご教示ください。
  • 退出時の鍵の管理方法についてご教示願います。
  • 先日はマナーについてご教示くださり大変ありがとうございました。
【ご指示】の例文

  • 納期についてご指示ください。
  • ご指示の通りに改善いたします。
  • ご指示がない限り変更は不可能です。
【ご教授】の例文

  • お手数をお掛けしますがご教授願います。
  • 懇切丁寧なご教授に感謝致します。
  • 3年もの長い期間、ご教授を賜り、ありがとうございました。
【ご指導】の例文

  • 元Jリーガーのコーチにご指導を依頼した。
  • 面接で好印象を与える方法をご指導お願いします。
  • 医師のご指導にそって食生活を改善する予定です。

「ご教授」の安易な使用にご注意

学問や芸事などを長期間に渡って教えてもらうことを「ご教授」と呼ぶので、ビジネスメールではほとんど使う機会はないのかなと思います。

たとえば

  • 「教えて下さい」
  • 「教えて下さってありがとうございました」

ということを伝えたい(書きたい)場合は「ご教示」を使うのが正解ですよ。

「ご指導」が適切なシーンとは?

「ご指導」はどういう時に使うかというと、たとえば新しい職場で働き始めて、上司などに仕事のやり方を教えてもらうときの挨拶として

⇒ご指導よろしくお願い致します。

といった感じに使うのが正解です。

「ご教示」は知識を教えてもらいたいときで、「ご教授」は専門性の高い知識や技を教えてもらう場合に使いますが、「ご指導」は

  • 少年野球の指導を頼んだ
  • 交通マナーを指導してもらう
  • 特別講師に指導をお願いした

といった風に、ある分野の特殊な技能・知識を伝授するような場合に使います。

スポーツの分野でコーチが選手に技能向上のために教えるのが典型例ですね。

似たような言葉に「指南」がありますが、こちらは

⇒指導することそのもの、または指導する人

を指します。

つまり「空手を指南する」といった場合の意味は「空手を指導する」という意味になります。

スポンサーリンク

まとめ

駆け足の説明になりましたが、要点はつかめたでしょうか?

私が理解した範囲でいま思いつく分かりやすい使い分け方を「釣り」にたとえて言うと、

■石鯛を初めて釣るので基礎を教えてもらたい場合
⇒石鯛の釣り方をご指導ください。

■石鯛の釣り方をじっくり教えてもらいたい場合
⇒石鯛の釣り方をご教授下さい。

■石鯛の釣り場を教えてもらいたい場合
⇒石鯛の釣り場をご教示ください。

■石鯛の安全な釣り場を教えてもらいたい場合
⇒石鯛の安全な釣り場をご指示ください。

となります。この違い、理解していただけるといいのですが。

【次はこちら】みんなが間違えている言葉の正しい使い方

さっきゅう・そうきゅうの違い※NHKアナウンサーの読み方は?

車を「止める・停める・駐める」。漢字ではどっちが正解?

施行・施工/しこう・せこう:読み方と意味の違いを1分で!

スポンサーリンク