旅館に出発してから、「あ、そういえば心づけを包む紙がない」と気づくことがありますよね。
旅行にはしょっちゅう行きませんから、そんなことは頭にない場合がほとんどです。
すぐに用意できるのは「ティッシュ」のみ……。
そこでこの記事では
- 旅館の心付けのティッシュでの包み方
- 心付け(チップ)の折り方
- 仲居さんへの渡し方のマナー
など、知りたかったことをすべて調べてまとめてみました。
これから温泉旅館に泊まる人の参考になりますように。
【旅館の心付け】ティッシュを使ったお金の包み方
旅館の心付けを包むのにティッシュしか無い!
そんなときに少しでも体裁(見た目)良く包む方法をご紹介します。
お金(チップ)の折り方
まず最初にお金の正しい折り方から。
心付けのお金は大抵が千円札を使うことになるので、ぴっしりとキレイに折り目をつけて折るようにします。
これだけで印象がずいぶん違いますよ。
お金の折り方はこちらの動画をご覧ください。
野口英世の顔のラインに合わせて折ると、ピッタリと三枚折りになります♪
ティッシュでの包み方
そして、最後にティッシュでの包み方。
三つ折りにした千円札を横向きに置いて、折り返していけば完成です。
「旅館での心付け」というのは、結婚式のご祝儀やお葬式の香典と違って、決まったマナーというのはありません。
ですから、すべてを完璧にピシッと包む必要はなく、とりあえず「形」になっていれば大丈夫ですよ♪
旅館の心付けを包む紙は何が理想的?
心付けのお金(紙幣)は、むき出しのままで渡すのはさすがにマナー違反で失礼です。
できれば旅行に出かけるまえに
- ポチ袋(白い封筒でもOK)
- 懐紙(かいし・ふところがみ)※小ぶりの和紙のこと
のどちらかを用意して、これで包んで渡しましょう。
懐紙や普通のA4コピー紙などでポチ袋を作って包む方法がこちらの動画で解説されています。
万が一忘れた場合はティッシュに包んで渡すのもOKです。
それほど格式ばった正式な決まりはありませんからティッシュでも全然平気ですし、むしろポチ袋や懐紙を用意している人のほうが少数派ですから。
そもそも旅館での心付けは絶対に必要なの?
旅館に宿泊する際に仲居さんにお礼の意味を込めて「心付け」を渡すというのは、必ず守らないといけないマナーかというと、
最近の旅行雑誌のアンケート調査では心付けを払う人は少数派という結果が出ていました。
その理由として心付けは【サービス料】に含まれているから必要ないと考えている人が多数でした。
心付けが必要な旅館と渡した方がいいケース
心付けは必要ないと考えている人が多数派で、実際に最近では心付けを渡しても拒否する(規定で受け取れない)旅館が増えています。
しかし、すべての旅館がそうではなく、不要な旅館と、今でも心付けが当たり前のように授受されている旅館があります。
その判別は以下の基準を参考にしてください。
(1)部屋付きの専任の仲居さんがいる旅館
旅館にチェックインすると部屋まで案内されて、きちんと名前を名乗り、その仲居さんが布団の上げ下げなどすべてやってくれるようなキッチリとした昔ながらの旅館ですね。
(2)いわゆる高級な日本旅館
旅行雑誌では三ツ星認定されていて、朝晩の食事を大部屋で一斉に食べるのではなく、各部屋でそれぞれ別々に食べるような旅館。
(3)老舗の旅館
創業から100年以上も経過していて、女将さんがひとりで取り仕切っているような伝統と格式のある名旅館ですね。
心付けが不要な旅館
逆に心付けが不要な旅館もあります。
その見分け方、判断の方法がこちらになります。
(1)食事を大ホールで食べる旅館
宿泊客が一箇所に集まってバイキング形式でそれぞれ好きな料理を取り分けるような食事形式の旅館。
(2)旅行会社のツアーで泊まるような大規模旅館
新聞チラシや旅行雑誌で一泊二日1万円~2万円くらいで宿泊できる格安の旅館。
(3)サービス料をとる旅館
事前にサービス料を別途で徴収するような旅館では仲居さんへの心付けを禁止している場合が多々あります。
不要だと思われる旅館でも特別な配慮をお願いする場合は
すみませんが、よろしくお願いします
という気持ちを込めて渡したほうが良いでしょう。
たとえば、小さな子供や老人などのためにプラスアルファのお世話をお願いする場合や、こちらの都合で面倒な用事を頼む場合などです。お気をつけください。
心付けの金額はいくら?世間一般の相場
さて、では心付けを渡すとなったら、金額はいくら包めば良いのでしょうか?
今時の世間一般の相場を調べてみたところ、こんな結果になりました。
- 少なくて1,000円~多くても3,000円まで
- その旅館の宿泊料金の10%~15%程度
だいたい今の御時世では3,000円を包んでおけば、多からず少なからずで恥ずかしくない金額だと思いますよ。
心付けはいつ渡す?仲居さんへ渡す最適なタイミングとは?
心付けを仲居さんに渡すのは、最適なタイミングがあって、みなさんだいたいこの時に渡しているものです。間違えないように準備をしておきましょう。
心付けを渡すタイミングがこちら。
- 旅館に到着し、チェックインする
- 仲居さんが部屋へ案内してくれる
- 仲居さんに部屋に通され避難経路などの説明がある
- すべて終わって仲居さんが立ち去る前に心付けを渡す
渡す際は「お世話になります」・「お茶菓子代にでもされてください」といった一言を添えるのが普通です。
旅館の心付けはお菓子でもいいってホント?
なかには心付けは現金ではなく「お菓子」で渡すという方もいらっしゃいます。
でも初めて行く旅館でいきなりお菓子を差し出すというのも変ですよ。
顔なじみになった仲居さんに対してならOKです。
あくまでなんども同じ宿に通いつめて、仲居さんともすっかり顔なじみになって世間話さえするような間柄になってからの話。
気心がしれていて「いつもお世話様」という意味で、心付けにプラスして、美味しい和菓子の菓子折りを持参するなんて、とても素敵ですね。
そういう行きつけのリピーターになる宿を私も持ちたいです
まとめ
旅館での心付けをティッシュで包む方法について解説してきました。
あらためてまとめると
- 心付けは千円札を三つ折りにする
- ティッシュでの包み方は適当でもかまわない
- なるべくポチ袋か懐紙で包む
- 心付けの相場は1000円~3000円
- 心付けを渡さないでいい旅館もある
- 顔なじみになったらお金ではなくお菓子でもいい
日本には欧米のようにチップの習慣がないと言いますが、実は宿泊施設においては昔から日本独特の「心づけ」という習慣がありました。
これは仕事を越えて親身になって献身的に「おもてなし」をしてくれる中居さんへの感謝の気持ちを形にしたいという自然な行為だと思います。
こんな日本人の気遣いをこれからも大事にしたいですね。