ファーストネームとラストネームの違いを、ちゃんと判別できていますか?
日本語で言うところの「苗字」と「名前」、それぞれどちらに当たるのか、ぱっと思いつかないときがあるんですよね……。
今度、海外旅行(ショートステイ)に行きたいと思っているんですが、航空券の予約のときなどに入力する必要があるので間違えないように覚えておきたくて。
初めて海外に行く人はパスポートの申し込みや入国申請の際に戸惑うのが普通では?
そこでこの記事では
- ファーストネームとラストネームのどちらが苗字と名前に該当するか?
- それぞれの意味は?
- ファミリーネームとは?
- ミドルネームとは?
など日本人には馴染みのないファーストネームとミドルネームとラストネームの違いや意味について実例を挙げて分かりやすくまとめてみました。
ファーストネームとラストネーム、どっちが苗字でどっちが名前?
海外旅行での出国手続きなどで「あなたの名前を英語で書いてください」と指示されたとしたら?
- What is your last name?(あなたのラストネームは?)
- What is your first name?(あなたのファーストネームは?)
こんなときの正しい答え方は
- First name=名前
- Last name=苗字
このように回答すれば正解です。
つまり
- 「ファーストネーム」は日本語で言う「(下の)名前」
- 「ラストネーム」は日本語で言う「苗字」
に当たります。
たとえば、鈴木一郎さんの場合
- 「一郎」(名前)がファーストネーム
- 「鈴木」(苗字)がラストネーム
に該当するわけですね!
日本と英語圏での自己紹介の違い
日本と英語圏での自己紹介の際の違いについて表にまとめてみました。
日本での表記 | 鈴木一郎 |
英語圏での表記 | Ichiro Suzuki |
日本での名乗る順番 | 苗字⇒名前 |
英語圏での名乗る順番 | 名前⇒苗字 |
英語で自己紹介するときは「一郎・鈴木」の順番になります。
山田太郎さんのファーストネームとラストネームは?
もうひとつ分かりやすい例として
「山田花子」をサンプルに説明しますと
- 花子がファーストネーム
- 山田がラストネーム
になります。
ですから、海外に行って自己紹介するときは
My name is Hanako Yamada.
と言えばいいわけです。
逆に英語名のマイケル・ジャクソンさんを日本風の姓名の並びに変えると
ジャクソン・マイケル
になりますね。(笑)
マイケル・ジョーダンさんの場合は
ジョーダン・マイケル
になります。
ファーストネームの意味とは?
ファーストネームの意味には
- 姓名の最初(ファースト)に来る名前
- 生まれてから最初(ファースト)につけてもらう名前
という二重の意味があります。
英語圏(欧米)ではご存知のようにキリスト教徒が多いですよね?
キリスト教では「名前は本質を表す」という思想があるため、名前をつけることをとても大切にします。
キリスト教の信徒(クリスチャン)が「洗礼を受けるときに付けられる名前」を自分の名前にする人も多いことから、ファーストネームをクリスチャンネーム(Christian name)とも呼ぶんです。
また、ファーストネームは親から与えられた(Give)最初の名前という点から、ギブンネームとも呼ばれるんですね。
我々日本人がイメージする「名前」は親から生まれたときに付けられたものというイメージが強く、それ以外にはありませんが、英語の名前(欧米の多くのキリスト教圏を含む)は、様々な意味合いをもつわけです。
ラストネームの意味とは?
「名前」と違って、ラストネームは日本人がイメージする姓(苗字)とほぼ変わりません。
たとえば、日本人であれば親が「鈴木」なら、子供の姓も「鈴木」のように
親が「スミス」ならば、子供のラストネームも「スミス」です。
※欧米も日本と同じように「父親」の姓を受け継ぐのが普通です。
なぜ「ラスト」と呼ぶのかは、いたって単純で名前の一番最後に付いているから(笑)
このラストネームがどうやって付けられたかという経緯ですが
■第2位・・・関係性が由来(~の息子など)
■第3位・・・ニックネームが由来
■第4位・・・職業が由来
これが由来の上位ベスト4。
「地名」というのは、そのまんま住んでいる地域名から。
「関係性」というのは、ジョンソンやウィルソンなど語尾に「ソン(息子の意味)」が付く姓は、ジョンの息子やウィルの息子などという意味を持ちます。
「ニックネーム」は髪の毛の色が茶色(ブラウン)の人がブラウン姓になるなどシンプルな由来。
「職業」というのは、鍛冶屋(スミス)・仕立て屋(テイラー)・漁師(フィッシャー)・粉挽き(ミラー)など日本人がすぐ浮かぶ英語の姓は、だいたい職業由来だったりします。
ファミリーネームの意味とは?
もうひとつ時々、見かけるのが「ファミリーネーム」という存在。
こちらは名前のどの部分かというと「苗字」にあたります。つまり「ラストネーム」と意味は一緒。
ファミリーとはあえて説明するまでもなく「家族」を意味します。
その家族で共有するのが苗字ですから、その意味でラストネームのことを「ファミリーネーム(Famiy name)とも呼ぶわけですね。
ミドルネームの意味とは?
ミドルネーム(middle name)とは「ミドル(中間)」という言葉が表すように、
名前(ファーストネーム)と姓(ラストネーム/ファミリーネーム)の中間に入る名前を指します。
このミドルネームに使われるものは
- 洗礼名
- 母方の名字
- 父方の名字
- 祖父母の名字
- 子供の出生地
- 両親が尊敬する人
など様々。
大人になってからも申請すれば、簡単に付けたり変更したりできる気軽なものだそうです。
欧米の有名人のミドルネームをちょっとだけご紹介しましょう。
■リチャード・ギア⇒リチャード・ティファニー・ギア
あまり知られていませんがリチャード・ギアにこんなかわいいミドルネームが!女の子の名前みたいです。
■ヒュー・グラント⇒ヒュー・ジョン・マンゴ・グラント
マンゴというのはスコットランドの聖人の名前だそう。
■レオナルド・ディカプリオ⇒レオナルド・ウィルヘルム・ディカプリオ
ウィルヘルムは英語でいうところのウィリアムに相当します。
■ウィル・スミス⇒ウィル・キャロル・スミス
リチャード・ギアもそうですがミドルネームに女の子の名前を入れるのは珍しくないのでしょうか?
■ユマ・サーマン⇒ユマ・カルーナ・サーマン
カルーナは仏教用語だそう。
■マット・デイモン⇒マット・ペイジ・デイモン
ラストネームみたいなミドルネームですね。
ちなみに「ホワイジャパニーズ?」でお馴染みの厚切りジェイソンさんは
ジェイソン・デイビッド・ダニエルソン
が本名で「デイビッド」がミドルネームだそうです。
英語の名前の仕組みについて
英語圏の名前は
ファーストネーム・ミドルネーム・ラストネーム
の順番で構成されています。
ジョン・F・ケネディ(故アメリカ大統領)ならば
- ジョン(ファーストネーム/名前)
- F(ミドルネーム)
- ケネディ(ラストネーム/苗字)
になりますね。
このように名前を表記する並びによって
- ファースト(一番初め)
- ミドル(真ん中)
- ラスト(最後)
という意味をもたせているんですね。
※ミドルネームは付いている人と付いていない人がいます。
※ジョン・F・ケネディのミドルネーム「F」はフィッツジェラルドの略です。
このように長い場合は省略して表記するのが一般的です。サミュエル・L・ジャクソンなど。
名前の順番の覚え方
ファーストネームとラストネームのどっちが苗字でどっちが名前になるのかは、咄嗟に判断つけづらいときがありますよね。
そんなときはこんな連想法はどうでしょうか?
メジャーリーガーで有名なイチロー選手がいますが、彼の名前はイチロー・スズキですよね。そのイチローが野球のファースト(一塁)の守備位置についている絵を想像してください。
イチローはファースト
イチローはファースト
↓
イチローはファースト(ネーム)!
覚えられましたか?これでもう頭にこびりついたはずでしょう(^O^)
苗字と名前が逆になる国はどこ?
日本のように最初に苗字、続いて名前が来る国は少数派です。
ヨーロッパのほとんどの国では「ファースト→ラストネーム」の順番ですが、なぜかハンガリーだけが日本と同じように苗字→名前の順番になっています。
アジア圏では中国や韓国、北朝鮮、台湾、ベトナム、インドの一部は日本と同様です。
それ以外の英語圏・フランス語圏・スペイン語圏・ドイツ語圏・イタリア語圏といった世界のほとんどの地域ではファーストネーム→ラストネームの順となっています。
ファーストネームとラストネームのまとめ
ファーストネームとラストネームのうち、どっちが苗字でどっちが名前かという疑問にお答えしてきました。
あらためてまとめると
- 苗字=ラストネーム
- 名前=ファーストネーム
となります。
自己紹介で自分の名前を姓名を逆さにして言うのは迷いません。
でも航空券とか海外に行ってから何かの手続きで書類に「First name」と「Last name」を書き込む欄があると咄嗟に「あれ?どっちだっけ?」と迷っちゃうんですよね^^;
これからは「イチローはファースト」という覚え方で間違えないようにしたいです。