風邪をうつすの漢字はどう書くのでしょうか?
候補は「移す」・「感染す」・「伝染す」の3つ。
ここでは
- 辞書に掲載される正しい漢字
- 風邪は他人にうつすと治るというウワサの真偽
- うつすと罪に問われる?
など「うつす」ことにクローズアップしてまとめていきます。
風邪を「うつす」は漢字ではどう書く?
「風邪をうつす」の「うつす」は漢字ではどう書くか、ちょっとパッとは思いつきませんよね?
そこで辞書で調べてみたところ、「移す」が正解でした!
4 伝染させる。「風邪を—・される」
自分のところにある風邪(ウィルス)を他人のところに「移動」させるので、「移す」と書くのが適切なわけですね。
最近だと当て字ですが「伝染す」なんて書き方もします。
またもうひとつスマホやパソコンの日本語変換の候補のひとつとして「感染る」・「感染す」が表示されますが、これも「当て字」のひとつですよ。
当て字とは?
当て字とは、ある言葉に、本来の読み方とはかけ離れた漢字を当てはめた字のこと。
「風邪を感染す」を例にとると、「感染(かんせん」」と本来は読む漢字を、意味を連想させるからと無理やり「うつる」と読ませていますよね。
こうした当て字は意外と身近にたくさんあります。
【当て字の例】
- 滅茶苦茶(めちゃくちゃ)
- 出鱈目(でたらめ)
- 珈琲(こーひー)
これらは今では普通に使っていますが、先に言葉があってそれを漢字に当てはめたものなんですよ。
最近の例では「漢」と書いて「おとこ」と読ませる漫画がありました。
これも当て字のひとつですね。
風邪をうつすに関係した雑学集
他人に「うつすと治る説」の真偽
ひどい風邪をひいて咳や高熱を出すと、申し訳ないことに周囲の人間にうつしてしまうことがあります。
困るのはそれで自分が治ってしまうということ。
はたして、それって「うつしたから治った」のか?、真実なのかというと、実はコレ、真っ赤な【嘘】なんです!まったく科学的根拠のない迷信なんですよ。
でもどうしてそれがさも真実のように信じられてきたかというと、こんなタイミングの妙があるからなんです。
どうして「うつすと治る」を信じてしまうのか?
2. 周囲にウィルスを撒き散らす
3. 他人がそのウィルスに感染する
4. 自分の風邪が治る
5. 潜伏期間を経て他人の風邪が発症する
その結果、うつしたことで風邪が治ったと誤解するわけです。
自分が治った頃に、ちょうど他人の風邪がタイミング良く(悪く)発症してしまうからなんですね……。
風邪をうつされる期間・うつす危険がある期間
自分がいま引いている風邪を他人にうつしてしまう危険性がある期間はどれくらいなのでしょうか?
風邪を引いている間はうつるのは当たり前ですが、治りかけの期間でもうつす危険性はあります。
ですが、どれくらいの期間(日数)というのは、はっきりと断言はできません(うつされる側の抵抗力の強弱で変化するため)
また、潜伏期間(まだ症状が出ていない段階)でも他人にうつす可能性があります。
【風邪ウイルスの潜伏期間】
- 普通の風邪(普通感冒)・・・5~6日
- インフルエンザ・・・1~2日
風邪をうつすと罪になる?
風邪をわざと他人にうつしたことがバレたら傷害罪で訴えられるって聞いたことがありますが、本当なのでしょうか?
なんと過去の裁判では、病気が感染することを認識しながら「故意に感染させた場合」に傷害罪が成立するという判決が下ったことがあります。
風邪の場合でも故意に感染させた場合は傷害罪に問われる可能性があるということですね。
ただ、AさんがBさんに風邪を感染させたことを立証するのは難しく現実的ではなさそうです。
会社における風邪患者の扱い
風邪くらいで仕事を休むな!が常識になっている日本社会。
しかし、もし風邪やインフルエンザに感染しているのが分かっている社員を出社させて、他の社員が罹患してしまった場合、「安全義務違反」に問われる可能性があります。
オフィスにたったひとりでも風邪患者がいると、たった半日で共有スペースの半分が菌にまみれてしまうとか……。
普段から風邪をひいたら休みやすい雰囲気を作っておくことが大事ですね。
【絶対厳禁】風邪をうつす方法
絶対にやってはいけませんが、風邪を移すなら、こんな方法が効果てきめんです。
逆に言えばこれの逆のことをしていれば周囲に移す恐れがぐっと低くなりますよ。
- 風邪をひいていることを隠して登校・出社する
- 咳が出てもマスクは絶対しない
- あたり構わず咳とくしゃみをしまくる
- 手洗いをしないであちこち触る
- 他人と至近距離で大声でしゃべる(唾液が飛ぶくらい)
風邪のウイルスは飛沫感染するので、なるべく移したい相手のそばで咳やくしゃみなどをすればいいわけです。
ただ、相手がマスクをして完全防備していればうつすのは至難の技になりますね(汗)
まとめ
風邪をうつすは漢字ではどう書くのか?ご紹介してきました。
あらためて確認すると、「風邪を移す」が正解です。
「感染す」や「伝染す」という書き方は、家族や友人などプライベートなメールやLINEなどでは使っても間違いではありませんが、あくまでまだ当て字の範疇であり、公的な場面では使うのを控えるべきです。
こうした漢字の当て字も大半の人が認識し「それも正しい」と辞書に載るときもきますが、それはまだもう少し先になりそうですね。
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