葬式でもらう塩って身内が亡くなった場合でも使うものなのか、迷ってしまいませんか?
先日、親類の葬式があったんですが、帰りに塩を頂いて帰宅したものの、年配の親類は使っていましたが若い人はほとんど使わないでそのまま家に上がってしまいました……。
たしか玄関で使うのが正しいと思うんですが、もし忘れたときはどうすればいいのかも気になります。
そこでこの記事では
- 葬式の塩は身内(家族・親類)が亡くなったときも使うのか?
- 葬式の塩の正しい振りかけ方
- 玄関で振りかけるのを忘れたときはどうするか?
- 使うのを忘れた塩はどうしたらいいか?
- お葬式によって塩が配られないのはなぜなのか?
など疑問点をすべてまとめておきます。
葬式の塩は身内(親族)が亡くなった場合でも使う必要がある?
お葬式に参列すると帰りがけに受け取る「塩」の袋。
この葬式の塩は、亡くなったのが身内の場合でも使うのが常識です。
亡くなった身内(親族)の方と同居している場合でも、住まいが別の場合でも、どちらでも関係なく、お葬式のあとは家に上がるまえに塩でお清めするのが昔からの「しきたり」。
「死の穢れ」を家に持ち込まないという意味合いですから、亡くなった方が身内(親族)だろうが他人だろうがまったく関係のないことなんですね。
自宅に帰ったら玄関前で!葬式の塩の使い方
葬式の塩は正しくは「お清めの塩」といいます。
このお清めの塩の使い方は、葬式から帰ってきて家に上がるまえに「玄関前」で体に振りかけます。
その塩を振りかけるやり方はこちらの動画でご覧ください。
- 葬式の塩(お清めの塩)を袋から出して手の平に乗せる
- 少量の塩をつまんで持つ
- 塩を胸→背中→足元の順番で3箇所に振りかける
- 振りかけた塩を手で払う
というのが正しい使い方となります。
自分か、もしくは他人(家族など)にやってもらっても大丈夫です。
小さなお子さんには親が代わりに振りかけてあげても良いでしょう。
まくのを忘れた時はどうすればいい?
長時間に及ぶ葬儀で、たくさんの人とあって挨拶をして……そうするとグッタリ疲れますよね?
疲れてボンヤリとしたまま帰宅すると「あっ、清めの塩を使うのを忘れた!」なんてこともあるでしょう。
そんなときは、もう一度、外へ出てやり直せばOKです。
家へ上がってすでに喪服から普段着へ着替えていた場合、もう一度、喪服を着てから、ふりかけるのが正しいやり方。
昔からの風習を大事にするお年寄りなどは、塩を振り忘れたのを気にして、急いで玄関まで戻り、塩をふりかけてから家に上がるという話を聞いたことがあります。
使わなかった塩はどうすればいい?
使わなかった塩の扱いはけっこう困ります。
かといってこの清めの塩は食べられないのでご注意下さい。
袋のウラにだいたい「非食品」と記載してあるように、この塩には湿気ないように乾燥剤が入れられています。
使わなかったからといって捨てるのは忍びないですから、出来るだけ使ってしまったほうがいいですね。
葬式から帰宅して数時間経っていたとしても、もう一度、玄関の外へ出て儀礼的にも葬式の塩をパッパッと振りかけて使い切ってしまうのがいいでしょう。
葬式によって塩の用意があったりなかったりする理由は?
葬式から帰ってきて、そういえばお清めの塩を貰わなかったな、ということもありますよね?
実はこの塩をふりかけて清めるという行為は、神道の考えから来ているんです。
大相撲で力士が土俵に塩をまく動作も同じように清めているんですね。(大相撲は神道と結びついた神事ですから)
神道では死を「穢れ」と考えていて、死と接する葬式から帰ったときには穢れを家に持ち込まないようにその邪気を払うため、塩で清めるわけなんです。(仏教では死を穢れとは捉えません)
宗教 | 「死」の捉え方 |
---|---|
仏教 | 「穢れ」とは捉えない |
神道 | 「穢れ」と捉える |
ですので、葬式のほとんどが仏教式で行われている現在では、それを不要だと考える仏教の一部の宗派(浄土真宗)があるので、参列した葬式によっては塩が配られないというわけなんですね。
仏教式で葬式をしたのに、神道式で清めるというのは確かに変わっています。
また、キリスト教や無宗教での葬式では当然ながら塩は配られません。
葬式の塩の使い方まとめ
葬式の塩は身内の場合でも使う必要があるのか?という疑問を中心にまとめてきました。
ざっくり要点だけ振り返ると
- 身内の葬式でも葬式の塩は使うのが普通
- 葬式から帰ったら家に上る前に玄関で使う
- 仏教ではなく神道の教えからきている
- 次第に行われなくなりつつある
このように家族や親戚が亡くなった場合でも家に上る前に玄関前で体に振りかけるのが常識なんです。
ただ、仏教の葬式に出た後で塩で清める意味がどこまであるかと考えると、そこまでやる必要があるのかな?というのが正直なところですね。