施工と施行の違いを正確に理解している人は少ないですね。
そもそも「せこう」・「しこう」、どっちの読み方が正しいのか、分かりますか?
意味もよく分かってなくて、使い分けが出来ないのも普通かもしれません。
法律の時は、どっちだっけ?、工事の時は、う~ん、分からない……
そんな理解があやふやな人のために
- 施行と施行の違い
- 施工と施行の意味
- 正しい読み方
などなど超カンタンに解説していきます。
施工と施行の違い
はい、まず最初に施工と施行の違いから解説していきましょう。
この両者の違いをカンタンに説明すると
- 施工⇒「工事」を実行すること
- 施行⇒「政策・計画」を実行すること/「法令」の効力を発生させること
一般的な使い方はこのように、工事を実施するときは「施工」、法律などが実施されるときは「施行」を選べば間違いがありません。
施工の意味
【施工】
工事を実施すること。出典:goo辞書
施工の例文
- 新しい国立競技場の工事を施工する
- 一軒家の施工主
- 格安物件の施工業者
このように何かの工事の際によく使われるので、工事関係者の間ではポピュラーな言葉です。
施行の意味
【施行】
1 実際に行うこと。政策・計画などを実行すること。実施。
2 法令の効力を発生させること。出典:goo辞書
施行の例文
- 消費税10%は2019年に施行される予定
- 政策の施行に反対する野党
- 施行細則が改正されました
こちらは主に法律や法案に関わることなので、政治家の間でよく使われる言葉です。
施工と施行の正しい読み方
続いて施工と施行の正しい読み方をチェックしてきましょう。
建築業界などで「せこう」と読む場合が多く、それが一般にも浸透しています。
また施行(しこう)と区別するために「せこう読み」するようになったという説もあります。
法律用語では「執行(しっこう)」との聞き間違いを避けるため、あえて「せこう」と読むこともあります。
現在では法学者や教授なども「せこう」読みする人が増えているそうです。
と、このように施行と施工のどちらも本来の正しい読み方は「しこう」だったんです。
ですが、便宜上、「せこう」と読むことが増えてきたため、どちらでも間違いではないというのが現在の状況です。
「施行」と「施工」は「しこう・せこう」のどちらの読み方をしても間違いではありませんが、漢字については用途に合わせて使い分けないといけません。
こういうときはどう読めばイイ?
- 施行令・・・しこうれい
- 施行規則・・・しこうきそく
- 施工例・・・せこうれい
- 電気工事施工管理技士・・・でんきこうじせこうかんりぎし
ようはそれが法律(法令・規則・決まり)に関係したものなのか?建物などの建築工事に関係したものなのか?で判断すればOKです。
- 法律関係の場合・・・「しこう」と読む
- 工事建築関係の場合・・・「せこう」と読む
こんな感じで単純に記憶すれば良いでしょう。
家のハウスメーカーや大工は「せこう」読みが普通
数年前に家のリフォーム工事をしました。
その際、工事を頼んだハウスメーカーや工事を引き受けてくれた大工さんはみな一様に施工を「せこう」と読んでいましたね。
建築業界ではやはりこれが普通なのでしょう。
法律関係の人に関わることは日常的にまずないので分かりませんが、テレビの政治関係のニュースをよく注意して聞くと施行は必ず「しこう」と読んでいることに気づきますよ。
まとめ
施工と施行の違いから読み方と意味まで幅広く解説してきました。
要点をまとめると
- 施工は工事を実行すること
- 施行は法律などを実行すること
- 読み方は「しこう」「せこう」どちらでもOK
- 工事のときは「せこう」と読むのが普通
- 法律のときは「しこう」と読むのが普通
これさえ押さえておけば、もう安心ですね!